high&low(廃案ドロー)
ボクは無差別殺人鬼だ。それだけ言えば、一を聞いて十を知るお前さんには、十分だろう。
十分だし——充分だろうね。
ボクの名前は他中圧死。ボクはだれのことだって差別しない。天の下に生まれしモノは皆平等であるべきだと思っている。否、天にいる神さえ差別してはいけない。人間と神様は、等しい階級だ。
——なあ、神。
ボクは、弱いものをいたぶるのは嫌いなんだ。というか、差別が嫌い。お前さんのような上から目線な自惚れた神から、ボクはヤろうと思う「
他中圧死はペティナイフを持ったままそう言った。
」わ、私に刃向かうというのか!? 無礼者め!!「」
「」あれ、神さん、キャラ変わってない?「
神は、キャラがブレやすかった。
」くそう、あともう少しでアカシックレコードを手中に収めることができたのに「」
「」急に知らない単語が出てきて、なにを言ってるのかわからないが——ここでヤるぜ「
と彼は言った。無差別なのに、神を差別した他中圧死はペティナイフの刃先をのど元の突き刺し、神を滅した。殺したのだ。その手際の良さには、慣れがあった。もしかすると、とある学生も、同じように、瞬殺したのかもしれない。
あれは赤西西志郎の仕業ではなかったのか。それを知るものは、殺された。全知の神は、死んだのだ。
偽りの神かもしれないが。
と、ふと、その死体の服装が学ランだということに気づいた。今更だが、自称殺人鬼は、彼がどこかの学生さんだと気づいた。
名前を神神谷ということは、知らないまま。まるで、モブキャラのように、神を瞬殺してしまっていたのち、他中圧死は、この町を徘徊する。目的はなく、歩き回る。
差別しない——つまり、弱いものを狙わない。女子供を狙わない。病人を狙わない。貧困に喘ぐ社会的弱者を狙わない。童貞を狙わない。それが、彼だった。
狙わないことが差別だと気づかないまま。
そもそも、神が、何者なのかさえ、わからない。神は、神だったのか。それとも、ただの人だったのか。学生さんだったのか。そんなこと、どうでもいい。
彼はただ、ヤりたいようにヤっただけだ。
それがたとえ、人ならざるモノだとしても。
神が上だと思ったから。
」




