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ケモノテスト  作者: ヤタ
2章 獣修決戦!!
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獣修決戦

2章入りました。

 5月の初め。

 まだ春の陽気が残っていて暖かい時期だ。

 今日も快晴と天気が良く、こんな日は昼寝するのにちょうど良い。


「ちょうど良いのはいいが授業中は起きろ」


「「いて!」」


「ったく、2人で仲良く寝やがって」


 寝ている僕と、僕の頭で寝ているユキを同時に叩いてきたのは隼人のお兄さんでもある僕らの担任の東野先生だ。


「あ、そういえばみんなに話しておかなければいけないことがあったな。寝ているほかのやつらも起きろ」


 まあそんなことで起きる優等生はこのクラスにはいない。

 3分の1くらい不良だし……


「修学旅行のことだが……」


「「「なんですか先生!?」」」


 みんな起きたよ……

 まあ楽しみなのは分かるけどさ?

 不良が修学旅行楽しみってのはどうなの?

 敬語もきちっとしてるよ……


「毎年恒例なんだが、行き先はみんな一緒だけどその内容がクラスによって違うんだ」


 内容?

 どういうことだ?


「例えば宿泊が高級ホテルからカプセルホテルになったり」


「「「!?」」」


「ほかにも食事のランク、クラスによっては松坂牛がオージービーフになる。」


「「「!!?」」」


「先生、そのクラス決めはまさか成績順…つまりこのクラスはカプセルホテルランクなのか?」


 質問をしたのは隼人だ。

 だれも気にしないだろうに先生が兄なのを知られたくないらしい。


「いや、そうではないよ」


 よかった〜。

 正直楽しみな修学旅行が台無しになるとこだったよ……


「それをどうやって決めるかの話だ。いいか?まず結論から言ってこのクラスはほぼオージーランク決定だ」


 台無しになったよ……

 安堵から真っ逆さまだよ……


「なぜなら、クラス対抗のケモノテストで決めるからだ」


「ふざけんなよ!そんなのこのクラスは馬鹿しかいねえんだから無理に決まってんだろ!」


 クラスのリーゼント君が叫んだ。

 リーゼントっているんだ……


「そんなのを先生に言ってもしょうがないだろう。文句があるなら学園長に言ってこい」


「っ……」


 まあただでさえ素行不良なのに、これ以上暴れたら退学にされちゃうよなあ。


「ということで、詳しいことは今から配るプリントに書いてあるから各々確認しとけ」


「獣修決戦か……」


 このままだとまずいよなあ。


「……」


 あ、結城さん。

 なんだかしょぼんとしてる……

 ここは結城さんのためにもなんとかしなくちゃ!


「隼人」


「なんだ?宮」


「あのさ、やっぱりせっかくの修学旅行を台無しにはしたくないしさ、これを機にクラスのまとまりも深めようと思うんだ。まあそのつまりだ……」


「あの可愛い結城さんを喜ばせてあげたいだな。分かった分かった」


「んな!!?そんなこと言ってないだろ!///」


「はいはい了解了解」


 くっ……なんか隼人に貸しを作ってるみたいで気に入らないな。


「おい!クラスの連中、ちょっとこっちに向け」


 教卓に立った隼人がみんなを注目させている。


「みんな修学旅行はこのままでいいと思っているか?」


「「「んなわけあるかあ!!」」」


「よし、ならばここはクラスで団結しなければ話にならない。いっちょ天辺とってやろうぜ」


「「「おおう!!!」」」


 あいつはまとめやくとかに結構向いてるな。


「でもどうやって戦うんだよ。どう考えても正面からだとボコボコにされて終わるぞ」


 おっと、クラスメイトが話し合いにのってきた。


「そこは俺に考えがある、任せておけ。それに確かにこのクラスは知っての通り馬鹿の集まりだ。宮を論外にしたってみんな馬鹿だ」


「論外ってどういうことだよ!そんな馬鹿でもないぞ!」


「そんなのは知っている。だからどうするんだよ」


「あたりまえの周知のように言わないでくれるかな!?」


 出会ってまだ間もない、ただのクラスメイトのくせに言ってくれるじゃないか...…


「ただこのクラスには1人例外がいる。結城、おまえだ」


「わ、私ですか?」


「ああ、勝手で悪いが悠太に結城の成績を調べてもらった」


 さすが影の薄さならだれにも負けないな。

 情報取集はおてのものだ。


「ついでに忠告だが、スリーサイズ等も調べられてたので身の周りには用心しといたほうがいいぞ」


「やつをころせえぇぇ!!!」


「「「おう!!」」」


「!?…シュンっ」


 ちっ…消えたか。


「す!すすすりーさいず……///」


「ったく悠太にも困ったものだね。大丈夫だよ結城さんやつにはそれ相応の罰を与えておくから。まったく……そういうのを独り占めするとはなんてやつざきにされるうぅ!」


 雲母の目が怖い!

 てかその手に持ってるのはなに!?

 ギラって光ったよ!

 明らかに刃物だよ!?


「本題に戻るぞ。そして結城の成績だが、1組の平均を軽く凌駕(りょうが)している」


 1組を軽く凌駕!?

 それは凄すぎることだぞ!

 もしかしたらあの生徒会長をも……


「分かったか。つまり結城はこのクラスの最終兵器(ウェポン)だ。これをうまく作戦に練りこめば勝利への道が見えてくる」


「これはいけるかもしれないぞ……」


「ああ、勝てるかもしれない!」


 ただのクラスメイト共も結城さんの魅力が分かってきたようだな。

 これからは変な虫がつかないようにしないと...…


「作戦は後日また報告する!では解散!」


「「「イエッサー!!!」」」


 サーじゃないけどな……


「やったね隼人。うまくみんなをのせられた」


「こんなのあたりまえだ」


「でも本当に作戦なんてあるの?」


「ちゃんと考えてあるさ、安心しろ」


 ならいいんだけど……

 でもなんか嫌な予感がする。

 ……主に僕の身体の。

しばらくこれで続きます。

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