熊さん、あっちに行って
俺は川の中を泳ぎながら山を抜け出した。
ただ流れに沿って泳いでるだけなんだが
すごい気持ちいい~
そういえば俺は人間の時は泳げなかったなぁ
水の中を自由に泳ぐのってホント気分がいい。
コレなら外敵もいないし、人に発見もされにくい
川には外敵は居ないけど、海には危険なの・・・居るよな
けど、一番怖いのは人間だ、俺はこの姿になって人間が一番危険だと思い知った
俺は改めて海にでる決心をした。
まぁ海じゃなくて湖とかに出たらほぼ終わるけど・・・
そんな事を考えながら泳いでいたら目の前が真っ白になった。
えっ?なになに、どうしたんだ
「突然変異の者よ・・・」
何も感情が感じない機械的?な音声に感じる声が聞こえてきた。
「暫く見ていた、ヌシのソレはこの世界では許容できない」
何だコレ、神様とかそういう奴?ますますファンタジーだな
でも、この状態は俺が望んだ?というか、俺がやったわけじゃないぞ
「ソレの原因は定かではない」
俺は頭の中で状況を理解しようとフル回転だ
言葉が出てこない、何を話したらいいのかも分からない
「予想としては、他の世界の動物がこの世界に紛れ込み」
「この世界の理と混ざり、そのような事態を起こした可能性が高い。」
世界が他にもあるとか、非現実的だな
そんな俺自体が今、非現実的な状態なんだけど
「ヌシは、この世界ではあってはならない存在だ。」
「この世界の理を壊しかねない。」
「ちょっと、待ってください。この状況は俺が作ったわけでは」
焦った、俺は自分が消されると思い咄嗟に声がでた。
「落ち着くがよい、別にヌシ事態を排除するわけではない」
「この世界では、存在してはならぬというだけだ」
「でしたら私は、人に戻してもらえるのですか?」
「それは、また無理だ、不可能ではないが無理だ」
「人間のヌシは死んだ、ヌシは意識だけソレに居るようなものだ」
「そして、完全に死した者を生き返らせるというのもこの世界の理に反する」
「よってヌシは、別の世界に行ってもらう」
は?別の世界って・・・
「その世界は、この世界とまったく理が違っておる」
「そこならば、ヌシの死体があっても問題にはならぬ」
「死体!やっぱり殺されるのですか?」
「生きるものはいずれ死を迎える、それはこの世界も向こうの世界も同じ」
「この世界で死を迎え死体が発見されれば問題だが、向こうの世界では問題にならぬというだけだ」
「では、まだ生きていられるのですね」
「向こうの世界の環境でどうなるかはわからぬが、我は何もしない」
「何もしないが、先ほども申した様に、理が全く違う」
「どの様に向こうの世界の理で今のヌシが変化するかは不明だ」
「返事は要らぬ、すでに転送した、その世界ならばヌシの存在は許される」
「えっ?その世界ってどんなのですか?」
・・・返事がなかった。
すごい一方的だ、俺自体には何の感情もないって感じだ
様は異物は邪魔だから居なくなってって事かな・・・
何だよソレ・・・
真っ白になっていた視界が戻っていき
辺りは、また同じ水の中だった
さっきのは何だった?
あちらの世界とか、幻聴?あまりにも非現実的すぎておかしくなったのか
とりあえず俺は水の中から顔を出してみた。
ここは森の中?かな至って普通だ、なにか別の世界的なモノはない
普通の木に普通の川、川の水も綺麗ではあるが普通だ
さっきの出来事が何なのか分からないが
確認するしかないかな・・・
川からあがり、周囲を調べることにした
お、お、お・・・・
俺の手がある、足もある!
あ、熊の時も手と足はあったけど
これは人間の手と足だ、俺は人に戻ったんだ。
今までのは、もしかして全部夢とかだったのかな。
ここを出て、もう馬鹿な事をするのは止めようと俺は決心した。
一生、野生生活は勘弁して下さい。
やっと異世界に行きました。
次に繋げるために後半の内容がかわりました。