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「あれ、ここはどこだ?」


 食品の買い出しに出かけたところまでは記憶にあるが、突然、見ず知らずの森の中にいた。

 日本の森にしては、漠然と何かおかしいと俺の勘が告げていた。




「ケシャーーーーーーーーーーー!」


「なんなんだよ。この鳥の声……」





 そう言って空を見上げると、3mはあろうかと言う鳥たちが、飛び回っていた。




「恐竜か……? いや、恐竜にしては……」


 そう思いながら、さっと木の影に隠れ、観察する。向こうがこちらに気づいた様子はない。




「そうか。あれだ。ワイバーン。ってここ、もしかして異世界ってやつか?」




 異世界。そう認識すると、今まで感じていた違和感が、すっきりとした。広葉樹のようだが、見たことのない木。


 森のようだが、明らかに人の手が入っているが、違和感のある道。


 街道というには頼りないが、ここの文明は、きっとそこまで進んでいないのであろう。


 ふと思いついて、唱えてみた。


「ステータスオープン」


破反 律

人間(異世界人)

17歳

職業 なし

レベル1

体力6

知力150

魔力0

反力9999

運50


スキル

料理


「うわ、まさか本当に開けるとは……体力が絶望的なことはわかった。魔力はないのか……」


 異世界で魔法をバーンとやるのに憧れていたのだが……


「この反力ってやつはなんだ? やけに高いが……」


 そう悩んでふと空を見上げると、1匹のワイバーンと目が合った。


「やべ」


 そう言っても、逃げる場所などない。思わず、腕で顔を覆った。


 死を決意した。昔、ちょっとしたズルをした。正義感溢れる思春期の同級生たちには、決して許すことのできないものであったようだ。

 “お前ってそういうやつだよな”と、友人たちは離れていった。

 責任感を育てさせてやるから、学級委員長にしてやるよ、と学級委員長を強制的にやらされ、全員で無視された。

 そのうち、誰からともなく暴力を振るわれるようになった。

 そんな目に遭ううちに、学校に行く意味がわからなくなって、不登校になり、引きこもった。

 母子家庭で、母さんが働きに出ている間に、俺は家のことをするようになった。

 母さんに苦労をかけている自覚はあった。でも、人と関わることが怖かったんだ。


 異世界転移して母さん、心配しているかな?

 でも、もう終わっちまう……親不孝な俺への天罰だな。



 



 パァァァァァァァ


「なん…だ……これ」


 俺自身が光り輝いたと思ったら、ワイバーンが倒れていた。


「もしかして……」


 手のひらを上空のワイバーンに向け、狙いをつける。


 力をワイバーンに向けて飛ばすイメージで、力を込めると、手のひらからビームのような光が飛び出し、ワイバーンが撃ち落とされた。


「これ、反力か?」












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