第二章。~最初の気持ち~
「あ、優。同じクラスなのは
1年生以来だよね!」
思わずテンションがあがってしまった。
「ほかにも、としくんとか
りょうすけくんとかもいるんだって!」
5年生にもなって異性を「君」付けって…
私は、クラス名簿をポケットの中に
折りたたんで入れた。
そしてただ単に
目指したのは新しい教室。
「5年1組か…。」
私はそっと教室のドアを開けた。
見るからに普通の教室。
なれてうれしい子もいれば、
もちろん嫌な子だっていた。
「大縄~、席ここだぞお。」
呼んでくれたのは、
前まで同じクラスだった井口。
「あ、うん。」
ここが新しい席…か。
井口の隣なんだ。ちょっとうれしかった。
私は4年生の時、井口が好きだった。
面白くて、明るくて、憧れの存在だった。
きっと今も…まだ…
まあ、そんなことはどーでもいい。
私の後ろの席はりょうすけ。
さっき優が「君」付けで呼んだうちの一人だ。
その隣は…1年生のとき以来の
りいなちゃんだ。おとなしく頼れる存在だ。
私の斜め前は…
かいとだ。初めて同じクラスになる。
4年生のときにトラブルばかり起こしていた人だから
少し心配だ。
そして私の前が…
えっと…________
「氏家」というらしい。
こいつの存在を知らなかった。
漢字の読み方がいまいちわからない…
「ふじいえ」…と読むのか?
でも、この席順は見るからに名前順だ。
私は「おおなわ」だから、
「ふ」の人が私より前にいてはいけないはずだ。
先生に言おう。
すると、井口が…
「うじいえ、おまえ…うわあ
おまえとなるの嫌だったなあーー。」
といった。
う、うじいえ?
うじいえと読むのか。変わった苗字だなあ。
「黙れっ!!」
うわっ、性格悪いな。
めんどくさいやつだ。嫌いだな