コッソリ追跡 下級モンスターガーゴイル
【勇者との出会いと恋】
僕は、下級モンスターガーゴイルである。
「では城より旅立つが良い!必ずや倒してくるのだぞ!」
その一言で、僕は魔王城から放り出された。
倒してこいって言われてもさ、場所くらい教えてくれない?
地図なし、装備なし、情報なし。
……まぁいい。
どうせ街で情報収集して、そのうち勇者と出会う
そういう流れなんだろう。
でも僕は人見知りだし、顔も怖い。
ガーゴイルだから当然だけど。
話しかけた瞬間、逃げられる未来しか見えない。
だからその夜、木の上でネズミを食べていた時だった。
いた、伝説の勇者が。
偶然ってレベルじゃない。奇跡だ。
よし、やるか。
ガッン!!
「不意打ちか!卑怯なモンスターめ!」
勇者の盾で僕の爪攻撃を弾き返した。
「‥‥!?」
そして、
♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡
ガーゴイルは恋に落ちた。
勇者は女の子だった。
しかも、可愛い。
♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡
「なんだか弱そうなモンスターだな」
……終わった。
ガーン言っちゃう、それ!バッサリ一言で心斬られたよ。
見たまんまガリガリのガーゴイルですよ。
僕の恋は終わった。そうだよ僕はレベル1のちょー弱い
モンスターですよおおお!!!
「キィキィキィーーーーーー!」
「逃げたか!そろそろ魔王城が近いはず何だか辿りつかんな」
僕は決めたよ。ストーカーになってやる!
君のことをずっとついて回る。忘れられないくらいについてって、やるさ。
何処までも・・・・・
【守るガーゴイル、狙われる勇者】
僕は空から彼女を追い続けた。
彼女の名前はアイライン。
勝手に「愛ちゃん」と呼ぶことにした。
すぐに気づいたことがある。
彼女は方向音痴だ。
致命的なレベルで。
だから僕は先回りして地図を置いた。
「地図か、こっちだな」
あー違うよ!反対方面だよ!
「キィキィ キィキィ!」
愛ちゃんの前に降り立ち指を差すガーゴイル
「昨日のモンスターまだいたのか!!
しつこい奴め!待て逃げるなよー!」
「キィキィキィー!!!」
全速力で追いかけてくる女勇者!
「待てえぇええ、斬り捨てて殺る!」
「あっ街だ!」
街の入り口に立つ、女勇者
いやぁー命がけで街の場所まで案内したのねぇ。愛ちゃんは地図が読めない
方向音痴だったんだね。しかもね魔法は回復魔法のみ。
【勇者アイライン視点】
私の名はアイライン。王国より、魔王討伐のため冒険している勇者の一人である。勇者は男も女もたくさんいて毎日魔王討伐へ王国から派遣されているらしい。その中で魔王を倒せたものが真の勇者だそうだ。
ようは質より量作戦で、うまく冒険してヒントは少ないけど魔王を倒せれば英雄になれるのだが、何万人の勇者もいるから可能性は低いと私は思う。育成するのが面倒なんだろうな。一応、英雄になった勇者の遠い親戚である私は勇者として旅立った。
そこまでは、よい!しかし予期せぬことが起こった。
あの悪魔!村人に聞いた処ガーゴイルという下級モンスターだとわかった。
ガーゴイルが私の後ろから、たえず命を狙っているのだ!気持ち悪い!ガリガリ貧弱悪魔が!最初は不意打ちで襲って来たので追い払ってからというもの、実力の差を感じたのか夜討ち朝駆けで、空から飛んで来る卑怯な奴だ。地面にいれば一刀両断で絶命できるものを、私は攻撃魔法が使えないので対空攻撃ができないのだ。
しかし今日は違うぞ。
「キィキィキィキィキィ」(あっ愛ちゃんだぁ可愛い)
憎っくきガーゴイルっめが!
何か叫んでるな。私を殺そうと虎視眈々と空から狙うつもりだが、そうはいかん。私は弓矢を構えた!
「キィー!キィキィキィィキィ!!」
(えっ何弓矢で僕を狙うのそれは止めたほうがいいよ!)
おっ空でバタついてるぞ。そうか今まで対空の攻撃が出来ないと胡座をかいて私を上空から眺めていたんだろう!雑魚モンスターっめが!
私は思いっきり弦を引きガーゴイルに狙いを定めた。勇者である私がガーゴイルごときの暗殺に付きまとわれるのも今日で最後だぁあああ!
「はぁああ!はっ!」
弓矢は物凄い勢いで放たれガーゴイル目掛け一直線に飛んでいく!
悪しきモンスターっめ、絶命せよ!
ガーゴイルの自動防御ウィンドシールド発動!
ガーゴイルは羽をバタつかせると!風による
防御魔風を巻き起こした!
ごォォおおおおおおおお!
「うっ!」
バッシ!ビョーーーン
放たれた弓矢はガーゴイルの防御風魔法。ウィンドシールドにより跳ね返され、私のほほをかすめて、後ろの木に突き刺さった!
