第539話 対話篇:クラマ・アヴォルト/結
悲鳴でも、雄叫びでもなかった。
「が――」
黒い雨を浴びたマリクが発したそれは、世界を震わせる大不協和音だった。
およそ、人が発する声ではない。
もっと単純で、もっと単一で、何より生命の響きを欠いた、音。
クラマが見ている前で、全身を引きつらせて硬直したマリクがビクンと震える。
そのまま、少年は血だまりの中に倒れ伏し、声にならない声を再度響かせる。
「ひゃあ!?」
「…………うっさ」
近くでそれを聞いてしまったカリンとジンギが、轟き渡る激音に身を震わせる。
そんな中で、クラマは眼前に横たわる愛弟子の姿を無感情に眺めた。
幾たびも痙攣し、のたうち回るマリクは白目を剥いている。
口はあごが外れる寸前まで開かれ、赤黒い舌が突き出されていた。
その顔はしわにまみれ、美少女然としていたマリクの顔は醜く歪みきっていた。
そこに、さらに黒い雨が容赦なく降り注ぎ、追い打ちをかける。
「が……ッ、……ッ! ……ぁ! ……か、はッ!」
腹の底からの音を出し尽くし、呼吸音のなりそこねを響かせ、マリクがのたうつ。
彼と同じように全身を黒い雨に濡らしたクラマが、小さく口を開いた。
「抗おうってのかい? がんばり屋さんだねぇ、マリクちゃん」
「クラマァァァァァァァァァァ――――ッ!」
そこに、憤怒の叫びと共に突っ込んできたアキラの右拳がブチ込まれる。
ガゴォン、と、岩と岩とを衝突させたような音がそこに響いた。
「ごは……ッ」
クラマの鼻はグシャリと潰れ、血が盛大に噴き出す。
一方、彼を殴ったアキラの右拳も骨が砕け、肉を突き破って血をパッと散らす。
「おまえ、何考えてやがる! あァ!?」
走る激痛を意に介さず、アキラは血だらけの右手でクラマの胸ぐらを引っぱった。
ガクンと上体をつんのめらせたクラマが、アキラと顔を突き合わせる。
「……ふへへ」
顔の大半を血に染めたクラマは、しかしそこで薄っぺらい笑みを見せた。
「『勇者にして魔王』とまで呼ばれた最悪の傭兵が、随分と腑抜けたツラァしてるねぇ。ええ、アキラよ? 今のパンチにしたって軽すぎてビックリだぜ、俺ちゃん」
「……クラマ」
クラマ同様、黒い雨を浴びながら、アキラは彼を厳しくにらみ続ける。
身に帯びる濃い殺気は、カリンとジンギに割って入ることを躊躇わせるほどだ。
「一つだけ答えろ、クラマ」
「フヘヘヘ、皆まで言うなよ。おおむね想定通りだよ、全部ね」
おどけた調子でうなずくクラマに、アキラがまとう殺気が一瞬だけ強まる。
そこに、高ぶりきった様子のルイの声が聞こえてくる。
「マリク師、マリク師! 苦しいのですね、痛々しいのですね! 私の雨を浴びて、私の生み出した、支配の猛毒に冒されて、あなたの御心は今この瞬間、粉微塵になろうとしている! ですが! 私は信じています! あなたは私の如き愚かしくも浅ましい輩に支配などされるような御方ではありません! 私は信じています! あなたを信じています! 師は、私の支配など跳ね除けられるのだと、信じています!」
長らく語られるのは、鴉となったルイからのマリクへと向けられる無上の信仰。
未だ、全身を引きつらせているマリクの有様を目の当たりにしながら、だが、ルイのマリクに対する信仰はいささかの揺らぎもないようだった。
「…………」
アキラは顔をクラマに向けたまま、その目で一度だけルイを流し見る。
「『試練』」
彼が視線を戻す前に、クラマがその一語を呟いた。
「ダンチョはさ、キリスト教ってご存じかい?」
「……クリスマスは最高だと思ってる」
クラマの胸倉をつかんだままで、アキラは押し殺した声でそう返した。
それを聞いたクラマは「それだけ知ってりゃ十分だ」と言って、またうなずいた。
「それがどうした」
痛みを気にせず、イラ立ったアキラが右手にグググと力を込める。
クラマは、変わらない調子でこう続ける。
「こっちの世界宗教の神さんは、何かっちゃあ自分のトコの信徒を試そうとする厄介な神さんでねぇ、歴史上、いろんな試練に関する逸話が残ってンのさ」
「だから、それが何だってんだ!」
「わからんかい? 神の実在が証明されてないこっちにだってあるんだぜ、試練」
首元を締め付けられて顔色を悪くするクラマの言葉に、アキラはその目を見開く。
「試練って言い方、俺ちゃんはあん~まり好きじゃないけどねぇ。いかにも上から下々の者共を試してやってる感がね~。けど、それは確かに、必要とされるものだ」
「……必要とされる、か」
アキラは、クラマの胸元から右手を離して、痙攣を続けるマリクを見やる。
幾度か咳き込んだのち、クラマは「そうさ」とアキラに応じる。
「異世界の僧や司祭は、神の声を聞いて人に伝える仲介役さ。だが、何らかの原因で神の声を聞けなくなることがある。まさに、ディ・ティが見えなくなっちまった今のマリクちゃんみたいにね。そうなっちゃったらさ、できないでしょ、仲介」
「だから、『試練』、なのか……?」
クラマの言わんとしているところをさすがに察し、アキラはそう問いかける。
「神の姿を見失った司祭が己の役割を取り戻すために行うこと。それが異世界での『試練』でね~。本当は司祭が奉じる神自身が行なうべきなんだが、今回はちょいと色々な要素が揃っちゃったおかげで、おあつらえ向きの状況になっちゃってね」
「どこまでだ?」
二度目の問いかけは短く、だが、クラマは正しくアキラの意図を理解する。
「さっきも言ったろ、全部さ」
「マジかよ……」
「マジマジ。これがね~、俺ちゃんもビックリするぐらいにうってつけの状況に持っていける条件が揃っちゃっててさ~。ま、大体はギオちゃんのおかげですけどね~」
ギオのおかげ?
