第267.3話 タクマとシイナのあとがきっぽい解説コーナー/1
――宙色市内『異階』の一室。
タクマ:また?
シイナ:またですね。
タクマ:また俺ら出張らなきゃいけないの?
シイナ:また私達が解説しなきゃいけなくなりました。……しかも、
タクマ:何、何々? 待って待って、何で声低いんだよ、シイナ……?
シイナ:この、解説コーナーですが……。
タクマ:……おう。
シイナ:今後、常設化します。(ものすごい真顔)
タクマ:…………。(ものすごい真顔)
シイナ:…………。(ものすごい真顔)
タクマ:何、言ってんだ……?(ものすごい真顔)
シイナ:『|作者サンに言ってください《いつものヤツ》』です。(ものすごい真顔)
タクマ:何でだよー! また茶番に付き合わされるのかよー!
シイナ:こういうのに使いやすいんですって、私達……。
タクマ:おまえの異能態が全部の原因だろうがよー! アンテナ可愛いけど!
シイナ:私の異能態はタクマさんとセット運用前提ですよー!
タクマ:クッソ、そうだった……!
シイナ:もうここは観念して解説しましょう。そしてパパっと終わらせましょう。
タクマ:……それがいいな。クッソ~。
シイナ:はい、では気を取り直して、第十一章、終わりましたね!
タクマ:長かったなー。今回は本当に長かった……。
シイナ:そうですね、はい……。間違いなく過去最長になっています。
タクマ:読むのかったるくならねぇのか?
シイナ:作者サンが目を逸らしていますね。……つまりはそういうことです。
タクマ:ここ最近、毎話長ったらしいからな……。
シイナ:最新話をお読みいただいてる読者サンには感謝しかありませんよ、これ。
タクマ:そう思うなら短くする努力をだな……。
シイナ:いつもクライマックスは筆がノッちゃうんですって。
タクマ:それただの言い訳じゃね?
シイナ:あ、作者サンが「グギャー!」って血を吐いてます! 吐血です!
タクマ:そのまま死ね。
シイナ:タクマさんのあったかい言葉もありましたので内容解説に入りますねー。
タクマ:あったかい、か……?
シイナ:さて、第十一章はラララちゃんとタイジュさんメインの長編章でしたね。
タクマ:実質、タイジュ主人公回、か?
シイナ:そうですね、本章の本番は『最終決闘』ではないので。
タクマ:『無間最終決闘』の方が本番ってことか。
シイナ:本編、一回しか出てませんけどね、その用語。
タクマ:タイジュがラララの精神を崩壊させて、それを覆すために時間遡行。
シイナ:いわゆるループモノの構成ですねー。
タクマ:よくある『記憶の持ち越し』はできないんだな、タイジュの場合は。
シイナ:それをやると話が複雑化する一方なので、仕方なく!
タクマ:やってたら文字数がヤベーコトになってたな……。
シイナ:はい、そうですね。それでですね、
タクマ:ん? 何よ?
シイナ:本章の目的なんですが~、
タクマ:ああ、目的。何かあるのか。
シイナ:前にも言ったラララちゃん決着編ですね。
タクマ:それはちゃんと上手くいったんか? ラララへのヘイト解消は。
シイナ:知りません!
タクマ:おい……。
シイナ:わかるワケないじゃないですかー! 作者サンだってわかりませんよ!
タクマ:『答えはあなたの胸の中にあります』とか言うなよ?
シイナ:答えはあなたの胸の中にあります!
タクマ:言いやがった……。言うなと言ったのに、言い切りやがった……。
シイナ:だって実際そうなんですモン……。
タクマ:ちなみに本来の予定じゃ、ラララはどういう扱いになってたの?
シイナ:一言で言うと『敵に回ったバーンズ家』の最初の一人目ですね。
タクマ:オイ、何だ『最初の一人目』って……。
シイナ:…………。(ニッコリ)
タクマ:でも、第十章でのやらかしが尾を引いた、と……?
