第五話 朝比奈さんとお出かけ2
「朝比奈さんここは?」
「ここはね! たこ焼きチェーン店の金だこ!!」
朝比奈さんと僕はマニメイトを出てから、とても人気なファストフードたこ焼き店、金だこの前に足を運んだ。
とは言っても僕は朝比奈さんの後ろをひっそりとついて行っただけなのだが……。
「さぁ! 入ろうか!!!」
「……うん」
僕と朝比奈さんは銅タコの店内の空いている席にゆっくりと腰を下ろす。
「いや〜いい匂いだね! 影密くん! さっそく、たこ焼き! 頼みに行かない?」
「うん! そうだね」
僕たちはたこ焼きを注文するためレジにできてる行列に並んだ。
「今日混んでるね、休日だからかな? それにしてもいい匂い! 匂いを吸うだけでお腹いっぱいになりそう〜!!」
僕と朝比奈さんはたこ焼きを注文するため、金だこのレジにできる列に並んだ。
並んでいる最中、朝比奈さんは淡々と混んでいる理由を分析して独り言? を呟いた。
もしかしたら僕に話しかけてくれていたのかもしれないかもだけど……。
それから僕たちはレジでたこ焼きの買い物を済ませて、たこ焼きを受け取りさっき座った席へと戻った。
「あ、影密くん! それ……てりたまでしょ! 美味しいよね! てりたま!!」
僕は朝比奈さんにそう言われたが反応できなかった。
それはさっきからふすふすと湧いてくる疑問。
朝比奈さんはこんな僕といて楽しいのだろうか?
もしかしてさっきから無理をしているんじゃないだろうか。
僕はさっきからそればっかりが頭をめぐりそれどころじゃなかった。
「朝比奈さんはさ——なんでこんな僕を友達だと言ってくれるのかな?」
僕は思ってることを口にしてしまったと焦って口を閉じる。
なんで僕いきなりそんな事を口に出して。
「そんなの——楽しいからに決まってんじゃん!!」
「え? 楽しい……?」
「だってさ! 今までイエローダンジョンの話する友達とか他にいなかったし! それに影密くん私の他愛もない話も真剣に聞いてくれるし! 私、影密くん友達になれてよかった!! この学校に入学して本当によかったよ〜!!」
僕はその朝比奈さんの一言で今まで僕の周りにふすふすと湧き上がる考えが吹き飛ぶような感じがした。
まあ、この学校に入学してきてよかったって、それは流石に大袈裟だと思うけど。
でも、朝比奈さん僕といて楽しいんだ。
よかった。
「あ! 影密くんが笑ってる! 写真撮っていい? 私スマホの待ち受けにする!!」
「え? ちょっとやめて! ていうか、僕なんかを待ち受けにしたって意味ないよ」
「なんでよ! いいじゃん!! ご利益あるかもよ! ほらこっち向いて!!」
「……恥ずかしいよ」
「へへ!! いいじゃん!!」
僕は朝比奈さんとテーブルで仲良さそうにじゃれあっていた。
朝比奈さんは僕に向かってニヤニヤしながらカメラを向けて、それを僕は全力で阻止していた。
なんでか知らないけどとても楽しかった。
「よーし! 影密くん! お腹も膨れたことだし! 気晴らしにゲームセンターに行かない?」
「ゲームセンターってあの?」
ゲームセンター思えば僕はもうゲーセンは確か1年間も行ってないな。
「そうだよ! あのゲームセンターだよ!!」
「わかった! じゃあ行こうか」
僕と朝比奈さんはゲームセンターに向かって歩き始める。
※※※
僕たちが今から向かうゲームセンターはマニメイト近くにあるここら辺では一番大きなゲームセンターらしい。
朝比奈さん情報。
とは言っても、僕はこの辺にあんまり来たことがなくて、金だこ同様に僕は「レッドクエスト」というRPGゲームの勇者の後ろをついていく勇者パーティの仲間のように朝比奈さんの後をついていくだけなのだが……。
「はい! ご到着ー!!」
「ここが?」
「うん! そう! ゲームセンター!」
「でかっ!」
僕は思わず声を上げた。
目の前にあるゲーセンの建物が僕の想像上の3,4倍大きかったからだ……。
こんなにどでかいゲーセン存在したんだ……。
まだまだ世界は広いな。
僕たちはゲーセンの中に入るといろんなゲームから賑やかしい音が聞こえてくる。
懐かしいなこの感じ……。
一年も行ってないと流石に、この感じにすごい懐かしく感じる……。
やばいなんか泣きそうになっちゃった。
みんな〜ただいま。
「あ! エアホッケーじゃん!」
すると朝比奈さんはそう言ってエアーホッケーの台がある所に進んで行った。
ゲーセンのエアホッケーとは。
二人のプレイヤーが台上の円盤を打ち合って、ゴールに決めたり決められたりする対戦ゲームだった……気がする。
この前テレビで見た。
「影密くん! これやろうよ!!」
「え? いいよ……」
すると朝比奈さんは100円をエアホッケーに入れる……。
するとエアーホッケーからパックが出てきて僕たちはパックを打ち返すためにマレットを手に持った。
「負けないからね!!」
「うん……!」
結果は僕の惨敗だった。
いやいや朝比奈さんいくらなんでも強すぎでしょ。
「えへへ! 私の勝ちだ!!」
「強いね……朝比奈さんは……何というか、ゲームのラスボスみたい」
「ふふふ! なによそれー私がラスボスならあなたは裏ボスね!! だって影密くん……わたしよりイエローダンジョン強いから! 私がラスボスだったら私より強い君は裏ボスだよ!!」
「うら!? 裏ボス……裏ボスか……」
まあ、裏ボスと言われて悪い気はしない。
朝比奈さんとの勝負は僕の負けだったが……なんだか朝比奈さんと勝負するととても楽しい……そう思えてきた。
「次、あれやらない?」
「パープルカート……?」
朝比奈さんが僕に言ってきたのは「パープルカート」のアーケード版だった。
てか、僕はアーケード版が出ているなんて知らなかった、だから僕は驚きを隠せなかった。
パープルカートとは、僕が生まれるずっと前から続いている家庭用ゲーム機などで一線を隠す人気を誇る対戦レースゲームである。
僕と朝比奈さんはパープルカートアーケードの台についている座席に座った。
「負けないよ!! 影密くん!!」
「僕も!!」
僕と朝比奈さんは100円をアーケードに入れてゲームをスタートさせた。
僕は家庭用ゲーム版しかやったことがなかったので朝比奈さんにやり方を教えてもらいながらゲームスタートを待つ。
そして、今パープルカートでの勝負が幕を開けだ。