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魔剣使いと召喚神(サーバント)  作者: やましゅん
突然の来訪、そして邂逅
1/5

召喚契約篇Ⅰ

*注意書き

この作品は以下の成分が含まれています。

・若干中二病

・ちょいエロ

・シスコン兄貴とブラコン妹

・戦闘シーンが来るのが遅い

・俺TUEEEEE‼︎

・パクリと思わせるような設定

等があるので、苦手な方はご遠慮下さい。

とある一軒家の地下室。

「・・・」

そこに、一人の少年ーーーつまり俺がいた。

俺は、部屋の中央に立ち、開いた右手を正面に延ばし、目を閉じていた。

俺は、まるでロボットのように、ただ言葉を羅列し、『何か』の発動を待っていた。

・・・何も起きない。

やがて俺は、その無駄に等しい行為をやめ、そしてこう言うのだった。

「はぁ、また失敗か」

この台詞(せりふ)は、一体いつになるまで言い続けるのだろうか。

呆れという言葉しか思いつかない。

ところで、このいつまで経っても『魔法』が使えない愚かな俺を紹介しよう。

俺は、古宮楓真(こみやふうま)。紺色の髪、中背(ちゅうぜい)の痩せ型で、童顔。そんな容姿が特徴的な高校生だ。

俺が住んでいるのは、東京都の約三分の一を占める、東京西部開発都市、通称『開発都市』。その一部の天楼市(てんろうし)、通称第十四区にある、一般的に言えば豪邸だ。高校は、この辺りで最も近いところに通っている。ちなみにリア充ではないから心配してくれ。

そして、一応『魔剣士』だ。

普通、魔剣士というのは、『魔法を剣技と組み合わせて戦う剣士』を指すのだが、俺の場合、『魔剣を扱って戦う剣士』の事を指す。この地球上には、およそ五万人もの魔剣士が存在しているということだが、その九割以上が『魔法を剣技と組み合わせて戦う剣士』、通称『魔法剣士』と呼ばれる者たちだ。だから、俺のような『魔剣を扱って戦う剣士』、通称『魔剣使い』は非常に珍しい存在だ。だが、それは良い言い方だ。では、悪い言い方をしよう。俺は、魔法が使えない落第者(らくだいもの)だから仕方なく魔剣を扱っているに過ぎない。

ではなぜ、魔法が使えないと落第者と呼ばれてしまうのか、それは、魔剣に秘められた魔力と、魔法剣士が有する魔力では、魔法剣士の方が圧倒的に強力だからだ。

故に、魔法剣士と魔剣使いでは決定的な能力の格差がある。

だから、落第者なのだ。

ふと、俺は一本の魔剣を右手で握った。

魔剣『ヴァルキュリア』。

この魔剣は、『四神器(よんじんぎ)』と呼ばれる、世界各地に散りばめられた、言わば神が生み出した特別な武器の、その一つである。

北欧神話では、主神オーディンの命を受けて、天馬に乗って戦場を駆け、戦死者から『エインヘリヤル』を選び取り、天上の宮殿『ヴァルハラ』へと迎え入れる役割を持った『ヴァルキリー』という戦女神(いくさめがみ)がいたと記されている。

ちなみに、この『ヴァルキリー』という名前の語義として、『戦死者を選定する女』ということを意味している。

魔剣『ヴァルキュリア』は、その戦女神が愛用していたとされる名剣だ。

その剣は、(つか)は漆黒の革に包まれ、(つば)は人の血、(ある)いは真っ赤な薔薇(ばら)よりも濃く鮮やかな深紅色で塗られ、その長く逞しい刀身は、神聖な輝きを内包しているような明るい黄金(おうごん)色だが、今は複雑な模様が描かれた同色の(さや)に収められている。

