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超短編

白というもの。

作者: しおん

彼女を色で表現するのなら、それは紛れもなく白だった。


まだまっさらな何色にでも染まっていく可能性が広がっているそれは、原石を彷彿とさせる。


何か強い衝撃があれば、その白は失われ、やがて無数の彩が生まれてくる。


それは人によって、時期も、色合いも、大きさも違う。個々人の中にある個性そのものが、そのキャンパスに写されているのだ。つまるところ、その色味がない彼女は全くと言っていいほど、個性というものが乏しかった。


神や聖母のような"やさしさ"を必要以上に持ち合わせているだけで、それは彼女にとっての正しさでもなければ、悪でもない。ただ、あたりまえのことなのだ。


彼女のやさしさは、底が深いツボのように何人をもその中に受け入れてることができるが、決してそれに染まりはしない。きっと、心境を変化させるような衝撃も、そのやさしさの中にうもれていってしまったのかもしれない。


一般的に白は可能性に満ち足りた、清純なイメージを彷彿とさせるようだが、なぜか私には白という存在が、つかみどころのないひどく不安定な形容し難いものに思えてならないのだ。



読んでくださって、ありがとうございます。


感想などいただければ幸いです。

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