第17話 王都へ
―――――妖精族 族長 ティターニア様へ―――――
お久しぶりでございます。アースティア王国 国王 アルバート=アースティアでございます。この度はお願いがあり親書を送らさせていただきます。
1.今回の内乱に対して、王都に住む国民の保護
2.国民の避難が済むまでの王都防衛
3.勇者召喚された者たちの保護
4.私の妹たちの保護
2.勇者召喚については、貴族派が召喚するのと同時にこちらでも行います。貴族派に利用される者を減らす為です。貴族派の方に召喚された者については出来る限りこちらでも対応致します。
これらのことをお願いしたく思います。
それと私情で申し訳ございませんが、義弟のことよろしくお願いします。レンは必ず戻ってくるでしょう。その時に私が生き残っているのかは分かりません。だからレンに伝えて下さい。もう背負わず自由に生きろともう苦しまなくてもいいと。
申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い致します。
アースティア王国 国王 アルバート=アースティア
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俺はティアから渡された親書を読み終わり、考えていた。俺たちが動くことで国民は守ることができる。しかし国を守ることが出来ない。何か良い方法はないのか…。待てよ。アルが俺のことが分かるということは、本来の地位に戻してもらったら打開できる。
「ティア、ルーネとカイルを呼んでくれ。」
「分かりました。誰か近衛騎士団長と軍隊長を呼びなさい。」
俺は今思い付いたことを行動する為に、部隊を率いる隊長を呼び出した。 近衛騎士団長のルーネは、長い金髪で耳が尖っている。容姿も綺麗で、誰が見てもエルフと分かる。軍隊長のカイルは、背が低く丸こい。しかし見た目に反しギルド内では、トップクラスの実力の持ち主だ。
「閣下、お待たせ致しました。ルーネ及びカイル、ここに。」
「お前達2人にお願いがある。ルーネは近衛騎士団を率いてアイリス王女の護衛で俺と王都に行ってもらう。カイルは第1〜4部隊を率いて王国軍に合流しろ。そっちにはティアに行ってもらう。俺も出来るだけ早く合流出来るようにする。それまで頼む。」
「「了解です。」」
2人が元気に返事をする中、1人片隅で拗ねているティアに声をかける。
「ティア、部隊を守る為に頼む。全員が無事に戻る為にはこうするしかない。」
「分かりました。帰ってきたらお願い聞いて下さいね。」
「わかった。」
俺が返事をすると喜んでカイルの所に行った。
「アイリス王女殿下、お待たせ致しました。王都へ向かいましょう。」
「えっ。いいのですか?」
「はい。陛下の依頼をお受けいたします。」