と、アキラは一瞬不思議に思いながらも、直後に全て理解した。
「……そうか。ヒメノはギオと結託して、高橋弥代を監視し、ルイ・ヴァレンツァのことも発見していた。さらにはギオは『賢明教団』の連中にも繋がりがあったし、はぐれ『高天一党』の蛾翁はずっとマリクを狙い続けていた。そして今のおまえは」
「そ。ギオちゃんの『眷属』だねぇ~。だから、逐一状況は確認できたんだよ~ん」
ヒメノが暗躍する裏で、さらに誰にも知られずに動けたのが、クラマだった。
「もしかしたらの危惧はあったよ。事態が最悪の転がり方をすれば、マリクちゃんはディ・ティを見失うかもしれない。ってね。だから、俺ちゃんは俺ちゃんにできることをしたってワケ。唯一、蛾翁とかいうバイキンが動くタイミングだけが読めなかったけど、そこは賭けだったね。そして、この有様ってわけよ」
「……そうかよ、クソ笑うわ」
肩をすくめるクラマに悪態をつきつつ、アキラはにこりともせずに舌を打った。
クラマは賭けに勝ったのだ。
蛾翁が自分とマリクの対話中に仕掛けてくる。という一点読みの賭けに。
「それにしてもダンチョ、ずぶ濡れね。よかったのかい、この雨を浴びて」
「よく言うわ。おまえが風の結界を消した時点でわかったよ。こいつは、俺達には無害だ。この黒い雨が毒性を発揮するのはマリクに対してだけだ」
「ああ、そうだよ」
クラマはその場に膝をつくと、動かなくなったマリクに手を伸ばし、軽く触れる。
「今のルイ・ヴァレンツァは、正しくこの子の『試練』たりえる」
触れる指先を通して、クラマはマリクの中に蠢きつつあるモノを捉えた。
それは徐々に大きさを増し、熱となって現実に存在を主張し始める。
「元司祭の俺が言うのもおこがましいが、こいつは異世界の司祭の問題なのさ。崇敬、信仰、盲信、過信。信じることと敬うこと。愛することと臆すること……」
ドクン、ドクンと、マリクの中にあるモノが激しくうずいて脈を打つ。
「だからよ、マリクちゃん。乗り越えてみせなよ」
熱が、限界に達した。
「この『試練』を」
マリクの背中から、黒い炎が柱となって噴き上げた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
それは、以前よりもさらに大きさを増していた。
『キアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ――――ッ!』
空に灰色の亀裂が入ったままの『絶界』に漆黒の怪物の咆哮が轟いた。
「にゃ~、うっさ! 何じゃい、あやつは~!」
「…………グロ骨格」
耳をふさいだままカリンが悲鳴をあげ、ジンギが言い得て妙な名前をつける。
しかし、たった数時間前、俺はそいつの名を聞いていた。
「……『邪業凶骨』」
煌星学園の屋上で見たそれは、二階建てのビルほどの大きさがあった。
しかし、今俺が見上げている『邪業凶骨』は、あの屋上のときよりさらにデカい。
四階建て、いや、五階建て……?
ダメだ、デカすぎてスケール感壊れるわ。とにかくデカい。ひたすらデカい!
『ゴォォォォォォォォォォォォォアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァ!』
マリクの絶叫にも似たその声は、前回よりも禍々しい気配が濃くなっている。
しかも、外見までも変質しており、全身に無数のねじくれたトゲを生やしている。
それは、殺傷の意志を形にしたものだった。
それは、無尽の憎悪を形にしたものだった。
それは間違いなく、今のマリクの中にある激甚なる『憎悪』の化身だった。
「何という、おぞましい姿……!」
天に向けて吼え猛る『邪業凶骨』を見たルイが絶句する。
この化け物を呼び起こしたのは誰でもないルイ本人である。おまいうなの笑うわ。
黒い雨が降りしきる。
それは心を冒す『支配』の雨。
だが、マリク以外には何の影響も与えない、最強の対マリク特攻毒だ。
そんなものを大量発生させながら、ルイ・ヴァレンツァは――、
「マリク師、マリク師、今こそお目覚めください、マリク師! 悪が、あなたに巣食う無明がそのおぞましき姿を表したのです! 今こそ目覚め、そして証明してください! あなたは、己の中にある悪に打ち克てるのだと、私にお示しください!」
何で、マリクを応援してるんですかねぇ、この人……?
精神を制圧する毒の雨を自分の師匠に浴びせ、内なる化け物を呼び起こしといて。
それでいて、その化け物をブチ殺せと師匠に言ってるワケですよ。
何がしたいの、こいつ。何なの、これが『試練』なの? 怖いんですけど~?
「蛾翁の能力で正気は失っちゃってるからねぇ~、今のルイちゃん」
「いかにもおかしいモンな、頭とか!」
「ダンチョったら……」
クラマはヘラヘラと苦笑になってない苦笑をして、俺の隣でルイを見上げる。
「おかしくなってるからこそ、今のルイちゃんは剥き出しなのさ」
「何がだよ?」
「マリクちゃんへの信仰が」
ほぉ~、信仰、でございますか。ほぉ~……。
「胡散臭い、って感じのツラだねぇ、ダンチョ?」
「いや、胡散臭い、っつーか、臭い」
「あれま、俺ちゃん達が芯にしてる感情は排泄物同然なんですか~?」
「バカ言うなよ、クラマ。同然じゃなくてクソなんだよ。傭兵の俺にしてみればな」
「言い切るねぇ」
「傭兵が信じるのは己の腕だけだぜ。他人やら神やらなんぞ信じるかっての」
「ま、ダンチョならそう言うだろうねぇ」
『キィイイイイィィィィィィィィアアアアアアァァァァァァァァァァ――――ッ!』
俺とクラマとの会話を『邪業凶骨』の雄叫びが遮った。
ズズン、と、軽く地面が揺れる。
どうやら『邪業凶骨』が動き出したようだ。
一歩踏み出しただけで大地を揺るがすか。とんでもない質量だな、こいつは。
「マリクは……」
マリクは、血だまりの中に倒れたままだった。
一瞬助けに行くべきか悩んだが、俺を突き刺すクラマの視線が、それを阻んだ。
「手を出すなよな、傭兵」
「俺に命令とはエラくなったもんだな、破戒僧」
低く響く呪い人形の足音が、俺の腹の底に重たい手ごたえをもたらす。
『キィィィィィィィィィィィィアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァ!』
金切り音そのものの絶叫を鳴り渡らせ『邪業凶骨』が歩みを進める。
目指す先は俺達ではなく、マリクでもない。トゲだけの顔が見下ろすのは、ルイ。
「さぁ、正念場だぜ、マリクちゃん」
クラマのつぶやきが聞こえる。
その意味を、俺は即座に把握する。なるほど、こいつはまさしく正念場だ。
マリクの内から湧いて出たあの呪い人形は、マリク自身とも呼べる。
半ば『憎悪』の怪物と化したマリクが、このままルイを叩き殺せばどうなる?
