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異世界冒険にチートとかいらないんで(仮)  作者: happy キノコ
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異世界チュートリアル【前編】

俺はひどく驚いた。


なんと、声を聞いただけで、俺は彼女の名前が漢字でわかったのだ。それに声が頭に直接響いてくる。


俺の驚きが伝わったらしく、彼女はこちらを機械の様な無機質な瞳で見つめながら言った。


こちらの世界(・・・・・・)での”会話”は、外からいらした方々の世界の会話とは異なっております。外からいらした方々の世界では、『人は空気の振動で意思疎通をはかる』と伺いましたが、ここでは考えを直接相手へと伝えます。」


ここは異世界なんだな、とはっきりと納得できたが、生前の記憶がある訳じゃないけど、やっぱりなんだか違和感を感じる。


「幾つか質問をしてもいいでしょうか?」


「私に答えられることでしたら、いくらでもお答えします。私は案内人ですから。」


「私は何をすれば良いのでしょう?」


神を名乗る者は何もろくに喋ってくれなかったので、俺は本当に全く何もわからない。


「貴方様には宝玉を集めていただきます。宝玉は貴方様にとっての試練をくぐり抜けるたびに手にはいり、全部で7つございます。試練は最初の試練以外は1つの試練が終わるごとにその内容が明らかになります。最初の試練はもうすでに貴方様は御存知のことでしょう。」


なるほど、俺は確かに最初の試練が何かずっと昔(・・・・)から知っていたかのようにわかっているようだった。


そういえば、さっき”会話”の話をした時に思ったがこの世界と俺の元いた世界はどれぐらい違うのだろうか?


「他にも私のいた世界とこの世界の違ったことは、あるのでしょか?」


「幾つかあると伺いました。しかし、私は外の世界からきた方から、少し伺っただけでございますので、具体例をいくつもあげることはできません。」


「では知っている事柄だけでいいので教えてくれませんか?」


「”会話”以外ですと、外からいらした方の世界は自然と年をとると聞きます。」


「ここでは年をとらないのですか⁈」


「出来ますよ、望めば若くなることも反対に老いることも。」


詳しく話を聞くと、ここでは年齢増加または減少の儀式をしてもらうことで見た目の年齢を自由に変えれるそうだ。


また、儀式とは何をするのかと聞くと、それぞれの都市の聖者(この世界の聖職者みたいなものらしい、彼らが神の指令を聞き、いろいろな仕事をしたり、俺ら”外の世界からきた者”をサポートするらしい、麗華も聖者だそうだ。)が加護をかけてくださるのだそうだ。どうやら、異世界では俺の常識?(いや、いわゆるエピソード記憶がないのだから常識ではないかもしれないが)は通用しないようだ。

そこまで聞いて俺は質問を変えた。


「私以外にもこの世界に来た人がいるようですけど、どれくらいいるのですか?」


「外からいらした方々で、今この世界にいらっしゃる方々は、全部で、約10億名ほどいらっしゃいます。」


「⁈…10億⁉︎」


予想していない数字でつい驚きが口に出てしまったが、情報収集のため俺は質問を続ける。


「神に願いを叶えてもらった者は、どれくらいいるのですか?」


これは俺にとって重要な質問だった。何故ならば、1人もいませんとかであれば、ここに来た意味がなくなるからだ。


「だいたい……一万人ほどの方々が、願いを神様に叶えていただいた、と伺っております。」


(この一万人を多いとみるか、少ないとみるか……どちらにせよ、まったくの無理難題というわけではないようだ。)


だが、気になることは他にもある。


さっき麗華が言っていた、貴方様にとっての試練、という言葉だ。


どうも言い回しから推測すると試練の内容はそれぞれ人によって異なるようだ。


(難易度に大きく差があるのではないか?)


「試練の難易度は、人によって大きく異なるのでしょうか?」


そういえば、彼女はさっきから、ピクリとも動かずにこちらを見てくる。


少し、気味が悪い。


麗華は俺の質問に淡々と返答を返す。


「特別なことを除き、どのような方も、願いを叶えていただける難易度に、大きな差はございません。」


「特別なこと、とは?」


「特別任務のお達しが、神様から頂いた時です。その場合、難易度は高くなりますが、その任務での活躍に応じ、場合によりましては、宝玉を複数いただけることがございます。」


「なるほど」


今聞いた情報から分かったのは、死んでいく人数がどれだけいるかはわからないが、多分比率を考えると低くなりそうだ、ということだ。


何故ならば、もうクリアしている人が一万もいるということは、それなりにこの世界に最初に呼ばれた人達が来てから時間がたっているからだ。そして、なぜか把握している試練の内容から推測すると、人によって難易度に差があまりないなら……一筋縄ではいきそうにない。


麗華は右上の虚空をちらりと見て


「申し訳ございませんが、質問はここまでとさせていただきます。この後、案内する方がいらっしゃるのです。以上でよろしければ、後は私が最低限貴方様に伝えなければならないことのみ伝えさせていただきます。質問は、後日聞きに来ていただければお答えします。」


「いいですよ」


最低限しか聞けなかったが、後で聞きにくるか、自分で調べよう。


「では、まずはこのようにしてください。」


そう言われるとどのようにすればいいのかが伝わってきた。


違和感を少し感じたが、伝わってきたのと同じようにやってみた。


感想としては、身体を動かさないでなにかするとうのは……ちょっと奇妙な感じだ。


その奇妙な慣れない感覚で何かをしたとおもうと、空中にザーッと文字が広がっていった。


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