ごっこまんの140字小説集⑨
ごっこまんがX【https://x.com/gokkoman】で発表している140字小説のまとめ
今は亡き隣国の国境に、闇の打ち寄せる浜がある
打った闇が引く度に、浜の生物相は変化した
この浜に独り、年老いた鍛冶師が野ざらしの金床に向き合っている
鉄を熱し、打ち、闇の波に浸して冷やすと、剣は生々しく脈打ち、瞬きをし、口呼吸した
「闇は無明」
と鍛冶師
「無明故に作り手の恐怖を象る」
――闇打ち際の鍛冶師
・
今日から使える関西弁講座の時間や
“〜してしまう”という意の“〜てまう”
これ実はな、“〜て、舞う”っちゅう意味やねん
「惚れてまうやろ」言うたらウッキウキで小躍りすんのが関西流
Wエンジンのチャンカワイはんは漫才終わたら舞台袖でオドループや
「捨ててまうで」言うたオカンも断捨離カーニバルや
――死んでまうは盆踊りや
・
【怪物が暴れているルン!早くマジカルホイッスルで魔法少女に変身ルン!】
「いや俺、男…」
【良いからさっさと吹くルン!】
『キャアア!』
「あーもうわかったよ!ピィー!」
突如閃光が街を包む
老若男女全員が魔法少女に変身する
少年を除いて
【ホイッスルで指令するルン!】
「女だらけのソシャゲ?」
――俺以外
・
「夕焼けが山際と雲の隙間から差して、雲の底で黄昏色と曇りが縞模様を織っているよ」
私の声は、彼の目の代わり
『黄昏色?』と彼
「鬼灯の実に似てる」
と私は触れれる物に喩えてみる
好きです
あなたに読めないXに想いを流す卑怯を恨んでください
読み上げ機能を失念した愚かさを忘れてください
――ヒロイン気取るんじゃなかった
・
Q.炎属性付与に適した装備、5つ答えよ
「剣は抜いた瞬間、目眩ましになるんだよ」
◯
「鎖鎌。やっぱブン回せるし」
◯
「矢を忘れちゃいけないよ」
◎
「鎧。冬はぽかぽか」
✕
「あれ?」
「竜人族特有の感覚だろうが、それは」
「人種差別反対〜」
…◯
「盾。押し焼きにも、ホットプレートにも」
◎
――異世界ファイブボンバー6
・
Q.水属性付与に適した装備、5つ答えよ
「ごめん、水筒」
◯
「ざけんな!…タバコ?」
✕
「シーシャも知らねえのか!水筒が良いなら良いだろ!」
✕✕✕
「…あ、槍だ!棹になる!」
…◯
「鎧。沈みさえしなければ海戦で最強」
◎
「…わからん。無難に杖とか?」
◯
「盾。サーフボードにして自由闊達」
◎
――異世界ファイブボンバー7
・
Q.風属性付与に適した装備、5つ答えよ
「鞭」
◎
「履き物全般」
◎
「刀」
◎
「マント」
◎
「三節棍」
◎
「…クリアが早すぎたな。おい、もっと高評価を目指そうぜ!手裏剣!」
◎
「弓矢!」
◎
「鉄扇!」
◎
「風属性万能すぎるだろ!」
「ゲームバランスどうなってんだ!」
「スカート!」
◎◎◎♡♡
――異世界ファイブボンバー8
・
Q.土属性付与に適した装備、5つ答えよ
「戦鎚」
◎
「盾」
◎
「鎧」
◎
「もう重けりゃ何でも良くなってんじゃねえか!」
Q.以降は軽装備に限る
「うぉい!」
「余計なこと言うなよ!」
「すまねぇー!…ええ?…ブラックジャック?」
◎!
「とくれば、スリングショットだ!」
◎!!
