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スライム娘の恩返し~転生して錬金術師になった不遇外科医は尽くし系美少女と平和な生活を送りたい~  作者: 砂礫零
第7章 スライム娘の大事件

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第92話 趣味のなにかが始まった

 ―― バフォメット(解析と統合)アシュタルテ()マルドゥーク()バアル()レプト()ルキア()、そしてロフォカレル()

 全ての要素を錬金術の理論を駆使して配置した、15重の錬成陣が、9つ。 

 磨かれた天然石の床が、錬成陣から放たれる光で、さざなみのようにきらめく。

 俺は、それぞれの錬成陣に材料を置いた。


「《スペア心核》 錬成、開始 ―― 《超速》1000倍」


 かすかな音とともに、各錬成陣から放たれていた光が球体となって材料を包む。

 同時に、俺の全身から熱が失われ、重だるくなっていく感覚 ―― こんなに魔力を使ったのは、久しぶりだな。

 やっぱり、心核(ケルノ)の九重錬成はキツかったか……

 イリスが心配そうに俺の顔をのぞきこむ。 


{リンタローさま! 大丈夫なのですか?} 


「うん、問題ない」


 《不屈の腕輪》 は心核(ケルノ)の素材にするため外してしまったが、俺の体内にはまだ、エルフの姉姫(ルンルモ)からもらった 《世界樹の琥珀》 がある。

おかげで魔力は倍増 ―― 9つの心核の同時錬成も、なんとかできそうだ。


「へえ…… 人間にしては、けっこうな魔力量ですね」 と、ミアが目を丸くする。


{成長したのじゃな、リンタロー!}


 バ美肉スライムじいちゃんが、俺の背中をぷにゅっと叩いた。

 


{けど、9コも作ると、リンタローさまが、たいへんなのです……!}


「大丈夫だって、イリス」


 スペア心核を九重錬成で作ろうと思ったのは、まあ単純に、成功数を増やすため。

 初めてのものを錬成する場合は、失敗の確率が高くなるからな。

 まあ、多く作れば1コくらいは成功するだろう。


 俺たちの目の前で、9つの錬成陣はくるくると色を変えながら光を放っている。

 やがて、光はしだいに弱まり、錬成陣の中央に浮遊する球体の影が見えるようになってきた ――


「スペア心核、錬成完了」


 ピロン、と通知音が鳴り、AIが 【スキルレベル、アップ! ……】 と告げてくれるのを適当に聞き流し、俺はできあがった心核(ケルノ)を確認した。

 かすかに脈打つ、水晶のような透き通った完全球体 ―― これが、イリスの心核になるのか……

 いや、スペアとはいえ、ほんとうに、なれるのか……?

 いまさらながら、不安がじんわり、心臓をしめつけてくるような感覚だ。

 成功してほしいが…… それは、実際に、使ってみるまでわからない。

 俺は、ひとつをそっと手にとり、イリスに渡した。


「これ、どうやって設置するんだ?」


{おまかせください、なのです!}


 イリスが球体を両手に持ち、自分の胸に押しこんでいく。

 球体が完全に見えなくなると、イリスは {ぷう!} と息をついた。

 イリスの胸の真ん中が、淡く輝きはじめる。


{心核の同期を開始します ―― 同期率、10%…… 20%……}


 スペア心核が、ヤパーニョ皇国のどこかにある本物の心核と同期しはじめたようだ。


{成功してほしいのじゃ……!}


「ほんとうに」


 バ美肉スライムじいちゃんが胸の前で手を組みあわせ、ミアが真剣な眼差しをする。

  俺とミア、バ美肉スライムじいちゃんが見守るなか、スペア心核の同期は少しずつ進んでいく ――


{同期率、78%…… 79%…… 80%……}


 それにしても、遅い。

 イライラしても、仕方ないんだが……


「おい、誰も(われ)を出迎えぬのか!?」 と、これまたイライラした声が、なぜかこのタイミングでいきなり、屋敷の正面玄関のほうから聞こえてきても、いるが……

 この状況で前ぶれもなく、来るほうが悪い。


== なろう版はここまでです ==


アシュタルテ公爵の趣味は、料理と◯◯……!?

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※ネオページでのタイトルは『転生したらなんでもできるスライム娘が押し掛けてきた』です
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