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小包

少年ブラウンと王都グレー

王都の路地裏で大きな水溜りで水浴びをする灰色の鼠を拾い上げ腕に乗せ家に連れて帰る茶髪の少年がいた


気のせいか人や建物がいつもより淡い淡白な灰色に見える気がした


正確にはいつも灰色ではないから見えるものが灰色になったと考えるべきはずだが細い事はどうでよく見えるものに灰色が多いというのが大きな括りで正論だと整理した


こういうのを画一化というのかなんて格好つけて言ってみようと思ったりもしたけれど大した学がない自分が言って周りから阿呆扱いされるのも嫌だったから率直で奇をてらわず空気になれる一言を選んだ


「今日はなんだかどこも灰色だな」


我ながら感想としては良く独り言のつもりで言ったが周りには聞こえてたらしく少年の茶色さが逆に非難を浴びた



色ぐらいでどうこう言うのも変だが言われてみれば周りすべてが灰色なのに自分が茶色いのは変だと徐々に思う


それと同時にますますこのグレーな街並み、人、動物に対する違和感と不安が少年にグレーを勧めてくる


少年にとってはグレーだろうがブラウンだろうが、生きていくのに関係なくただ周りとの距離を縮めるだけであるがふと気づく


首元までグレーに侵略されてきたところで空を見た


なんの脈絡も無かったが上を向いて流れる雲を見えない太陽をしっかりと目に焼き付けられはしなかったが少年の目は確かにグレーでない雲、空、太陽を認識した


首元のグレーは足元を離れて少年をブラウンに戻す


そして再び歩き出す


しかし、太陽がグレーにならないのを確認したことは大した発見ではないし何の解決にもならない


グレーになっても死なないしグレーにならないものも存在はするってことだけで今の状況を綺麗にできない


「とりあえずうちに帰るか」


どうせ家の中もグレーだと思っていたがいつもと変わらぬ目に優しい電気がつき安心感をくれる


今日はいつもより電気の功績は大きいと思いつつも他の家も気になった


覗いてみると他の家も外からはグレーでやはり中に入らないとわからないようだ


取り敢えず今日は寝て明日の色に期待してみることに





翌日


期待通りならば街はいつもの街のカラーというものがあると思うのだがどうだろう


「グレーが空まで伸びてきてる」


そんな一言と同時に襲いかかるグレーと少年ブラウンの孤独な戦いが始まる


広大な王都をそして世界をグレーが覆い尽くすまでに進行を止められるのか

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