「汎用性高いな土属性!」
――異世界ファイブボンバー9
・
Q.雷属性付与に適した装備、5つ答えよ
「戦鎚」
✕
「ミョルニル駄目なの!?じゃあ槍」
◯
「投げたり飛ばしたりする物か…?弓矢」
◯
「杖」
◯
「盾。接触時のカウンターは間違いない」
◎
「なら鎧だ」
✕
「は!?」
「感電するだろ…」
「そっか。あ…」
「何だ言えよ」
「撒菱」
…◎…(ドン引き
――異世界ファイブボンバー10
・
Q.氷属性付与に適した装備、5つ答えよ
「うーん、これ…」
「装備より道具の方が思い浮かぶ」
Q.道具も可とする
「優しい好き。荷箱」
◎
「包帯」
◎
「棺桶」
◎
「地味なのはともかく、陰気臭くなってきたな…剣」
✕
「剣ダメなのぉ…?杖は?」
…◯
「これでやっと◯か。あ…ピッケル」
あぁ…◎
――異世界ファイブボンバー11
・
「魔王討伐、大義である」
光栄です、王様
「褒美に人並みの幸福を授けよう」
王様?
「レベルドレイン!」
グワーッ!
「これで余が最後の脅威よ」
狙いは最初からこれか!?
「余は地下牢に籠る。然る後に封印せよ」
早まるな!それは俺の役目だ!
「思い上がるでないわ。戦を防げぬ凡愚の、最後の務めぞ」
――レベルドレイン
・
竜宮城を去る浦島太郎を乙姫が見送る
『お土産に玉手箱を』
「ありがとう。中身は?」
『浴びると歳をとる煙です』
「怖っ!」
『ウイスキーの樽でも燻してください』
「あ、一気に熟成が進むのか」
『それも燻香を保ったまま』
「最高かよ!」
『くれぐれも加減してくださいね。原酒が消し飛びますから』
――竜宮城12年
・
フォロワーが200人集まりました
連想するのはポケモン金銀
151匹が200匹を超えて251匹に増えたワクワクは今でも思い出せます
初代ポケモンの初プレイ、ピュアだった私はバトルを嫌い、マサラタウンのNPCの挙動を真似ていました
そんな悲劇を起こしてはならない
二度と
今後ともよろしくお願いします
――フォロワー200人記念のやつ
・
人を惑わす美声、セイレーンの歌
オデュッセウスは歌を聴こうと、船員には耳栓をさせ、自分をマストに縛らせた
「いよいよ噂の歌が…」
【YAJU & U ヤジュウセンパイ
114514 いいよこいよ!】
オデュッセウスがセイレーンの下へ行こうと暴れたため、船員は『暴れんなよ…暴れんなよ…』と縄を更に縛った
――迫真オデュッセイア
・
「ぼ、僕をパーティから追放!?」
違う
移籍な?
君、バフ・デバフの付与術師だろ
色んなパーティで遍歴積んで、色んな職能に触れてもらった方が投資になる
横の繋がりを作るための移籍なんだ
「そんなに目障り?」
聞けよ
「わかった。後悔しても遅いからな!」
おい取り押さえろ!ザマァに毒されすぎだ!
――冒険者のキャリア
・
“竜狩卿”の新築祝いに訪ねた
回廊には竜の剥製
「これは“雷叫”ゴガランシャ、隣は“地割れ”トドローム、“全天炎翼”バハルファハム…」
『壮観ですな。ところで、何故どれもあの…猫の親子の剥製に恐れをなしたような姿で』
「“竜狩卿”…フ。復讐の代理人には過分よな」
愛猫家の卿
旧邸は竜に落とされた
――竜狩卿
・
凶悪な魔物と遭遇し、僕らは撤退する
このままでは追いつかれ…
リーダーに足を切られた
「囮になれ。最初からこうすりゃ良かった」
そんな!
『ずっと目障りだったわ』
僧侶さん…!
【安いポーターだからって限度があるわ】
魔女さんまで…!
