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案内人
今回は短めですが、次は長いです。そして次はすぐに更新します。
目を覚ましたら、私……俺は、床も壁も天井も、すべてが水晶のような物でできた小部屋に立っていた。
正確には、目を覚ましたのではなく、ボーッと立っていて意識がだんだんはっきりしてきたような感覚であるが。
水晶のような壁には自分の姿が映っている。黒いスーツを身につけた落ち着いた雰囲気の20前後くらいの年格好の青年。
映っているのはそれだけであったはずだった。
しかし俺が部屋を見渡そうとし、後ろを振り返ると、すこしだけ離れた場所に、赤と金の2色で構成された荘厳華麗な扉があり、その前に、髪の長い冷たい雰囲気の、一人の女がいた。
女は俺と目が合うとおじぎをする。
「ようこそいらっしゃいました。私がこの世界を案内させていただきますーーー麗華と申します。」