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無自覚破壊神と恋の物語  作者: 南蛇井


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序章scene3

 朝の空気は、さっきと同じように澄んでいた。

中谷省吾は、通学路の途中で立ち止まっていた。

理由は単純だ。

「……生きてる?」

自分の両手を見る。

指は五本。ちゃんと動く。

制服も、靴も、朝の匂いも、全部いつも通り。

つい数分前――

確かに、車にひかれたはずだった。

キキーッ、ドン。

白い空間。

ノリの軽い天の声。

(……夢?)

そう思うには、妙にリアルすぎた。

そうかといって現実だとするには、今こうして立っている自分の存在が説明できない。

頭の奥が、ふわふわする。

世界がほんの少しだけ、ズレている感じ。

「……まっ、いっか良しとしよう!」

省吾は首を振った。

違和感も疑問も山ほどある。

でも、今やるべきことはそれじゃない。

「告白だ」

水無月実花。

その名前を思い浮かべた瞬間、心臓が一段強く跳ねる。

さっきの“もしも”が嘘でも本当でも、関係ない。

今日、この朝、この通学路の先にあるのは――それだけだ。

省吾は歩き出す。

今度は、ちゃんと前を見る。

横断歩道の手前で立ち止まり、信号を確認する。

赤。

青に変わるのを、きちんと待つ。

「……よし」

青。

左右を見て、道路を渡る。

何事もなく、世界は流れていく。

車も、風も、人の気配も、すべてが“普通”だ。

やがて校門が見えてきた。

こうして中谷省吾は、

事故にも遭わず、

光に包まれることもなく、

天の声を聞くこともなく、

――無事、学校に着いた。

胸の奥には、まだ消えない違和感が残っている。

だが、それ以上に大きなものがある。

「……行くか」

告白という名の、次の一歩だ。

省吾はまだ知らない。 

この「やり直し」が、

人類滅亡への危機を招いてしまっている事を...。

それでも朝は、何食わぬ顔で、

彼を教室へと送り出していた。

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