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【連載版】出戻り転生傭兵の俺のモットーは『やられたらやり返しすぎる』です  作者: 楽市
番外編 タクマとシイナのお茶濁しRADIO
214/601

第201話 タクマとシイナのお茶濁しRADIO/4

 ――宙色市内『異階』スタジオ。


 シイナ:タクマさんって、


 タクマ:……何だよ。


 シイナ:結構、食べ物の好き嫌い多いですよね。


 タクマ:…………。


 シイナ:ほら~、思いっきり渋い顔してる~。


 タクマ:く、食わなくても生きていけるモンばっかりだし。


 シイナ:いや~、実はにんじんが嫌いなのはダメだと思いますよ?


 タクマ:にんじんはさぁ~、甘くなければ食えるんだけどさ~。


 シイナ:甘いにんじん、美味しいじゃないですか~。


 タクマ:…………。


 シイナ:うわぁ、シンラ兄様がピーマンを前にしたときの顔してる……。


 タクマ:あそこまで嫌いとは言わねぇけどさぁ~。


 シイナ:そのシンラ兄様ですが、


 タクマ:お、シンラ兄がどうした?


 シイナ:今のマイブームが何か聞きました?


 タクマ:え、知らねぇ。何々、何だよ? 何かあったのか?


 シイナ:『ピーマンの肉詰め』、ですって。


 タクマ:…………え、何が?


 シイナ:その反応、私と一緒ですよ、タクマさん。


 タクマ:いやいやいやいや、だって、なぁ? さすがに嘘、だろ?


 シイナ:本当です。シンラ兄様、最近、ピーマンの肉詰めが好きらしいです。


 タクマ:何……、だと……?


 シイナ:ショックが一周回って物静かなリアクションになっちゃってる……。


 タクマ:だってシンラ兄だぜ? ピーマンを食べないために皇帝になった男だぜ?


 シイナ:それ、帝国だと都市伝説扱いになってましたよね……。


 タクマ:実はただの事実なんだよな~。


 シイナ:そうですねぇ。国民はピーマンを食べないでいい法律を制定しましたし。


 タクマ:それがどうして、マイブームなんかに……?


 シイナ:美沙子さんが作ったピーマンの肉詰めが美味しかったんですって。


 タクマ:ああ、父ちゃんのお袋さんの。……料理上手とは聞いてたけど。


 シイナ:母様が『人類の至宝』と呼んでたレベルですから、相当なんでしょうね。


 タクマ:うわ、そこまでなん? ちょっと食ってみてぇ~。


 シイナ:むぅ~。(頬ぷく~)


 タクマ:ンなむくれんなって~。どんな美味くても世界で二番目だっての。


 シイナ:じゃあ、一番はぁ~?


 タクマ:何だよ、言わなきゃダメかぁ~?


 シイナ:く、この野郎、ニヤニヤしやがってぇ~~~~!


 タクマ:おまえの料理が一番好きだよ、シイナ。いつも、ありがとな。


 シイナ:あ~も~、うるさいですよ! 『お茶濁しRADIO』第4回ですよ~!


 タクマ:顔赤くしちゃって、可愛いよな~。


 シイナ:うるさいって言ってるでしょ~~~~!



  ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



 シイナ:次で終わりです。


 タクマ:いきなり、何だよ……?


 シイナ:ですからこのラジオ、今回と次回で終わりです。ひとまず。


 タクマ:何だよ、ようやく次のネタが固まったのか、作者サン。


 シイナ:うん、まぁ、ぼちぼち、らしいですけど……。


 タクマ:どっちなんだよ……。


 シイナ:見切り発車できる程度には固まったんじゃないですか?


 タクマ:まぁ、いいけどよ。いつまでも時間稼ぎもしてらんねぇし。


 シイナ:ちなみにこのあとは幕間→中編→長編、っていう流れを想定中ですって。


 タクマ:中編っていうと、七章とか九章みたいな長さのやつか。


 シイナ:ですね~。九章ではスダレ姉様が頑張ってましたよね~。


 タクマ:さすがはバーンズ家のジョーカーの一角、つか、あの異能態は何だよ。


 シイナ:は、何がですか?


 タクマ:え、何でいきなり声が氷点下になってんの?


 シイナ:どうせ私の異能態はアンテナですよ~~~~だ!


 タクマ:おまえは何を言って……、あ~、そういうことかぁ。


 シイナ:何ですか! まだ何か!?


