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ケレス、腹を立てる

何か、大きな杭のような物が飛んでくる。

リーシュは何か解らなかったが、コンフィはそれが何か解っていたのですぐにその場から離れた。

最初の1発は明後日の方向へ飛んでいき爆発したが、それこそがケレスの狙い、バラトゥースが離れていくのでボルティーダが巻き込まれることはない。


その後連続で発射されたミサイルがバラトゥースを追尾する。

ケレスは動ける最低限の魔力を残し、全てミサイルの力に注ぎ込んでいるのでそのスピードは先のミサイルより速く、残っている武装は全て回収したので段数も十分であった。

振り向き雷撃を放とう物ならその前に全て襲いかかるだろうと見て、バラトゥースは反撃に転ずることができない。


リーシュはそれを好機と捉え剣に魔力を集中させ、やがて剣は青く光をまとう。

 そしてボルティーダは上段の構えを取り、バラトゥースを狙った。


「クリフ・セパレーター!」


 まっすぐ振り下ろし、巨大な水の円刃が地を駆ける。

 それはミサイルに気を取られていたバラトゥースの装甲を切り裂き、そこにミサイルが全て着弾した。

 爆炎にさらされ、砕けていくバラトゥース。


 黒煙が晴れたときバラトゥースから破裂音と共に、詰め込まれた綿が飛び出すように大量のリペアシルクがあふれ出た。

 シェムジェム外での修復は難しくなったため、自動的に内部へ格納される。


「助かった。ありがとう。」


 礼を言った後、ボルティーダがバラトゥースが消えたあたりへと向かう。

 気になったので、クラスレスで追いかけ、焦げた草原に入った所でボルティーダは格納されてリーシュが降り立つ。

 ケレスはリーシュへと駆け寄った。


 そこではコンフィが座り込んでいた。

 息が上がっていて服も少し焦げているが、その目は今もリーシュをにらみつけていた。

 念のためケレスはリーシュの前に出る。


「いい気持ちかい?

 あんたのお望み通り町はボロボロさ。うまく逃げたもんだね」


 リーシュは精悍な顔で聞いている。

 しかし事情を知ったケレスには、それが必死の強がりに見えた。


 未だに全てリーシュのせいにするコンフィと悲しさを隠すようなリーシュの姿を見て、ついにケレスは腹が立った。


「失礼。これは預からせていただきます。」


 乱暴にシェムジェムを奪い、クラスレスを呼び出しコンフィをつまむ。


「何をするか解らないから、こうさせて貰います。リーシュ。

 別の人が襲ってくるかもしれないから、ボルティーダに乗るんだ」


 クラスレスはコンフィを軽く握り、町へと歩いて行った。


「リーシュ、君が悪いはずがない。

 あの人達の勝手で、罪のない人達を巻き込みこの町は滅んだ。

 そもそも力があるなら盗賊を追い返して終わりのはずだ。今回、君は被害者でしかないよ。」


 道中必死に通信でリーシュのフォローをした。

 コンフィが何を思って毛嫌いするのか結局解らなかったが、もう知る気は失せていた。


(何に取り憑かれているんだか。)


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