本来この魔剣は、俺みたいな高校生が持っていていいものではないのだが、古宮家先代当主、つまり親父ーーー古宮迅(こみやじん)ーーーが、母さんーーー古宮凛子(こみやりんこ)ーーーと共に五年前に消息を絶つ前に俺に託したので、所有権は一応俺にある。一応という曖昧な言い方をしたのは、俺は未だに、実戦というものを経験したことがないからだ。まあ無論、自分の意のままに振ることくらいはできる。それに、この魔剣の『特性』も、親父から教わったことで既に知っている。

ところでこの魔剣の『特性』というのは、世界には多種多様な魔剣が存在するが、その各々(おのおの)が持っているもので、簡単に言えば『能力』だ。

その特性を発揮するためには、使用者自信が魔力をその身に有していることが大前提で、かつ魔力を『操作』できることが必要不可欠なのだ。まぁ、俺にもそのくらいはできる。

ちなみに『ヴァルキュリア』の特性は、《雷瞬破壊(ライトニング・デストロイ)》という。この特性は、使用者の運動速度を極限まで引き上げ、かつ攻撃力を極限まで引き上げるという破格の代物(しろもの)だが、それ故に使用者の肉体へのダメージは相当のものだ。

そのため、今までこの魔剣を使った人達は(みな)、精神も体力もボロボロにされてきた。

だがそれも、古宮家がその魔剣を拾ったことにより、『ヴァルキュリア』による被害は減ったーーー否、消えた。

ではなぜ、今までの被害が嘘のように消えたのか。

この魔剣を使った人達は、皆魔剣使いではなかったから、ではない。

古宮家の人間が、『ヴァルキュリア』に認められたからだ。

まぁ認められたと言っても、『ヴァルキュリア』自体に感情があるわけではなく、『ヴァルキュリア』が『適正者』を選んだのだ。

そもそも魔剣というのは、自分に合った魔剣使い、すなわち『適正者』を選び、自分の(あるじ)とするのだ。

その『適正者』というのは、魔剣に選ばれた存在であり、それと同時に、魔剣を使うことで生じる代償ーーー例えば『ヴァルキュリア』の場合、全身を文字通りボロボロにされることーーーを度外視して戦うことができる魔剣使いだ。

親父曰く、古宮家初代当主、古宮厳(こみやげん)なる者が、魔剣『ヴァルキュリア』に選ばれた逸材だったらしく、その血を受け継いだ後代(こうだい)達は、必然的に『ヴァルキュリア』に選ばれ、そして俺に至っている。

だが、俺はこの魔剣を使う時が来るのだろうか・・・?

ということをぼんやりと考えていると、唐突に地下室の扉がガチャ、という音を立てて開いた。

その音で我に返った俺は、ようやくその存在に気付いた。

すると、その存在は、可憐な声を発した。

「あ、お兄ちゃん、やっぱりここにいた! って、またそれ持ってる」

「あぁ、玲那(れいな)か。今何時だ?」

「もう十二時回ってるよ! 片付け手伝うから早く寝よう?」

「あ、あぁ、サンキュ。でも、片付けるものとか特にないから、今すぐ行くよ」

「え、そうなの? じゃあ、早く一緒に寝よう、お兄ちゃん!」

「分かったよ。・・・って、また一緒に寝れるのか・・・」

「? 何か言った?」

「あぁ、いや、何でもないんだ。じゃあ寝るか」

「うんっ!」

と、満面の笑みを俺に向けるこの女の子は、俺の妹だ。

古宮玲那(こみやれいな)

肩甲骨辺りまで伸ばした髪を後ろで一つに結んだ紫の髪と、髪と同色の透き通った瞳に、若干小さめな体と可憐な顔が相まった、まさに美少女だ。

そして何より、性格が素晴らしい。

基本的に誰にも平等に優しく接して、結構世話焼きなところがあるので、通っている中学校ではかなり人気があるらしい。

だがそれだけではない。なんと、重度のブラコンなのだ。だからシスコンの俺にはおあつらえ向きなのだ、はっはっはー!

