表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アーネ王国勇者伝  作者: 鈴宮 風花
第1章 異世界召喚
14/16

第十一話 願い

忙しい。ある意味のデスマーチ!

と言う訳で遅くなりました。

「味噌汁を。味噌汁を毎晩飲ませて下さい」


 迷って出てきたのはそんなこと。

 脳裏に浮かんだのは二人の弟。いたずらっ子で優しい自慢の家族。

 美月の両親は共働きで、あまり子供に感心がある方ではなかった。姉弟が『暖かな家族』に憧れるのは自然な流れだろう。


 勿論あまりないだけで、愛情なく育ったわけではなかったのだが、他の子の当たり前が与えられないのはかなりキツイものだ。ただその劣等感は夜鷹高校に通いだしてから霧散したが。


 美月は幼いころTVで見た家族番組を覚えている。

 学校のこと、今日あったことを楽しそうに会話しながら味噌汁を飲む。その姿に憧れ、洋食メインの食卓を和食にチェンジし、幼稚園から帰って来た弟達の話を聞くようになった。ときたま早く帰って来る両親も笑顔が増えた。


 家族らしい家族になれる魔法のスープ。


 美月にとって味噌汁は米よりも大切なソウルフード(スープ?)なのだ。


 白雪はそもそも味噌あるのかしら……と今更なことを呟いていたが、漬物も伝わっているのだ、あっても可笑しくはないと思う。


「えっと……どういうものですか?」

 首を傾げるクラウス。あざといが可愛い。

「スープみたいなもので大豆から作られる味噌が溶かされています。野菜がたくさん入っていて体に優しいですよ」

「味噌あるかしら」

「……探してみます」



「そういえば、﨑ノ宮さんは何を願ったんですか?」

「この国最高の教育を受ける権利。人数分願ったから」

「……真面目ですねぇ。私考えもしませんでした」

「知識は武器よ。武術と悩んだけれど……」


 妖精姫はリアリストだった。

 美月はイメージとの違いに戸惑いつつも、尊敬の目を向ける。


「それにドラゴンとかいたら浪漫じゃない、妖精とかエルフとか。本で出てくるかも、教師として来るかも」

「私の感動と尊敬を返せ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