 タクマ:いや、別に。ただ、そうだよな~、あの異能態、綺麗だったモンな~。

     いや、綺麗なだけじゃなくて、スゲェ似合ってたモンな~。


 シイナ:ぅ…………、


 タクマ:全く惚れ惚れしちゃうよな~。俺は好きだぜぇ~、あの異能態。


 シイナ:…………(俯く)。


 タクマ:何てか、本当に『らしい』異能態だよな~。あれしかないっつーかさ!


 シイナ:…………。…………(ますます俯く)。


 タクマ:俺は好きだぜ――、『流々梵天(ルルボンテン)』。


 シイナ:――――へ?(キョトンとなって顔上げる)


 タクマ:ん? どうした?


 シイナ:え、あの、タ、タクマさんは何のお話を……?


 タクマ:え、おまえの異能態の話だけど? いいじゃん、最高に似合ってて。


 シイナ:…………(ポカ~ン)。


 タクマ:あれ、どうした? あ、もしかしてスダレ姉の異能態の話と思った?


 シイナ:え、ぁ、え……、あの?


 タクマ:俺、一言でもそんなこと言ったっけ? なぁ、言ったっけか?


 シイナ:うううぅ~! 『あの異能態』って言ってたじゃないですかぁ!


 タクマ:言ったけど、どの異能態かは別に明言してないよな~?


 シイナ:それはズルいですよ! あの話の流れなら姉様って思うでしょ~!


 タクマ:俺が言ったのはおまえの異能態の話だけどな~。


 シイナ:ぐぬぬぬぬ……!


 タクマ:スダレ姉の異能態はな~、見た目派手だけどカラーリングがなー。


 シイナ:真っ赤なの、カッコよくないですか?


 タクマ:カッコいいたぁ思うが、エロいとまでは思わねぇよ。あと、


 シイナ:あと?


 タクマ:能力が鬼すぎて、下手なこと言えねぇっていうか……。


 シイナ:あ~、半全知全能。


 タクマ:何なんだよ、アレは。母ちゃんの異能態よりヤベェっしょ。


 シイナ:実は案外そうでもなかったり、なんですよね~。


 タクマ:え、そうなん?


 シイナ:はい、実は。

     っていうのも、母様の異能態は『0を1にできる力』なんです。

     一方でスダレ姉様の異能態は『0をAに置き換える力』なんですよ。


 タクマ:……よくわからん。


 シイナ:そうですね~、わかりやすく例えるとですね~(しばし考えこみ)。

     すごくのどが渇いて、水が欲しいときにですね――、


 タクマ:おう。


 シイナ:母様の異能態は何もないところから、水を出せるんです。

     でも姉様の異能態は、別の何かを水に変換する必要があるんです。


 タクマ:へぇ、そういう差があるのか。確かに、そりゃあ大きな差だなぁ。


 シイナ:そんな感じで、同じタイプに見えて、明確な違いがあるんですよねー。


 タクマ:ちなみに、今まで幾つか異能態出てきてるけど、最強とかってあるん?


 シイナ:ないです。


 タクマ:ないのか!?


 シイナ:異能態は基本的に『出した者勝ち』です。能力的には大体同等です。

     例外が二つだけありますけど。


 タクマ:例外って?


 シイナ:父様と私ですね……。

     ええと、まず私は『どれにも勝てない絶対最弱の異能態』です。


 タクマ:やっべ、それうっける~! あ~、でもシイナって感じするわ~!


 シイナ:ひぃん、聞きましたか読者サン! 彼氏がいじめてきます、DVです!


 タクマ:やめろやめろ! その辺は結構デリケートなんだからやめろぉ!


 シイナ:ふんっだ、私をいじめるからこうなるんです!


 タクマ:はいはい、ごめんて。――で、父ちゃんは何で例外なんだよ?


 シイナ:父様と、他に誰か一人でも異能態を出したら『異階』が即崩壊します。


 タクマ:…………あー、そういう。


 シイナ:『異階』を短時間で崩壊させるのは父様だけではありますが、

     他の人の異能態だって『異階』に負荷をかけているのは本当なんですよ。


 タクマ:何で父ちゃんの異能態だけ『異階』があんなことになるんだ?


 シイナ:それはもう『破壊に特化しすぎてるから』以外に理由がないですね。


 タクマ:タマキ姉よりもかよ……。


 シイナ:いや、それがですね、タマキ姉様、異能態は別に攻撃力高くないんです。


 タクマ:あれ? おかしくね? タマキ姉の異能態が攻撃力最強なんじゃ?

