5月3日 2020
こんにちは。仁代と申します。
本日は亜希のお家ライブの話です。
本を読んだのは何ヶ月ぶりだっただろうか。
色々な漫画サイトで無料キャンペーンをやっていると、ついついそっちに目がいってしまって、久しく本を手にすらしていなかった。
その一方で、いざ本を読み始めるとなかなか止められないもので、亜希は満足そうに息をひとつ吐くと『赤毛のアン』の本をそっと閉じた。
昨日のピクニックの後、スマホも見ずに読みふけっていたので通知が溜まっていることだろう。
健康的な1日だったなぁと振り返りながら通知を処理していくと、【ライブ映像限定公開!】の通知が目に止まった。今1番推しているバンドが、昨年開催したアリーナライブツアーの映像を公開するらしい。
「えっえっうわほんとだ、すごい、全部公開されてる…!」
誰もいない部屋でひとり小躍りをして亜希はダッシュでイヤホンを取りに行った。イヤホンを取りに行く途中、昨日のピクニックで机代わりに使ったダンボールに膝が当たってコテンと倒れた。
そうだ、あれを作ってみよう
我ながらいいアイデアだと、亜希はにんまりした。といっても自分で思いついた訳では無い。1ヶ月間Twitterばかり見てきたかいがあったというものだ。
早速カッターを持ってきてダンボールの側面を切り抜く。反対の面の真ん中にスマホを置いて、その大きさに合わせて四角い穴を作る。スマホを押さえる用に、最初に切り抜いた面に一回り小さい穴を開けて貼り付けたら、完成だ。床に頭をつけるのは気が引けたので、枕も持ってきた。
スマホをセッティングしてダンボールの中に頭を入れて寝転ぶと、真っ暗な中でスマホの液晶だけが光るので、映画館みたいになるらしい。
ひとり部屋の真ん中に頭だけダンボールに突っ込んで寝転がる様子ははたから見たらどれだけシュールなことだろう。自分の姿を想像して思わず苦笑いをする。
でも気にすることない。これも一人暮らしの特権だもの。
せっかく作ったんだから、映画も見ちゃおう。あのドラマの見逃し放送、まだやってるかなぁ。
お家ライブに夢中になるあまり、実家のお母さんに返事をするのを忘れてお叱りを受けるのは、また明日の話。
ライブ映像を公開してくれたり、インスタライブをしてくれたり、ミュージシャンたちには頭が上がらないよ。