第六話 言質
魔法師長。
総ての魔法師を纏める者。
あらゆる魔法に深い理解を持ち、ある程度の力を持たなければならない。
魔法師長といえば魔法師の中でも最強に近い。
クラウスは最年少の魔法師長。
美月の感想 うわ〜チート!
「最強!?」
「最強に近いとは言えども、僕をボコれる友人がいますし、一般的観点だということを忘れないで欲しいです」
紅茶に砂糖を入れる。クラウスが一瞬美月の手元を凝視した。
「だから、友人って何者さ」
「この国一番の魔力量を持つ公爵家令嬢」
「どんなお嬢様だよ」
完全に遠慮が消えてしまった。
「そうですね、お人好しの優柔不断。その癖意地っ張りの暴走屋、頭が良いのに馬鹿な人です」
そう言って憂い無くふわりと微笑んだクラウスから後光が見えた。
憂い顔も破壊力が凄かったが笑顔も凄い。天使ですか?と美月は聞きたくなった。
……ものすごくその人に会いたくなってしまったではないか。
「じゃあ、半年の内に会わせてよ(恋愛ウォッチング来たー!)」
ニヤッと笑って言うと、クラウスの目が真ん丸に見開かれた。
「ありがとう、ございます……!!」
あ。これって、半年ここに居るの肯定しちゃってる。
‥‥ま、いいか。
還れるなら。
美月は頭が悪いです。