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君のことをもっと知っていく

桜も散り、みんなが学校生活にそろそろ慣れてくる頃

田中尤は電話がかかってきて、思わず出てしまうが出たあとで悔やんだ

「もしもし、尤?ねぇ1回だけでも会わない?あの時のお店で」

電話の主は女性の声で尤の中学校での同級生でもある

「いや、今さら会ってどうすんのさ」

「別れたこと考え直してあげてもいいって話し、ここでじゃあするよ」

「本間さんの気持ちは把握はしたけど理解したくない」

「昔みたいに詩衣って呼んでよ」

「なんで今なの?あの時ってお互いに納得して別れたと思うんだけど違ったの?」

「お姉ちゃんと入れ替わってたことまだ怒ってるの?私は気がつかなかったの許したのに?」

「気がつかなかったのは悪かった、ごめん」

「悪いと思ってるなら1回だけ会いましょう?」

「会っても僕の気持ちは変わらないよ。ごめん、僕もうバイトだから」

「尤の高校ってテストじゃないの?」

「バイト遅れるから切るね」


尤には別れた彼女、つまり元カノがいてその彼女の名前は本間詩衣という

会話が噛み合わないのが何故か尤は1人考える

考えても答えなんて結局ないのでは?と切り替えて尤はテスト勉強に勤しむ

そんななか、嘘をつくことに抵抗がなくなってる自分に嫌気がさす


むかえたテスト当日

いつも通りにホームルームを過ごしいつも通りに寧音を眺めてた

尤は寧音がホームルーム終わった直後からソワソワしてる様子に気がついた

前の席の太田深美に話しかけて何かを頼んでいる姿が尤にも確認できたが太田さんは何かを断っているジェスチャーをしている

その後、1人困った顔をして筆箱を見つめた

尤はその結果、何に困っているのかすぐに分かり自身の筆箱を持って寧音に話しかけた

「これ、よければ使う?」

尤の方に顔を向けた寧音は驚き目をパチパチさせている

「あっありがとうございます」

差し出されたシャーペンと消しゴムに感謝と喫驚が混じった表情が浮かぶ寧音

水色のボディに先端が押されると回転して芯が削られるタイプのものだ

寧音はこれ私も使ってるシャーペンと独り言をつぶやく

尤は寧音が使ってるシャーペンが気になって同じものを買ったのである

そんなことを知ってか知らずか寧音はお揃いみたいで恥ずかしいですねと尤に言った

お礼の返事を返して席に戻った尤とシャーペンを借りた寧音はテストに集中する


テストを終えた尤は田中奏と一緒に寧音の-奏としては深美の-席に向かいテストどうだった?と口を開いた

「んー赤点かも」と不安そうに言う太田さんに「僕でよければ勉強教えるよ」と奏が発言するが、それを聞き出し抜くことはさせないぞとクラスメイトの男子が集まってくる

音頭さんは?と尤が聞こうとした時に水筒でお茶を飲んでたクラスの男子が他の男子に押されてバランスを崩し寧音の机の上にお茶をぶちまけてしまった

よく見ると寧音の服にも少しかかっている

お茶を溢した男子生徒は、いや俺にぶつかってきたお前が悪いだろみたいなことを言い始める

尤はよく汗をかくのでタオルを持っていた

そのタオルをカバンから出してすぐに寧音の机を拭き水分をとった

そしてハンカチを寧音に貸すとこれで叩くように拭いて、あっこっちのハンカチはまだ使ってないやつだからと言葉も添える

一連の行動が終わったあとに尤は怪我はない?と寧音とお茶を溢した男子生徒、その子にぶつかったクラスメイトの心配をした

ないことを確認した尤はみんな怪我なさそうでよかったと笑顔を作る

「お茶ここで飲むの止めなかったり、あんまり集まりすぎないように注意しなかったのごめん」

「えっえっとありがとうございます、気にしてないので大丈夫です」

「音頭さんがそう言ってくれるならよかった」

そんな尤の姿を見て当事者のクラスメイトも寧音に謝り、その場の空気が明るくなります


なんだかんだありましたがみんな帰路に就く、その時に寧音は奏と一緒にいる尤に駆け寄って一言

「そのお礼したいのですが田中さんはコーヒー好きですか?」

「僕たちどっちも田中だけど僕、田中尤の方でいいのかな?」

「あっえっと田中尤さんの方です」

「フルネームで呼ぶの大変じゃない?尤の方を例えば田中さん、僕の方を田中くんとかどう?」

「僕は尤さん、奏さんがよかった。コーヒーは大好きだよ」

「名前呼び…検討します、コーヒー好きならよかった。奢らせてください」


食堂前の自販機に来た尤はこんなところに自販機があったのかと驚く

尤はいつも弁当だもんなと奏は笑う

コーヒーを持って食堂前のベンチに腰掛けた寧音はコーヒーを渡したあとでお弁当そういえば毎日食べてましたねと思い出したように言う

「尤ってまだ毎日、朝は具なし塩パスタとバナナとヨーグルト食ってんの?」

「うん、なんか癖になってる。お弁当も日にちによって決まってる」

「彼女さん大変そうですね、それは」

「彼女かあ…」

「尤、まぁ元気出せよ」

一気に重くなる空気に寧音は頭にクエスチョンマーク、またの名をインテロゲーションマークを浮かべる

「彼女いないよ。コーヒー美味しいよ、ありがとう」

「いないんですか?へ?」

困惑してるが、数秒経ってどこか納得した寧音はコーヒー美味しいならよかったですと返した

「尤ってなんだっけ?実験器具みたいなやつでコーヒー淹れるぐらい好きなんだぜ」

話題を変えようとした奏は唐突にそんなことを言う

「サイフォン好きなの!?」

「喫茶店巡りもよくするんだ、サイフォンも好きだけど他にも色々な淹れかたで飲むよ」

「本当に好きでコーヒー飲んでたんですね」

ん?と今度は尤が疑問符を頭に浮かべ寧音を見ると言い間違えました、気にしないでくださいと寧音は茶化した

自宅の最寄り駅まで同じだった3人は駅まで一緒に帰る

改札口で奏と2人はわかれ、2人きりになる

「あの、尤さん」

「尤さんかぁ、いやー嬉しいもんだね」

「まぁ苗字が同じですからね、それよりもコーヒー好きなんですよね」

「うん、好きだよ?」

「よかったら、私の実家が喫茶店を営んでいるので飲みにきませんか?」

「え?行く行く、看板娘ってことだよね」

「いずれお店を継ぎたいと考えてますので、率直な感想を聞きたいなと。」

いつお店に行くとかの話し合いを円滑に済ませるために尤はよければWINEという連絡ツールを交換しませんか?と寧音を誘った

WINEに届いたメッセージを見て尤は1人喜んだ

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