表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

91/105

第91話 追跡線


 黒幕が消えた空間には、まだ歪みが残っていた。


 裂けた天幕の向こう。


 黒い式の残滓が、霧のように揺れている。



視聴者:952,002,441

【まだ残ってる】

【追跡タイム】

【ここから本番】



 レインは、その揺らぎに手を伸ばす。


 蒼が、指先から滲む。



 触れた瞬間。


 黒い式が、反応した。



「……拒絶式がある」


 エルフィナの黄が鋭く光る。


「追跡を妨害するための分断構造」



 ミナが眉を寄せる。


「追えないの?」



 レインは首を横に振る。


「追える」



 蒼が、黒い残滓へ絡む。


 壊さない。


 ほどく。


 式を展開し、接続経路を探る。



視聴者:956,441,882

【式バトル第2ラウンド】

【解析タイム】

【頭脳戦も好き】



 黒幕は、空間転移した。


 だが転移にも“出入り口”がある。


 空間の折り目。


 わずかな歪み。



 レインの蒼が、それをなぞる。



 瞬間。


 視界に、黒い線が浮かび上がる。


 細い。


 だが確かに続いている。



「北西」


 レインが言う。


「城外、丘陵地帯」



視聴者:960,002,441

【位置特定】

【追撃確定】

【逃げ切れないやつ】



 だがその時。


 城壁の向こうから、爆音が響く。



 グランヴァルの増援。


 黒と金の旗。


 さらに三隊。



視聴者:964,441,882

【増援!?】

【まだ終わらん】

【長期戦?】



 レムナート兵は疲弊している。


 原脈の正常化で出力が安定したとはいえ、戦線は乱れている。



 ミナが振り返る。


「今、追うのは危険よ」



 エルフィナも頷く。


「黒幕は意図的にここで交戦した。時間稼ぎかもしれない」



 レインは、戦場を見渡す。


 蒼の生成兵はまだ健在。


 白銀の騎士が前線を維持し、槍騎士の蒼光が増援を削る。


 黒衣の魔術師が空中に紋様を描き、敵の進路を遮断する。


 重装破砕型が、城門前に壁のように立っている。



視聴者:968,002,441

【守備盤石】

【ダンジョン要塞】

【歩ダン城】



 レインは、蒼を再展開する。


 紋様が、城壁の基礎へと走る。



「防衛線を固定する」



 地面から、蒼の柱が立ち上がる。


 防壁。


 半透明の結界。


 生成兵がその隙間を埋める。



 戦場が、変わる。


 乱戦から、防衛陣形へ。



視聴者:972,441,882

【陣地構築】

【最上位ダンジョン=城】

【タイトル回収あざーす】



 ミナが息を呑む。


「……守れる?」



「守らせる」


 レインは淡々と答える。



 白銀が盾を構える。


 数百の蒼兵が陣を敷く。


 敵の突撃が、蒼の壁に阻まれる。



 エルフィナが低く言う。


「三十分は保つ」



 レインは頷く。


 視線は、北西。



「行く」



視聴者:976,002,441

【単独追撃!?】

【レイン無双続行】

【主狩り編】



 ミナが前へ出る。


「私も行く」



 エルフィナも静かに言う。


「波形追跡は私が必要」



 レインは、短く答える。


「三人で十分だ」



 重装破砕型が再構築を終え、蒼い核を灯す。


 白銀、槍騎士、黒衣。


 主力四体が、三人の背後へ整列する。



視聴者:980,441,882

【追撃パーティ確定】

【最強編成】

【黒幕震えろ】



 レインは、足を踏み出す。


 蒼が、道を描く。


 戦場から離れ、城壁を越え、丘陵へと続く。



 空は、煙で曇っている。


 だがその奥。


 黒い線が、確かに伸びている。



 鎖の主の痕跡。



 レインの瞳に、蒼が滲む。


「……逃がさない」



視聴者:984,002,441

【追跡開始】

【黒幕の本拠地くる】

【戦争編第2フェーズ】



 蒼の紋様が、静かに広がる。


 丘陵の先へ。


 黒の根へ。



(第91話・完)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