勇者は後方に吹き飛んだ。10のダメージ
「乙女の顔に傷をつけるとは!ガーゴイル許さんぞっおぁああ!」
私は弓を真っ二つに折り曲げた。
「逃げるな!くそ卑怯者のガーゴイルが!」
愛ちゃん危ねえぇよ!いきなり愛の弓矢を放ってきました。
咄嗟に風の魔法を発動しましたよ僕。あれ、愛ちゃんが物凄く怒鳴ってます!今日は機嫌が悪いみたい出直そうっと!
テェリレティティティー(レベルアップの音)
ガーゴイルはLevel3なりました。
あっ経験値入ったよ!逃げても経験値はいるんだね。
一つ学んだよ。愛ちゃん明日は機嫌直してね。
【与えた愛は毒になる】
僕は考えた。
どうすれば愛が伝わるのか。
そこで出会ったのが、サキュバスの本。
「愛とは、与え続けること」
【人間を虜にする100の方法】
サキュウバスさんから手に入れた(買った)この本、の一行にこの言葉が書いてあったんだ。
あなたはGIVE(与える)&TAKE(貰う)を求めてませんか?
愛とは無償なのです。つまりGIVE(与える)GIVE(与える)
与え続けることとそれが愛なんです。
見返りなど求めない愛!それが窮極の愛なのです。
ガーーーーンそうだったのか。僕は衝撃を受けたね。
愛ちゃんを愛し続ければ、愛してもらえると思ってたんだが
違うんんだ。与え続けることが愛!
僕は、魔王図書館から料理レシピ本借りてきました。
料理好きな魔物がいて良かったよ。
今日はこの料理を作ってみようかな。
鳥肉とキノコのクリーム煮、さぁ早速、野草図鑑を見ながらキノコを採取(安全 毒性はありません安全なキノコです。)
調理と他材料を入れて仕入れに人間の家にいきました。
「キィーキィキィキィ。キッキキィー」
(ちょっと台所と材料をお借りしますね。」
「キャー!ガーゴイルが出たわー!」
早くしないと、旦那さんが来て殺されてしまいますので
手早く調理します。
鳥肉なんでも
きのこ(なんでも)
バター(大さじ1杯)
白ワイン(大さじ1杯)
塩こしょう
生クリーム
まぁみんな放り込んで煮ればいいんだろ。
簡単さこんな料理。味見しました。うんデリシャス!
鳥肉の代わりにネズミにしましたが何でもって書いてあるし、まぁOK。僕は鍋を持って飛んで行った。愛ちゃーん。料理は愛情でーす。LOVE IS OK
勇者アイラインは道に迷い続け街に戻れず空腹のあまり動けなくなっていた。そこへガーゴイルが空からやって来た。
(あのガーゴイル!この時を狙ってきたか!無念だがもう、反撃する力
残っておらん。あんな雑魚にやられてるしまうとはご先祖様に申し訳ないわ)
「キィーキィキィキィキィ〜」(あー愛ちゃんが倒れてるよ!大変だぁ〜!)
(喜びの雄叫びか!くそぉおおおガーゴイルの粘り勝ちとは)
僕は空から降りてネズミときのこのクリーム煮をよそって愛ちゃんに渡しました。
「まさか?食べろっていうのか!何故だ!お前の目的は私を殺すことのはず」
「キィーキィキィー」(愛は与え続けることさぁ!)
「毒が入っておるのではないか」
「キィ〜イ キッキキキキキィー」(えーちょ疑心!さっき味見しましたよ!)
仕方ない僕はクリーム煮を飲みました。あー美味しい。
「すまないな疑って、では好意に甘えていただくとしよう」
「キィイ〜キィイ〜」(はいどうぞ!)
これが愛なんだ、そうだ与え続けること、それが愛!
「美味いな、何だこの肉は始めて食べるぞ」
「キィ〜イ。キィ〜イ キィッキィッキィ〜」
(ネズミ美味しいですか!おかわりどうぞ!)
「お前の事を誤解してたかもしれんな。美味いぞ、うま
うっうううううー腹がおかしい!」
「キィ〜イキィ〜イキィ〜イキィキィキィ〜」
(そんな馬鹿な僕の体はなんともないぞ!)
僕は野草大図鑑を再度見直した。
安全 毒性はありません安全なキノコです。
魔族には何の影響はないでしょう。
あれ?魔族には影響ないと書いてあります。
僕は下の注意書きを見た。
※魔族には影響はないキノコですが人間には著しい
吐き気、腹痛、めまい幻覚を引き起こします………
パタン
僕は本を閉じると、そこには腹痛で顔を鬼のように顰める般若女勇者が
剣を握りしめ立っています。
「きっさま!!!私を嵌めたなぁ!」
スッパーン!
剣を僕に振り降ろしてきました!ぎゃあー危ない!!
「キィ〜イ!キィ〜イ キィ〜イ」(愛は時に残酷なのね〜!)
僕は泣きながら空へと逃げるのだった。
(あー腹が痛い!トイレに行かなくては、、、危うく騙されるとこであった
ガーゴイルっめがああ!)
勇者に毒による攻撃10のダメージ
テェリレティティティー(レベルアップの音)
ガーゴイルはLevel4に上がりました。
僕の愛の追跡はまだまだ続くのであった。
【コッソリ追跡 下級モンスターガーゴイル】
(完)