「今だって視界に広告ポップアップされてなきゃ勝てたんだ」
――一般会員向けレンタル冒険者
・
聖女が半悪魔化した
破壊衝動は抑えられているが、過日の才女は見る影もなく幼く振る舞った
「お絵かきかい?」
『これね、お姫様!』
「上手く描けてるよ」
『主人公が手にキスしてからすごいの!』
「そうなのかい?」
『【心臓ヲ捧ゲヨ】』
時折、悪魔が顔を出す
「急かすな。進撃の巨人の続きだろ?」
――駆逐シテヤル
・
『この電車は“王都地下古文明”行きです。次は“湖底神殿”。出口は右側です。金銀斧、泉の女神を御利用の方は次でお降りください』
ダンジョン攻略時代の終焉
電車の発明以降、人は地下を目指さず、横に掘った
世界は狭くなりつつあった
…
ダンジョン最深部
裏ボス【うるさくて眠れん。文句言ってくる】
――ダンジョン線
・
ただの薬草採集が最高難易度依頼!?
「治癒力が高い生薬なので、活きも良いんです」
薬草の活き?
「こう摘みますよね。茎と葉の断面から根を生やして採集者の栄養を吸おうとします」
怖っ
「なので火で断面を焼いてください」
専門的なんだな
「すると防衛本能で凶暴化し…」
採集じゃなくて討伐じゃん!
――薬草の回復力
・
「ダイヤモンドのモース硬度は10。最も硬い宝石です」
ためになるなぁ
「こっちはモノモース口度10のダイヤ」
【人類、ダイヤの防御過信しててウケるw金槌で普通に砕けるしw】
「現実とフィクションの区別ついてるアピールしたがる奴に限って主語デカで両者を混同するのはダイヤも同じか?」
あ、砕けた
――レスバダイヤ
・
「息子の魔力が0!?」
息子俺、高みの見物
『霊力をお持ちですね』
鑑定士すごいな
「理外の力…魔力社会の穴を突く切り札だな」
嫌に話がわかる親父だな…?
『気、覇気、呪力、妖力…理外の者は歴史に名を残しております』
「光子力やゲッター線に比肩することを願おう」
やべぇ世界に転生しちゃったぞ
――パワー
・
昔、足長と手長という妖怪がいた
「嫁っこ欲しいのう、手長」
「んだの、足長」
2人は旅をし、乳長と舌長と出会う
足長は乳長と結ばれた
乳長は「肩車で乳が地面に擦れんでええ」と喜んだ
手長は舌長と
舌長は「憧れの『あ〜ん』をしてくれる長い手」と頬を染めた
足長手長は「エロい」と股を長くした
――手長足長
・
Q.光属性付与に適した装備、5つ答えよ
「光なんて何でもありだし何もかもなしだろ」
✕
「うるせーな。マントの裏地。目眩まし」
◎
「杖。松明代わり兼目眩まし」
◯
「剣。松明代わり兼目眩まし」
…◯
「鎧。目立つ囮となって目眩まし」
……◯
「水晶玉。光を集めて敵を焼灼する」
〜〜〜ッ◎◎◎
――異世界ファイブボンバー12
・
長命種に聞いたボケ事情!
エルフ
「ボケが凄まじいので、日頃から“君は森の木”だと暗示をかけています」
吸血鬼
「コウモリの群れに分裂して、一匹にボケを押しつけて処分する」
悪魔
「寿命取引で回復する」
妖精
「ボケってなぁに?…へぇ、みんな大変なんだね。何の話だっけ…ボケってなぁに?」
――異世界ヴィンテージ
・
剣士、なぜ剣を抜かなかった!
危うく全滅しかけたんだぞ!
「聖剣は真の窮地にしか抜けない」
冗談も大概にしろ!
「現にお前らだけで対処できただろ」
ちっ…見かけ倒しが!