あ、いやはや大変申し訳ない。つい幸せな気分になってしまった。俺の悪い癖。

まあ要約すると、俺って超幸せ! なんです。

そんなことを考えていると、玲那が、

「お兄ちゃん、さっきからぼうっとしてるけど、どうしたの?」

と、顔に(かす)かな心配の色を浮かべて言ってきたので、俺はすぐに思考を振り払い、

「あ、いや別になんでもないよ。大丈夫だから、心配すんな」

と優しく返した。すると玲那は「うんっ!」という元気な声を返した。



あの後俺は、魔剣『ヴァルキュリア』を元あった場所に戻し、玲那と一緒に二階にある寝室へと向かった。

俺は、寝室に着いて早々ベッドに横になり、溜息を一気に吐き出す。

「はあ・・・」

「どうしたの? 溜息なんか吐いて」

「なんか、色んな意味で疲れたからさ」

「じゃあ、私が一緒に寝て疲れを癒してあげる」

すると玲那は、大の字になっていた俺に抱きつくように上から(おお)(かぶ)さる。

つまり、何が起こるか容易に想像できたりしちゃうシチュエーションなのだ。

「ちょ、玲那、当たってるって!」

「ん? 何が当たってるの?言ってみてよ」

これには俺も言葉が詰まる。顔が熱い。

「・・・む、むむむ、胸が、当たってる」

「そりゃそうだよ。だって当ててるんだし」

「当ててんのかよ! それにしても、なんていうか・・・柔らかいな、お前の」

って、俺は何言ってんだ⁉︎

まあ、確かに玲那の胸は中二にしては些か大きいと思う。さらに、今初めて玲那の胸に(服越しではあるが)触れたが、結構柔らかい。

「え、そ、そんなこと、急に言われても・・・」

玲那が顔を赤くしている。こういうところも可愛い。

いや、ていうか自分から誘っといて照れんなよ。俺が照れたいわ。

「いや、俺は本当のことを言ったんだけど」

「⁉︎ ・・・じゃ、じゃあ・・・触ってみる?」

・・・え、ええ、ええええええええええ!?

いや、待て待て待て待て!それはさすがにダメだろ・・・って、なんでおもむろに服を脱ぎ始めているのかな玲那ちゃん?

おいおい、まさか生乳を触れって言うのかこいつは⁉︎

って、いつの間にもう下着だけになってるし! 玲那お前本気か⁉︎ 本気なのか⁉︎

「お兄ちゃん、顔赤いよ?」

と顔を真っ赤に染めた玲那が言う。

そりゃ顔も赤くなるだろ! だって生だぞ生!

「ねえ、触りたいんでしょ? 私の胸」

と言って、玲那はとうとう下着の留め具に手をかける。

これにはすかさず、

「いやいや待て! 俺たち兄妹だぞ⁉︎」

「私は大丈夫だよ?」

「いや俺がダメだ!」

「本当は触りたいんでしょ?」

「そりゃ触りたいけど!」

「じゃあ触っちゃえばいいよ!」

「触れるかバカ!」

「じゃあ触らせる」

「せめて胸枕にしてください!」

「え、いいの? やったー!」

ふう、これで収拾がついたぜ。危なかった!

まだ胸枕の方が、手で直接揉むよりマシだ。

「じゃあ、取るね」

「いや、せめて取るのはやめて!」

「・・・お兄ちゃんが言うなら、しょうがないか」

「あんまり残念がるなよ」

とりあえず頭を撫でて慰めてやった。すると、顔を少し赤くして微笑んだ。

ふと、俺は玲那の胸に目を()った。

やはり、巨乳とまではいかないものの、中二にしては大きい方だろう。

それにしても、ガキの頃はよく一緒に風呂入ったっていうのに、不思議なものだ。今になって玲那の裸を見ると、なんだか恥ずかしくなってくる。なるほど、これが思春期ってやつか。

