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51.小ネタ集3 / 登場人物解説・7

===with MEGUMI===


こんにちは、丸斗蛍です。


今私がいるのは、勤めています丸斗探偵局の丸斗恵局長の家の中です。どうしてここに来たのかと言うと…


目の前の局長です…。


今の時間は朝10時。それなのに、まだ起きないんですよ、局長は…むぅ。

私がここに来た時、この探偵局の仕事始めは9時からだって言った本人なのに、ベッドの中で布団にくるまってぐっすり寝ています…。だいたい、朝早くにも依頼が来るかもしれないからって言ったのに、これじゃあ依頼も逃げちゃうじゃないですか…。デューク先輩の言った通りでした。てっきり私は体の調子でも悪いんじゃないかと思ったら…心配し損でしたよ。


でも、取りあえず今は起こさないと業務が始まりませんからね。


局長、起きてくださーい。デューク先輩に頼まれて起こしに来ましたよー。


「Zzz…」


起きない…。むう、私お屋敷にいた時はみんなもっと早く起きたのに…もう、局長、起きないと怒りますよー。


「Zzz…」「Zzz…」


…あれ?後ろからも寝息が…ってあれ!?


「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」


え、ええええ…局長がどんどん増えてきちゃった…


「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」「Zzz…」


ど、どうしよう…このままじゃ起こすどころじゃない…


デューク先輩、助けてくださぁぁい!!


-------------------------------


「局長、寝ぼけて増えちゃ駄目じゃないですか!」

「だって眠かったんだもん…」

「だってじゃありません!ちゃんと反省して下さい」

「したわよ…ごめんって蛍にも謝ったし…」


結局、デューク先輩に起こされた局長は、そのまま怒られております。なんだか先輩と局長がお母さんと娘さんみたいな感じになっていますが…うーん…やっぱり第一印象だけじゃ、人は決まらないですね。局長がこんなにだらしないなんて…。


「でもケイちゃんだって、増えた私を分身で起こせばよかったじゃん」

「…あ、そうか」

「責任転嫁は駄目ですよ」

「分かってるわよ、うるさいなぁ…」


でも、鋭い所はこんな状態でも変わっていません。やっぱりそこが、探偵局長たる秘訣なのでしょうか。私ももっと頑張らないと…。…ってあれ?


「デューク先輩に局長、なんか一人…」

「「…あ」」



「ニャーハハ、おはようございますですニャ!うっかり寝坊を…ってあれ?」



その後、殿さま出勤をしてきたブランチ先輩は恵局長からなぜか怒られてしまったそうです。私の探偵局は、朝が苦手な方が多いようで。みんなも寝坊しないように気をつけましょう。


======================


===with EIJI===


こんにちは、丸斗蛍です。


今日はこの街に慣れるために一人で散歩しにやってきました。局長や先輩たちには勿論許可を得ていますので、ご心配なく。今まではずっと大勢でいたので、逆に一人であちこちを回ると言うのは新鮮な気分です。


「お、よう」


「あ、栄司さん!」


私に声をかけてきたのは、怪しい人ではなく知り合いの有田栄司さん。探偵局に協力してくれる、かっこいい男の人です。私の髪の色みたいに、結構青髪が目立ちますね…。


「ほう、なかなかいい心がけだな。恵にお前の爪の垢煎じて飲ませたいくらいだ」

「そ、そこまででも…」


でも、やっぱり褒められると嬉しいです。ありがとうございます、栄司さん。


さて、次はどこへ行こうか…


「お、蛍じゃねえか」

「あ、あれ…」


さっき声をかけてきた人と全く同じ姿ですが、服装が違いますね…。


「どうした、なんか強張ってるぞ」

「だ、大丈夫です、ご心配なく」


そうか、そういえば栄司さんも私や局長みたいにいっぱい増える事が出来るんでしたっけ…。


「ったく、お前の真面目さ、恵も見習えって感じだぜ」


やっぱり中身は同じ栄司さん、文面は違っても私にかける言葉はだいたい同じような感じですね…。


まさかいきなり栄司さんに二人も会うなんて思わなかったです…。でも街の人は全然気にしていない、不思議ですがデューク先輩の言うとおり、これが栄司さんの得意技なのかもしれないですね…。


「どうした、蛍!」

「わっ!」


びっくりした…ってまた服が違う…


「よう、蛍じゃねえか」

「!!」


「…お前仕事はどうした」

「シフトがたった今終わったんだよ」


…栄司さんがまた二人も…


-----------------------------


「…で、結局その後も何人も別の栄司に声をかけられたと言う事ね」

「はい…」


「だってさ、このロリコン」

「誰がロリコンだ、知り合いに声をかけるのは当然だろう」

「当然って、ケイちゃんびっくりさせっぱなしでどうするのよ!しかも私の悪口まで言って…」

「当然の事を言って何が悪い!」

「気にしてる事言われると傷つくのよ!」


…そんなこんなで、探偵局に良くお邪魔している刑事の栄司さんが責任とらされて、恵局長と喧嘩になっています。慣れて無くて怯えてしまった私が一番の原因かもしれませんが…。自分がいっぱいいるのは平気なのですが、やっぱり他人がたくさん増えてしまうと、ついびっくりしてしまいます。頑張って、はやく私も慣れないと!


