出来ない先輩
「ちょっと、先輩?」
「……………」
「怠惰先輩…!」
「あーはいはい分かった分かった、行くから!……ちゃんと起きれたら行くから。」
「最後の一言いりませんっ!」
これはもう1人の先輩、【怠惰】だ。正直言って私はこの人を先輩として認識してない節がある。この人は第4兵団【凪】の兵長だが、朝の訓練には遅れてくるわ、勉強も出来ないわと_他にもあるんだが_とにかく絶対になっては行けない人の筆頭格だ。本当に【凪】の人が可哀想だ。でも、一応先輩だから敬わなくてはいけない。
◆
「あの、先輩。30分遅れてます。」
「あ、そ。大丈夫大丈夫バレなきゃ犯罪じゃない」
「そーいう問題じゃなくてっ!」
◆
「はぁ...起きてください。」
「ん........あと5分……」
「駄目です、起きてください。」
「…………」
「……本当に5分だけですよ?」
<5分後>
「はい、5分経ちました、起きてください。」
「んーはいはい………」
「……いいから起きろ(怒)」
◆
<結論>
フォールハイト先輩はやっぱり駄目な人である。
◆
「はぁ……くっそ重い…なんでっ…!こんなことっ(泣)」
「ん、大丈夫~?」
「…冷やかしはっ…!結構…!ですっ…!」
「おぉ、おぉ怖い怖い。運ぼうか?」
「……ぇ」
「はいはい、ボーッとしてないで行くよ~」
「は、はいっ…!ありがとうございます……」
◆
<再結論(仮)>
……先輩、実は意外といい人かもしれない。
◆
「ね、先輩...」
「んぁ?」
「先輩、『意外と』いい人なんですね♪」
「ぉう、ありがとう……ってちょっと待てぃ!『意外と』って何?!ねぇ、なにそれ?!」
「先輩は『意外と』がつかなきゃ先輩じゃないんです♪」
やっぱり私はこの先輩の事も好きだなぁ……
あ、勿論loveじゃなくてlikeの方だぜ?