「それにしても、綺麗なおっぱいだな」

「口に出てるよ? お兄ちゃん」

「ぶふっ⁉︎ ま、マジかよ俺、妹に欲情するとかとんだ変態だな!」

「昔からしてたクセに、シスコンお兄ちゃん?」

「お前もブラコンだろ!」

っていうかこれ、お互いに言うことか⁉︎

ちなみに、今俺たちが寝転がっているベッドは、なんと二人用だ。

このベッドは本来、親父と母さんが使っていたものだが、五年前に二人して消息を絶ったので、今はこうして俺と玲那で使っている訳だ。

でも、親父と母さんは今、どこで何をしてるんだろう・・・

俺がそんな物思いに(ふけ)っていると、玲那が誘うように言う。

「ねえ、早く私の胸に飛び込んできてよ、エロエロお兄ちゃん」

「な、なんだよエロエロって。俺はそんなにエロくない!」

「だったら胸枕なんて言葉がお兄ちゃんの口から出る訳ないじゃん?」

「う、うぅ・・・」

玲那にからかわれるとは、何たる不覚!

ていうかお前も胸枕知ってんじゃねえか!

まぁ、大人しく胸に飛び込んでやるか。

「んじゃ、至高のふかふか枕で寝るとしましょうかね」

「お? やっとその気になったんだね!」

俺は意を決して、玲那のふかふか胸枕に飛び込んだ。

「んっ、もう少し優しくしてよー」

「ちょっ、変な声出すなよ!」

ひょっとして、感じたのか?

まあ何はともあれ、あとは寝るだけだ。

だが・・・

「やばい、気持ちよすぎて逆に寝れないかも」

「私も、お兄ちゃんの顔が胸に埋もれていると思うと、全然眠れそうにないよ」

「なあ、俺とお前自身に『催眠魔法』をかけてくれないか? 玲那ならできるよな?」

玲那は、魔法が使えない俺の実妹ではあるが、魔法剣士である母さんの血を多く受け継いだのだろう。魔剣使いである親父の血を受け継いだ俺とは違って、大抵の魔法はお手の物という訳だ。

「・・・うん。じゃあおやすみ」

「おやすみ」

俺は玲那の胸に顔を(うず)めているため、玲那の顔色は(うかが)えなかったが、その声はどこか残念な色を帯びていた気がした。

すると玲那の口からは、ある呪文が紡がれていた。

「《眠りの妖精よ。(なんじ)、我と最愛なる兄に安らかな眠りを与え(たま)え》」

その優しく可憐な声は、俺をひとときの眠りへと(いざな)う。

だが、この優しい眠りは、(のち)に俺の脳の(ふち)に沈みかけていた最悪の記憶を呼び覚ますことになる。



















この作品をご覧頂いた皆様。どうも初めまして、やましゅんと申します。

この度、興味本位でこの作品を投稿させて頂きました。

実は、僕が通っている学校の同級生に、すごく気が合って、趣味も合う友人がいるのですが、ある日その友人とラノベの話になり、やがてこのサイト、小説家になろうの話を向こうがしてきたのですが、僕は当時、このサイトを知りませんでした。

その友人は男子なのですが(期待しちゃった人、乙です!)、彼はこのサイトのユーザーで、もう14話を投稿した、なかなかの人です。

つまり何が言いたいかと言うと、僕は彼のお蔭でこのサイトに出会い、そして今回、この作品を投稿することができました!

なので、ちょっとしたユーザー紹介でした。いや、うすたくさん、本当にありがとう!


あと、作中に登場する魔剣『ヴァルキュリア』ですが、あれは、とある夢で見たのです。主人公がそれを振るっている姿を!

この夢があったからこそ、『ヴァルキュリア』の具体的な姿を、文章で表せたのかなと思います。

夢を見せてくれた誰かさん、本当にありがとうございます!


あと、北欧神話は、学校では習っていないので、ググりました。すいません。


というわけで、長文になってしまいましたが、一小説家としてこれからも頑張っていきますので、応援よろしくお願い致します!


投稿ペースバラバラになるかも。

やましゅん。

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