「このシスコン!」

「何がシスコンだこの遅刻魔!」

「誰が遅刻魔よバカ!」

「バカって言う奴がバカだ!」


「…デューク先輩、いいんですか止めなくて…」

「多分もう数分は僕の力でも止められないかもね…」


…なんだか、恵局長と栄司さん、兄弟喧嘩みたいですね…。


======================


===じゃんけん その3===


「じゃんけん?」「じゃんけん…ですか?」


「そう、せっかく私と能力被ってる仲間が増えてきたでしょ?だったら一回やってみようかなって」

「で、なんでじゃんけんを選んだんだ?」

「決まってるでしょ、運とかも関わってるから、どの分身が一番強いか、分身に差があるか、一目瞭然だからじゃない」

「…あの、デューク先輩とブランチ先輩は…」

「あ、そういえば来てないな…」

「まぁ色々あるんでしょ。サボリとか」

「ブランチはありとしてデュークがサボタージュは絶対あり得んな、恵と違って」「有り得ないですね、局長と違って」

「そこは被らなくていい!


 というか、今回はちょっとルール替えて、一辺やってみたかった事があるのよね」

「なんですか?」

「決まってるでしょ、私と、栄司と、それからケイちゃん。誰がじゃんけんで一番強いのか決めるのよ」

「運も関わってくるがな…面白いアイデアだ」

「い、いいんですか…?私あまりじゃんけんの経験が…」

「大丈夫よ、ルール知ってるんでしょ?」


「それじゃ…


「「「じゃんけん…ぽん!」」」


「あれ、私がグーで栄司さんもグー…」

「おい恵、お前だけチョキだぞ」

「…あれおかしいな…ちょっとストップ、もう一回試させて」

「なんでだよ…まあいいが…」


「「「じゃんけん…ぽん!」」」


「あれ、また局長…」

「お前だけグーか」

「え、連続…ちょっともう一回!」


==============================


「…恵…お前ある意味凄いな…5連続で敗北なんて見た事無いぞ…」

「くっ…こうなったら…


 二人がかりで勝負よ!」」

「いやいや…意味無いんじゃないのかそれ…」

「「あんたたちも分身出来るんでしょ、だったら早く!」」

「やれやれ…仕方ない…勝負なら、受けて立つぞ」」

「「やってやるです!」」


ジャンケンポン!


「「…」」

「おいそっちどうだ?」「また恵敗北してるぞ、そっちもか?」「おう…」

「「きょ、局長…」」


「「「ええい、こうなったら三人だ!」」」

「「いい加減諦めろよ…」」」


ジャンケンポン!


==============================


「…あの後俺たちで探偵局が埋まるまでずっと分身を繰り返しても、ずっと恵は敗北し続けたというオチだ」

「そういえば昨日の運勢、局長は結構悪かったらしいですからね」

「ニャるほど、そりゃ今日あんニャに落ち込むわけですニャ」

「…でもどうして僕とブランチに対してあんなに怒ってるんでしょうか…」

「知らん」

≪登場人物解説≫


・丸斗蛍 / ♀


 丸斗探偵局に新しく加わった四人目の局員。桃色の長髪を大きなツインテールに束ねた髪型が印象的。服装は茶系のコートにくすんだ桃色のミニスカートを正装としている。大富豪「H」の屋敷で生産され続けていたクローンの一人として生まれ、屋敷を支配していた同じくクローンのメイドたちによって「飼育」され、その後人身売買されるべく工場へ送られた所を脱走。必死の思いで逃げ出した所を探偵局と出会い、運命が大きく変わる事になった。

 屋敷での戦い、そして壊滅後にデュークによって『分身能力』を与えられた。自身と出生を同じにするクローンたちを体の中の異空間に内蔵しており、最大数万人まで自由自在に自らの数を増やす事が出来る。しかし、離れた場所から好きなタイミング出し入れが可能である事を応用し、壁に拳で穴を開ける、バイクを追い越す速さで走るなど超人的な動きを身に付けている。分身を同じ場所へ瞬時に繰り出す事で一秒間に何万発のパンチやキックをくらわす事も可能で、彼女の切り札の一つになっているようだ。


 元々屋敷で丁重に扱われていた事もあり、文武両道の真面目な性格。遅刻も滅多にせず毎日勉強も欠かせないが、いつも不真面目な恵局長やブランチ相手には先輩であっても関係無しに怒る勝気な所もある。一度意見を口に出すとなかなか曲げない頑固さが欠点かもしれない。

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