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友人Tの名言より

 以前書いていた似非エッセイなどにも度々登場している友人T。T氏は、何と言うか……名言の宝庫なのです。で、その名言集から、最近目のものを一つ。



「『時代は廻る』って、本当だよね」


 T氏の自宅でY〇uTube観ながら宅飲みしていたら、家主が突然そんなことを言い出しました。

「突然どうしたん?」


 首を捻る私の言葉に、T氏が溜息を吐きます。


「モナ・リザってあるじゃん?」

「うん」

「まあやっぱり、美女じゃん?」

「? うん」

「あの顔、よく思い出して」


 ……なんでしょう。この段階で私の頭は疑問符で一杯です。首を傾げつつ、あの静謐な、それでいて人々の視線を奪う魔性を秘めた、強い磁力を放つ神秘の微笑みを脳裏に浮かべました。うむ、大変美しい。


「……はい。思い浮かべました」


 私がそう言うと、T氏が続けました。


「涙袋、凄ない?」

「……ちょい待って、もう一回よく思い出すから」


 ……確かに、私の想像の中のモナ・リザの目の下はぷっくりと脹れております。けど、どうしたの急に!?


「職場に行く途中にさ、看板があるのよ。それがさ、モナ・リザの目元のアップで。その前を通ってて、ふっと気付いたわけ。『いや、涙袋凄いな!』って。ホラ、今って『涙袋メイク』流行ってるじゃん。古典絵画の頃にも流行ってたって事でしょ?」


 エウレーカ! 聞けばその道は、私もお散歩等で時折通る道です。流石は気配りの鬼・T氏、そんな看板に気付きもしない私と違って、その優れた観察眼で看板から歴史の波を感じていたのですよ。モナ・リザのはメイクじゃなかろうもん、とツッコんではいけませんよ!


「いやー、もうね、『俺じゃなきゃ見逃しちゃうね』!」

「お、おう……」



 まさか、こんなに正しいタイミングでテンプレを聞く機会があるとは思いもよらず。油断していて、つまらない相槌を打つのが精一杯でした。


 雨ニモマケズ

 風ニモマケズ

 日々ヲスルドクミツメ

 八番出口ノゴトク

 オモシロオカシイモノヲ

 ケッシテミノガスコトナク

 サウイフモノニ

 ワタシハナリタイ

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