雪華
澄み切った見上げる空に
ひらりはらりと雪華舞い降りる
肌を撫でていく風が刺すように
凍える身体を丸めながら歩く
通り過ぎる誰もが吐息
白く揺らめき空へと消えた
柔らかさと静けさの混沌する
街を厳しい季節が覆っていく
寒さでこぼれた一滴
花を咲かせた冬の象徴
都会の片隅で微睡んで
記憶の彼方に消えていた景色
懐かしさと切なさが込み上げる
掌へと降り立つ一輪の雪華
眩い世界にばかり捕らわれて
存在意義を見失う
凛としていて儚い花は
自分を映す鏡だった
星空の中をゆっくりと
ひらりはらりと雪華舞い揺れる
音を立てずにも積もり行く
手を繋ぐように集まって
光を周りへ届けてく
『頑張れ』と声を掛けるかのように
大人になったふりをしていた
本当は素直な心のままで
恋しい温もりとはいつだって
近しいけれど遠いもの
帰ろうかあの風景の中へ
今でもきっと同じ姿で待っている
優しさと恋しさが込み上げる
掌へと降り立つ一輪の雪華
ひらりはらりと雪華舞う季節
望郷への想い募りゆく
儚く溶け消える一輪の花
冷たさを握り締め想いを馳せる
お読み頂いた皆様に!!!
めずらしく単発での『詩』作品です。
もうすぐ舞い降りてきますね……。
皆さんには何を届けてくれるんでしょうか……。




