第13話 迷いの森③
自己紹介が終わってから数分後、俺はアイリスと共に騎士たちの治療にあたっていた。騎士たちは俺とアイリスの会話が聞こえていた為か、畏まった感じで話してきたので普段通りでいいと伝えた。そして亡くなった騎士たちの遺体を埋めて墓を作った。遺体を運ぶことが出来ないので、家族たちには身につけていたものを持ち帰って伝えるらしい。5人で供養したところで気になっていたことを聞いた。
「少し聞いても良いか?なんで少数の騎士を連れて、アイリス妃殿下が迷いの森にいるのだ?こんなところ強い魔物がいるだけだぞ。」
「それは、「アイリス妃殿下!部外者に話してはいけません!」」
アイリスが答えようとした時、イケメン騎士君が止めた。
(確かに部外者に話したらいけないことかもしれないが、大声で言うことか?魔物に気づかれたらどうする…。)
「大丈夫ですよ。カリオス、彼は部外者ではないですよ。」
「何を根拠に言っているのですか!もし伝えて妃殿下に万が一のことがあったら陛下にどう伝えたらいいのでしょうか!」
「私に万が一のことはないでしょう。彼の所属は【星天の剣】ですから。「なっ。」レン様、申し訳ございません。このようなことをバラしてしまって…。」
アイリスは他の騎士たちに所属をバラしたことを謝ってきたが別に良い。本来の地位がバレなきゃどうとでもできる。
「別に隠すようなことでもないし、別に良いですよ。」
俺がアイリスの謝罪を受けているとカリオスが質問してくる。俺は面倒になってきて黙っているとアイリスが答えた。
「待ってください!あの【星天の剣】ですか?王国の守護者と呼ばれている。」
「そうです。【熾天の剣】と対になるギルドで王国の危機を何度も救い、所属する冒険者は高ランクだけという噂です。あとは通常依頼を受けず、国王陛下の命でしか動かないと言われています。」
(よく調べてあるな。間違いの部分があるがそのままにしておこう。そのほうが都合が良い。)
俺はそう考え、アイリスの話を肯定しようとしたら背後から現れた者に否定された。
「アイリス王女、それは間違いです。私たち【星天の剣】に属する者は国王陛下の命で動くのではなく、【星天の剣】のトップ【星天の王】の命令でのみ動くのです。」
そう言って現れたのは、15歳ぐらいの女の子で背中に4枚の透明な羽根がある。見た目は子供だが、強さは見た目以上だろう。
「妖精女王 《フェアリークイーン》ティア…。」