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女子大生の自粛ライフ備忘録  作者: 仁代(ひとよ)
6/10

5月6日 2020

こんにちは。仁代(ひとよ)と申します。


本日はぽかぽかあったまる話です。

あぁ、今日はゴールデンウィーク最終日だったんだっけ。


夕方のニュースにチャンネルを合わせると、画面には今日の観光地の映像が映し出されていた。


「このように人出の少ないゴールデンウィークは初めてなんじゃないですかね」


そうだね、とコメンテーターに相づちを打つ。確かに人は少ない。なんなら、近所のスーパーの方が余程混んでいる。


まぁ、明日からもゴールデンウィークみたいな感じだけど。


と亜希は真っ白なスケジュール帳を思い出した。長らく自粛生活を送っていると昨日と今日の、今日と明日の区切りが曖昧になってくる。それはゴールデンウィーク最終日も例外ではない。

とはいえ、明日からは会社や学校が再開するのだから、やはり世間的には区切りの日なのだろう。


ニュースの左端に表示されている時刻は19:00。そろそろ寝る準備をしないと。椅子から立ち上がると、うーんと唸りながら伸びをする。腰がゴキゴキと鳴る。そういえば、足が重だるい。


久しぶりに湯船に浸かりたいなぁ。


一人暮らしのせいか、実家で暮らしていた時よりもシャワーの機会がぐんと増えた気がする。お風呂を洗って、栓をちゃんとしめて、お湯が溢れないようにこまめにチェックして、と色々気を使うことが多い割に、結局10分程度しか浸からないのだから、なんだかもったいない気がして自然と遠ざかっていた。


でも今日はひと踏ん張りしてみよう。


亜希は念入りに小さい湯船をあらうと、蛇口を捻ってお湯を出す。冷水の蛇口も少しだけ捻る。

せっかくなら、と棚の1番上に置きっぱなしになっていたバスソルトに手を伸ばす。ピンクのパッケージからはもう甘いお花の匂いがする。


湯船にバスソルトを入れて、本と水筒を準備する。湯船の蓋をテーブル替わりしてタオルを敷いたら、長風呂の準備はばっちりだ。


髪の毛をお団子にして湯船に入ると、足の底からじんわりと温かさが身体中に巡った。思わず肩まで浸かりたくなるの気持ちをぐっと抑えて、持ち込んだ本にとりかかる。読書はベランダピクニック以来、小さなマイブームになってる。

バスソルトも誕生日に貰ったまま使うタイミングを見失っていたが、案外なんでもない日に使ってもいいかもしれない。足を曲げて入らないといけないが難点だけれど。


久しぶりの湯船は想像以上に気持ちが良くて、気づいたら1時間以上湯船に浸かっていた。


お風呂上がりに鏡を見ると、満足気な顔をした茹でダコが出来上がっていたのは、また明日の話。

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