第15話 迷いの森⑤
更新遅くなりごめんなさい。
「この時代の自分たちと融合した私たちは、話し合いました。私たちが行なった事は正しかったのか…。ただ勇者様を苦しめただけでは…。答えが出ないまま数ヶ月が経ちました。そんなある日、1人の少女が私たちの元に現れて、『異界の勇者が現れる時、【星天の剣】の力必要になるでしょう。』この言葉だけ残して消えました。そして私たちは、その言葉を信じて勇者様の信念に従いこのギルドを作りました。」
ティアの言葉が終わり、伝えなければならないことがあるのに言葉が出てこない。言葉が出ないかわりに仮面の下から涙が流れてきた。
「レン様、私たちの元に戻ってください。そして導いてください。かの異界を救った時のように。」
その言葉を表すように、俺の目の前にかつての仲間たちが現れる。
(どこかで話を聞いていたのだろうか?
それともティアが呼んだのだろうか?
俺は再び彼女たちと歩いていけるのだろうか?
今度は間違った選択をしないだろうか?)
『レン様なら大丈夫ですよ。私たち2人が認めた勇者様なのですから。』
『お父様、私たちの世界を救ったように出来ます。みんなが一緒ですから。』
シャルとアリシアの声が聞こえる。そうだ。俺は2人の為に頑張ると決めた。ここで悩んでいても変わらない。俺は間違った選択を正す為に戻ってきた。だから再び彼女たちの上に立とう。彼女たちもそう求めるのなら。俺はそう決めると仮面を外して、王国式の白い軍服に変える。容姿も大人の姿に戻す。
「俺は確かに異界を救った。だがその後に間違った選択をした。人としたら間違っても仕方がない。そういう生き物だ。しかし勇者としては間違ってはいけなかった。それを認められず君たちを傷つけた。謝っても許されることではない。だけどもう一度俺共に戦ってくれるなら、君たちからの期待を行動で応えよう。」
俺の言葉を聞き涙を流す者、見定める者、様々な反応を示しているが、全員が俺の次の言葉を待っている。
「これより【星天の剣】に所属する者たちは俺の指揮下とする。異論はないな。これよりこの世界を救う。」
「「了解。」」
全員が揃って返事をする。俺たちは世界を救う為に色んな無茶をするだろう。しかし最終的に守りたいと思ったものを守れたらそれでいいのだろう。俺たちは人なのだから。