クラマは言っていた。
今のルイは、マリクに対する信仰が剥き出しになった状態だ、と。
あの『邪業凶骨』がルイを殺すことは、マリクがルイの心を否定するのに等しい。
そうなったとき、きっと『邪業凶骨』は『憎悪』の怪物として完成する。
己を憎むのではなく、世界を憎む『憎悪』の権化として。
自己を亡却するのとは全く別の形で、マリクの異能態が発現する可能性すらある。
「ととさま~! 何じゃ、どうなったんじゃ~!」
「…………ワケわかめ」
カリンとジンギがこっちに走り寄ってくる。
だが俺は、何も答えられなかった。
ただ、ガルさんを握る左手に、限界を超えて力を込めることしかできなかった。
『我が主……』
俺は傭兵だ。
信仰なんぞ知ったこっちゃない。信心なんぞクソほどの価値も感じねぇ。
――それでも、
「やれるだろ、マリク」
マリクを信じる気持ちには、一片の偽りもないのだった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
心を毒に冒されて、意識はほとんど形をなさない。
感覚は失われたようで、一瞬だけ戻ることもあって、全く安定してくれない。
それは、途切れる寸前の明滅を繰り返す電球のような。
もうすぐ寿命が尽きるとわかりながら、なお役割を果たそうとあがいている。
ああ、そうだ。
ぼくはずっとあがき続けてきた。
闇か光かもわからないものに満たされたどこかで、浮遊感の中、マリクは思う。
もうずっと長いこと、彼はあがき続けてきた。
今日一日の話ではない。
自分が、高橋磨陸が、マリク・バーンズであった者が生きた歴史の全てがそうだ。
ぼくは憎かった。
何もかもが憎かった。
いつだって『憎悪』はぼくの背中に張り付いていて、ぼくにささやき続けた。
憎め。壊せ。殺せ。憎め。壊せ。殺せ。憎め。壊せ。殺せ。憎め。憎め。憎め。
怒りは爆発で、恨みは深淵だ。
だったら憎しみとはなんだろう。どういう感情なんだろう。
それを、マリク・バーンズは生まれたときから理解していた。
憎しみとは、簡単だ。
人は、取るに足らない理由で他者に対する不満を募らせ、いともあっさりと憎む。
一言二言の会話だけが、一つ二つの行動が、その全てが誰かを憎む理由になる。
だが簡単だからこそ、そこに生じた憎しみは泡のように軽い。
憎んでも、簡単な理由で忘れてしまう。
そんなものに満たされたのが、マリク・バーンズという器だった。
生まれたときから『憎悪』に満たされ、それは簡単な理由であふれ出してしまう。
普通の人間なら、他の感情で上塗りすることもできただろう。
しかし、マリクの中にある『憎悪』に理由はなかった。彼こそが『憎悪』だった。
――だから、抗った。あがいた。
理由のない『憎悪』に満たされたニンゲンなど、人間ではないと思ったから。
きっかけは、妹を殺してしまったこと。そして自分を殺したこと。
それからマリクは己を憎むようになり、己を消したくてたまらなくなった。
けれども、妹はそんな愚かしいぼくを兄と慕い、自分を犠牲にしようとしている。
それが、どうしようもなく憎い。
自分よりも強い体を持つ妹が憎い。自分よりも強い魔力を持つ妹が憎い。
自分を見限ってくれない妹が憎い。自分を兄と読んで離れない妹が憎い。
いいや、憎いのは妹だけじゃない。
自分を盲目的に信じ続ける弟子が憎い。自分を放っておいてくれない両親が憎い。
自分を一人にしてくれない兄弟が憎い。自分を悪者にさせてくれない世界が憎い。
高天蛾翁の言っていた通りだ。
マリク・バーンズは、生きるに値しない生物だ。人間じゃない。
そんなこと、とっくにわかり切っていることじゃないか。
――だけど、あがいた。抗った。
それは、何故だ?
自分がどうしようもない、消えるしかない生き物だとわかってるのに、どうして?
何故あがいた。どうして抗った。
それは何故? 何故? 何故? 何故? 何故?
繰り返される自問の果てに、ふと意識に浮かぶ、一つの情景。
そのとき、砕け散っていた感覚は急速に修復され、体感となって蘇る。
大きな震動を感じた。
気づいて目を開ければ、見えたのは人型の鴉と、赤黒い巨大な枯れ木細工の足。
マリクには、その景色しか見えなかった。
他には、何も目に入らない。耳に聞こえない。周囲のことなど、わからない。
マリクはゆっくりと身を起こし、そして歩き出す。
そうしている間にも、赤黒い枯れ木細工の呪い人形は人型の鴉に迫りつつあった。
人型の鴉を握り潰すべく、呪い人形は緩慢な動きで手を伸ばそうとする。
死が近づく。だが、人型の鴉は動こうとしない。動かないまま、祈りを捧げる。
マリクは、体を引きずるようにして歩き、両者の間に立った。
すると人型の鴉がくちばしを開けて、歓喜を表すように背の翼を広げた。
「マリク師、やはりあなたは内なる悪に負けることなく己を貫き通す方! あなたこそは私の光! 神など必要とせず、その在り方にこそ神を宿らせる、真に尊き御方なのですね! だからこそ私はあなたを信じ、あなたを崇敬し、だからこそ――」
「黙れ」
「え」
早口で昇天しかける人型の鴉を一言でぶった切り、マリクは呪い人形を見上げる。
それは、異能態の域に指をかけるまでに強大化した彼自身の異面体だ。
つまりはマリク・バーンズの半身とも呼ぶべきもの。
まさに人型の鴉が言っていた、内なる悪。なのだが――、
「いつまでデケェツラしてんだ、このでくのぼうがァァァァァァァ――――ッ!」
ブチギレたマリクが放った全力魔法が『邪業凶骨』の顔面を爆破粉砕した。