     能力名だって『絶対突破』で、攻撃に特化してるんじゃないっけか?


 シイナ:あれは『そう見えてるだけ』です。実は本質は『攻撃』じゃないんです。

     タマキ姉様の異能態の本質は『浄化』なんです。洗い流してるんです。


 タクマ:うっそぉ……。


 シイナ:マジマジの大マジです。導き出される結果が『突破』なだけです。

     でも中身は『浄化』なんですよねー。あの姉、本質が乙女なんですよ。


 タクマ:じゃあ、本当の意味で攻撃に特化してるのは――、


 シイナ:はい、父様の異能態の方ですね。

     壊す方向に尖りすぎた結果が発動即『異階』崩壊です。笑いますよねー。


 タクマ:父ちゃんらしいっちゃ、父ちゃんらしいけどな~。


 シイナ:と、話が結論を見たところで、お便り代わりのヤツいきましょ~。


 タクマ:はいよ~、色々来ちゃいるんだな~。


 シイナ:それでは今回はこちらで~す。

    『個人的な疑問ですが、異世界でタクマがマヤと結婚して、

     シイナが落ち込んでるところにお見合いが来たのか、

     シイナがお見合い結婚してタクマが落ち込んでるところに、

     マヤに言いくるめられたのか気になります』


 タクマ:あ~、これかぁ~……。


 シイナ:これは後者ですね~。私のお見合い→タクマさんの結婚、の順番です。


 タクマ:シイナってさぁ、お見合いの時点で俺のことわかってたの?


 シイナ:え? タクマさんが『普通の仮面』を被ってたことに、ですか?


 タクマ:そうそう。


 シイナ:いや~、さすがにそこまではわかってませんでしたよ。あの当時は。


 タクマ:でもお見合いしちゃったんだよな~。


 シイナ:私も『普通』に囚われてましたからねぇ、そのときは。

     タクマさんとは結ばれないのが『普通』なんだって思ってましたし。


 タクマ:結果的にはそれで正解だった、ってのも何かモヤモヤするけどなぁ。


 シイナ:いいじゃないですか。こうしてこっちで一緒になれたんですから。


 タクマ:結果良ければ、ではあるけどな。


 シイナ:ところでタクマさんですよ。マヤさんと結婚したのは何でですか?


 タクマ:そうするのが『普通』だったから。


 シイナ:はいはい、出た出た。もうそこから『普通の仮面』を被って、この人は!


 タクマ:おまえにだけは言われたくねぇよ! ユウヤなんかと結婚しやがって!


 シイナ:一応は大切にしてくれたんですよ、一応は。占いさせられましたけど。


 タクマ:そういえばよ~、八章じゃ出てなかった情報が一つあるよなー。


 シイナ:何です?


 タクマ:異世界でのおまえとユウヤってさ~。


 シイナ:はい。


 タクマ:子供はいなかったのか?


 シイナ:あ~……、確かにその辺りは、全然触れられてませんでしたね~。


 タクマ:一回夫婦として添い遂げたなら、いても全然おかしくねぇだろ。


 シイナ:う~ん、その辺は、作者サン的にあえてぼかしてる部分はありますねー。


 タクマ:何で?


 シイナ:孫世代まで出てくるといよいよ収拾がつかなくなるでしょ?


 タクマ:そりゃそうかもだけど、シンラ兄の長男は出てきたっしょ。話だけ。


 シイナ:晩年のキリオ君がやらかしちゃったやつですね~。

     あれは、今後のお話の主題として取り上げられるから出てきたんですよ。


 タクマ:あ、やっぱそうなんか。そりゃまぁ、そんときはキリオ、がんばれよ~。


 シイナ:他にも、マリク兄様とヒメノ姉様の掘り下げもまだ控えてますし~。

     これからも『出戻り転生傭兵』は続いていくでしょうねー。


 タクマ:父ちゃんと母ちゃんが異能態に至ったエピソードもあるし、

     シンラ兄と美沙子さんの件もまだ決着してねぇしな。


 シイナ:まだまだ語れるお話はいっぱいありますねー。

     と、いったところで第4階はそろそろ終了です。お疲れ様でしたー!


 タクマ:このラジオも次回でひとまず終わりだけど、お便りは随時募集中だぜー。


 シイナ:それでは皆さん、また次回~!

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