表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/23

ピンチ、そしてピンチの始まり

ヘリ・クラスレスは可能な限りのスピードを出し、フォーククローをパージしバラトゥースを地面へとたたきつける。

しっかり食い込んだクローを重しにしてダメ押しにカウルもパージしてぶつける。


そして4連装のミサイルポッドを両腰に装備、同時に全弾発射した。

爆炎に包まれるバラトゥースだが、ケレスは嫌な予感がしていた。


「いける訳がない! いつ来る!?」


 油断できなかった。

相手の経験は豊富で、こちらは素人故にうまく当たらなかった可能性がある。

上空でホバリングをしながら、様子をうかがう。


 案の定立ち上がるバラトゥース。

大きく損傷しているものの、その動きはしっかりしている。

リペアシルクを纏いながら放たれた雷撃は、的確に右肩のヘリを破壊した。

すぐさまパージし再度生み出そうとケレスは魔力を込めたが、発動しない。


「やばい! 同じ物はすぐに生み出せないのか!?」


 左肩のヘリのみでバランスを取りなんとか着陸。

 ローターをシールドにすることも考えたが、やはり重さで動きが鈍るためパージする。

 今ある武器はあらかじめ生成した拳銃型キャノン二丁、下手に生成を試せばその隙を狙われるだろう。


「素人が、侮るんじゃ無いよ。その声、あの桃髪の小僧だね。

 邪魔するのならあんたも同じ目に遭わせてやる!」


 猛スピードで向かってくるバラトゥース。

 その無駄の少ない動きは、バーニアも無しにそれに匹敵するスピードを生み出していた。


「マジか! この!」


 牽制として、キャノンを乱射するクラスレス。

 リロードにより魔力が減っていく。

 全て狙い通りの軌道だったのだろうが、ことごとくリペアシルクの材料と化す。

 30発は撃っただろうかと言うときに、距離を詰められ血塗られたロッドが振り下ろされる。

 それは避けられたものの、蹴りがクラスレスを襲いキャノンを取りこぼす。


「動きがでかすぎるのさぁ!」


 ロッドの猛攻を避けるだけで精一杯だった。

 それもすぐに力尽き突き刺さるだろうが、ケレスは限られた時間、思考を止めなかった。


 バラトゥースのロッドを持つ腕めがけ掴みかかる。

 一番の脅威であるロッドの突きであれば、これで防げると考えたのだ。


「小細工はやめな!」


 重心移動により、振りほどかんとするバラトゥース。

 思考のさらなる時間を稼ぐため、必死でしがみつくクラスレス。

 同じクラスレスのJOBだが、魔力はコンフィよりケレスが上だろう。

 しかし早いペースでケレスは魔力を失いつつあった。

 JOBを無駄なく動かせるのはコンフィだ。

 そしてバラトゥースのリペアシルクはケレスのクラスレスを取り込まんとしている。

 なにゆえか武装が出てこない今は、不味い状況のままであった。


そのときケレスは気づいた。

 一度に生み出せる武装の量に制限があるのではないか?

 既に生成した物は、パージされたらずっとそこに置かれたままなのか?

 もしかしたら戻すことはできないか?

 ケレスはこの3つに気がついた。


 ここまでパージしてきた物が、今この機体の周りにあるイメージを浮かべる。

 それで来た物は、最初のバーニアのみだった。

 距離が離れていないと転送はできないようだ。


「えぇい! 今はこれで!」


 次に還元を試す。

 これはすぐに効果がでて、バーニアが光になってクラスレスに戻る。

 そして数を2発に減らして威力を大きくしたミサイルを両肩に1機ずつ生成に成功した。


「ゼロ距離だ! 食らえ!」


 クラスレスごと爆炎がバラトゥースを包んで吹き飛ばした。

 こちらも大ダメージではあるが隙はできた。

 すぐに転がっている位置を把握し、武装を回収して対物ライフルを生成し、煙が晴れた後バラトゥースを確認出来た瞬間に連射を開始する。

着弾後すぐに還元しているため、何十発もの直径12cmはあろう弾丸がバラトゥースを襲い、鎧を剥がされたフレームをへこませていく。

「なっ・・・・・・この桃髪がぁ!」


 胸部に着弾したその瞬間。

 綿毛のような物がはじけるような音と共に、バラトゥースのあちこちから飛び出たのを見て撃つのを止めた。

コンフィが驚愕と絶望の声をあげる。


「バラトゥース!?」


 これも聞いたことではあるが、リペアシルクの塊が出たら強制的にシェムジェムに帰るそうだ。

 つまりケレスは無力化に成功したのだと思った。


「いや。なんだ。・・・・・・良い子だバラトゥース!」


 しかしコンフィは笑みを浮かべ、ケレスに通信を入れる。


「桃髪坊主! 良い物見せてやるよ。

『我答えたり! 汝、司るは紫電!

その位階は魔道士! 数多の知識を持って我と共にあれ!

 変われ! 凄まじき骸よ! バラトゥース!』」


 周囲の地面をリペアシルクが吸い取っていく。

 やがて増えたそれは繭を作り出す。

 そして繭が破かれたとき、底には先ほどとは別のJOBが存在していた。


JOBの具体的な大きさはまだ決めていません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