シイナ:作者サン的に『あ、ヤベ……』ってなったみたいです。
タクマ:バカが。
シイナ:ド直球ですねぇ!?
タクマ:ラララのヤツ、本来の予定だと『Em』に所属する流れだったっけ?
シイナ:そうですね。強くなるために己の『真念』の到達を目指して、
自分が認めた強者である他の家族と戦うことを目的に『Em』に――、
っていう流れでしたね。幻と化しましたが。
タクマ:幻のままでよかったんじゃねーかな。絶対今の流れの方がいいって。
シイナ:ま、そうかもですねー。ちなみにこのラララちゃんの代役が――、
タクマ:サイディ・ブラウン?
シイナ:はい、そうです。先代『剣聖』のよくいるエセアメリカンな人です。
タクマ:何、その容赦ない評価……。こっわ。
シイナ:ふ~んだ、何でも大きけりゃいいってモンじゃないんですよ~だ!
タクマ:……あ~。(腕を組んで何かを納得したようにうなずく)
シイナ:何ですか、タクマさん。その「あ~」は何ですか!
タクマ:え、ヤダヤダ。流れに乗ったらセクハラとか言われるから何も言わない。
シイナ:くっ、なかなか回比率が高い……!
タクマ:おまえはどこポジションなんだよ……。
シイナ:で、話を戻しますが、今後はサイディさんが敵勢力に加わります。
タクマ:相対するは、ラララとタイジュ、か?
シイナ:主にラララちゃんでしょうか。
タクマ:タイジュメインは今回でやったしな。
シイナ:そうですね。ラララちゃんの異能態が出なかった理由も実はその辺です。
タクマ:それ、言っちゃっていいのか?
シイナ:おおよそ予想してるんじゃないですかね、読者サン達。
タクマ:そういえば今回は仕返し回もなかったよな。
シイナ:……過去最高に急場凌ぎの章だったので。
タクマ:そろそろ父ちゃんが仕返ししたくてうずうずしてるんじゃ?
シイナ:自分の父親をどういう生き物だと思ってるんですか、タクマさん……。
タクマ:父親としては文句ないけど人間としては絶対に近づきたくない存在。
シイナ:…………。(自分も心当たりがあるので目を逸らす)
タクマ:ほらー! おまえもそーじゃんよ、ほらー!
シイナ:それで、もう一つ解説しておくことがあります。
タクマ:何だよ?
シイナ:異世界と日本での『剣士』の扱いの差ですね。
タクマ:ああ……、終盤でその辺りの話が出てたな。
シイナ:異世界における『剣士』が持つ意味合いっていうのはですね、
日本でいうところの剣豪とかを表す『剣士』とはまるで違いますね。
タクマ:それはやっぱり、タイジュも言ってた『死』のあるなしの話か?
シイナ:そうですね。
蘇生可能な世界なので『死合』とかが異世界では成り立ちません。
ですので、日本の『剣士』とは全く質の異なる『剣士』になるワケです。
タクマ:決闘と言いつつ三本勝負、って考え方もそこの質の差に起因するのか。
シイナ:はい、そうです。異世界の『剣士』は死んでも終わりではありません。
死と隣り合わせの存在である『剣士』にとって、それは大きな差です。
タクマ:ちなみに、その『質の差』についてはここで解説するのか?
シイナ:いえ、今後、詳しく取り上げられるでしょう。
タクマ:あいよー。ってなところで、終わりか?
シイナ:そうですね。今回はこれで終わりです。
タクマ:今回ってことは次もあるんだろ? 常設化とかさ~……。
シイナ:これやってるおかげで出番なくなってるのは本末転倒過ぎますよね。
タクマ:別に出番が欲しいワケじゃねぇけどさー。
シイナ:それではこの辺にしておきましょうかね~、ではまた次回~!