第366.3話 タクマとシイナのあとがきっぽい解説コーナー/4
――宙色市内『異階』の一室。
タクマ:…………。(ぐったり)
シイナ:…………。(ぐったり)
タクマ:…………。(ぐったり)
シイナ:…………。(ぐったり)
タクマ:…………。(微動だにせず)
シイナ:…………。(テーブルに突っ伏し)
タクマ:…………。(椅子にぐってり)
シイナ:…………。(目の焦点合ってなし)
タクマ:…………。(口が半開きのまんま)
シイナ:…………タクマさん。
タクマ:…………あ~?
シイナ:…………始まってますよ。
タクマ:…………お~。
シイナ:…………始まってますってば~。
タクマ:…………わかってるって~。
シイナ:…………じゃあそう言ってくださいよ~。
タクマ:…………何かもう、億劫。全部億劫。
シイナ:…………そんなの私だってそうですよ~。
タクマ:…………あー。
シイナ:…………いー。
タクマ:…………うー。
シイナ:…………えー。
タクマ:オラッシャ~! やったろうじゃねぇかァ~!
シイナ:う~わッ、ビックリしたァ!?
タクマ:いつまでも疲れてられっか、俺ァ、まだまだ元気だぜー!
シイナ:無理矢理意識を覚醒させましたか。さすが若者……。
タクマ:…………。
シイナ:な、何ですか、そのぬるま湯に浸っているが如きまなざしは。
タクマ:いや、そうだよな。おまえ、アラサー……。
シイナ:あ~ん? 何ですか、この野郎!
女性に歳の話はタブーだって習いませんでしたか! こいつぅ!
タクマ:よし、シイナも元気になったところで、今章のまとめ始めるぜー。
シイナ:あ! わざとですか!? はかりましたね、ちくしょー!
タクマ:今度、俺のおごりで温泉連れてってやるから。
シイナ:よし、それでは早速始めましょう! 第十四章のまとめですよ~!
タクマ:何て鮮やかな手のひらドリルだ……。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
シイナ:第十四章、終わりましたね~。
タクマ:終わったな~。これで正真正銘『Em』関連の話は完結だな。
シイナ:そうなりますね。次からは本当の意味での新展開です。
タクマ:すでに出ちゃってるけどな、その新展開に出てくる面子。
シイナ:カリンちゃんとジンギ君ですねー。
タクマ:その二人の詳細については次回以降で明らかになっていくだろうぜ。
シイナ:ですねー。では、第十四章の解説に入りましょー。
タクマ:仕返し。
シイナ:仕返し。
タクマ:シカエシスゴロク。
シイナ:シカエシイチ武道会。
ふたり:……うっ、頭が!
タクマ:ヘヘ、なかなかヘビィなイベントだったぜ……。
シイナ:シカエシスゴロクでは即死爆破が鮮やかに会場を彩りましたね……。
タクマ:そして、シカエシイチ武道会。
シイナ:『飲む全快全癒』。
ふたり:ああああああああああああああああああああああああ……。(トラウマ)
タクマ:アレはヤバかった。本当にヤバかった……。
シイナ:思い出すだけで未だに手に震えが来ますからね。
タクマ:リリスばあちゃんとマリク兄とヒメノ姉の共同開発だろ?
シイナ:そうなんですけど、恐ろしいのは全て想定通りであることです。
タクマ:想定通り?
シイナ:そうです。あの効果も。そして、あの味も。
タクマ:想定通り……。想定通り!?
シイナ:そうですよ。あの三人が計画した通りに不味くなったワケですね。
タクマ:失敗でもなく、仕方なくでもなく、当初の計画通りであの味なのか……。
シイナ:何てひどい話でしょうね。
タクマ:マジかー。そっかー、マジかー。でも仕返しだから仕方がないかー。
シイナ:そうやって受け入れちゃうのがウチの家風というか、何というか……。
タクマ:だってアキラ・バーンズの子供じゃん、俺ら。
シイナ:ま、そーなんですけどー。
タクマ:しかしまぁ、ヒナタ以外はヒデェ目にあったな。
シイナ:ヒナタちゃんの回は毎度書いててほっこりしてましたよ、作者サンも。
タクマ:平和な八大地獄だったぜ。
シイナ:で、それも含めた今回のイベント全般を取り仕切ったウチの六女ちゃん。
タクマ:カリンな。
シイナ:カリンちゃんには裏設定が一つありまして。本編には出せないんですが。
タクマ:へぇ、そんなんあるんか?
シイナ:『絶界コロシアム』主催のオード・ラーツにライバル視されてました。
タクマ:ああ、あっちもイベンターだもんな。
シイナ:でも、カリンちゃんはオードのことは全く知らなかったという……。
タクマ:ただの一人相撲じゃねーか!?
シイナ:そうですよー。オード・ラーツの悲しい一人相撲ですよー。
タクマ:本人、とっくに亡却されて誰も覚えてねーし。
シイナ:ですよね~。ま、そういう設定もありましたよ、ということで。
タクマ:今章だと、ケントさんの異面体の成長もあったな。
シイナ:はい。これについては前々から考えてたものではありましたね。
タクマ:美沙子さんの異面体とかもその一例か?
シイナ:アレは少し違いますけど、似たようなものではありますね。
同じなのは、父様と母様の異面体です。
タクマ:本編でもそう言ってたな。
シイナ:はい。父様と母様はカディルグナ様の無間地獄で殺され続けました。
その経験によって精神が強靭さを増して、異面体にも変化が生じました。
タクマ:え、強靭さ? 何か変わったか、あの二人?
シイナ:変わりませんよ。変わらないということが強さの証です。
タクマ:ああ、そういうことね。納得だわ。
シイナ:ケントさんの異面体がどう変わったかは、今後明らかになるでしょう。
タクマ:あ、それとよー。
シイナ:はい、何でしょうか?
タクマ:今章でやっと明らかになったよな、ウチの全員の名前。
シイナ:ああ、そうですね。ヤジロ君とギオ君の名前が出ましたね、やっと。
タクマ:ササラは前々からちょくちょく出てたけどな。
シイナ:今章最終話に出てきたジンギ君含めて、これでバーンズ家勢ぞろいです。
タクマ:名前だけな。
シイナ:まぁ、作者さんの気力が尽きなければ、みんな出てくるでしょう。
タクマ:何だかんだ言いつつ、もうすぐ400話だもんな……。
シイナ:よく続いてますよね、本当に。
タクマ:大体こんなトコか?
シイナ:そうですねー。あとは『Em』編で残ってた疑問にお答えしましょうか。
タクマ:何かあったか?
シイナ:サイディがエンジュちゃんを見つけた方法ですね。
タクマ:あー。エンジュはサイディに『出戻り』させられたんだっけ。
シイナ:そうです。ひどい話ですよ、ホント。
タクマ:だから過去最高に仕返しされたモンな、サイディ。
シイナ:ラララちゃん、エンジュちゃん、タイジュ君の三人全員からですからね。
タクマ:で、サイディがエンジュを見つけた方法ってのは?
シイナ:もうおわかりかと思いますが『黄泉読鏡』です。
タクマ:『Em』の連中も持ってたんか……。
シイナ:そういうことです。そしてそれはすでに回収済みです。
タクマ:『金色符』に『黄泉読鏡』か。結構な収穫だったな。
シイナ:今後どこかで使われるかもしれませんね。
タクマ:よし、それじゃあ今回はここまでだぜー!
シイナ:次回からもご期待いただければ幸いです。がんばりま~す!
ふたり:おわり!