【ある日】
…ふぅ、スッキリ
昨日の宴で食いすぎたかな…
…か、紙がねえ!
「持ってきた」
剣士!?
「剣が抜けたから何事かと」
――絶体絶命剣
・
Q.闇属性付与に適した装備、5つ答えよ
「いよいよ訳がわからん」
✕
「夜襲用の服」
◯
「煙幕」
◯
「死霊術の書」
✕
「ええ?ダークで悪そうなら闇属性じゃねえの?」
区別が雑すぎる
なら眠りの安らぎはどう説明する
「アイマスク」
◯
「抱き枕」
◯
「布団」
◯
…余計なこと言わなきゃ良かった
――異世界ファイブボンバー13
・
魔物使い専門年刊雑誌“テイマガジン”
今年の巻頭特集は“ウザいイジりワースト3”
第3位
鶏
「朝鳴きの度に止めろと言われても」
第2位
ペットの躾
「依頼ならまだしも…飼い主の自覚が足りない」
第1位
水族館
「水槽のアシカの相手をさせられる」
番外編
ネズミ駆除
「後々ハーメルンと呼ばれる」
――テイマガジン
・
【雪女のかき氷が食いたいか童貞どもーッ!】
会場は冷えていた
「あの…」隣の奴が挙手「何で真冬の雪山なんだ…かき氷って夏」
隣の奴が氷像と化す
どよめく会場
【誰がアウェーに出るものか】
震える参加者に山盛りのかき氷が配膳される
【最初に完食した者を夫とする】
暖をとるため野郎で密集した
――雪女のかき氷
・
盗賊団のアジトへ1人の男が突入する
「度胸は買うが、捕まってちゃ世話ねぇぜ」
『あんたが頭?探す手間が省けたよ』
「言うねえ!で?多勢に無勢だが?」
『俺には“アイテムボックス”がある』
一味の爆笑
「傑作だ!武器でも何でも出してみろや!」
男は樽を出して中に隠れ、土砂で盗賊団を生き埋めにした
――アイテムボックスさえあれば良い
・
これ、奥さんの裏アカ?
「それは…!」
こんな恥ずかしいことして、旦那に顔向けできる?
「う…」
裏アカのポスト、読んじゃおっかな
「やめて…!」
ハワイの蓮、アロハス
「ぐぅ!」
腑に落ちないハワイ、ホワイ
「ひぐ!」
ハワイへ社員旅行、ハワ慰安
ハワイの…
ハワイばっか!
「縛り!」
逆にすげえよ
――裏アカ脅迫
・
「ポッキーゲームしようぜ!」
『男2人でやって何がおもろいん?』
「男2人だからこそだろ」
『まあお前が言うならやろうか』
「まず2人でポッキーの端を持つ」
『早速知らんやつ』
「ターン制にする?それともリアルタイム?」
『待て待てルールは?』
「殴り合って折った方の負け」
『バキか何か読んだ?』
――ポッキーゲームらへん
・
「蛇毒の血清は、蛇毒を馬かケンタウロス族に注射して作ります」
元の世界と大体一緒だ
「今日はケンタウロス族の方で実演します」
『ふへっ、ふひひっ!お注射!3ヶ月ぶりのお注射きた!』
大丈夫なやつスよね?
「合法です。腕出して」
『お っほ 頭 パキパ キ しり ゅ ぴ』
大丈夫スよね?
――ダメ絶対
・
異世界に来て初めての冒険者稼業…ワクワクするな
「ククク…おい新人」
うわ、新人いびりか?
「新たなダンジョンが開かれたぞ」
何だ、親切な人か
『新ダンジョン発見だ』
【新ダンジョンだ】
話題で持ちきりだな…
どんだけ凄いダンジョンだ?
受付さん、噂のダンジョンって?
[チャック開いてますよ]
――そういう符丁
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↓は本当に読んで欲しいやつ
無原罪御宿の吸血鬼
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