表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/50

第46話 奪われた場所と、作り替える力

 ――空気が、裂けた。



 槍の穂先が、

 一直線にレインの喉を貫こうと走る。



 速い。


 だがそれ以上に――

 迷いがない一撃だった。



視聴者:742

【はっや】

【見えない】

【終わった?】



 ――だが。



 止まっていた。



 穂先は、

 レインの首元、

 紙一枚の距離で静止している。



 防いだわけではない。


 避けたわけでもない。



 ただ――



 そこに届かない空間になっていた。



視聴者:811

【え?】

【今なに】

【距離バグった】



 男の瞳が、

 初めてわずかに揺れる。



「……空間操作か?」



 レインは答えない。



 代わりに――

 足元を見る。



 石の床。

 刻まれた遺構文様。

 長年使われた採掘坑道。



 そして。



 ここに積み重なった、

 絶望の時間。



 静かに、息を吐く。



「……ずいぶん」



「好き勝手、使ってくれたな」



視聴者:903

【怒ってる】

【静かな怒り】

【これ来るぞ】



 次の瞬間。



 レインの足元に――

 紋様が灯った。



 淡い光。


 だが。


 それはすぐに広がる。



 床を走り、

 壁を這い、

 天井へ届き――



 この地下空間そのものを包み込む。



視聴者:1,044

【広がり方おかしい】

【スケール感バグ】

【ダンジョン来る】



 男が、低く呟く。



「……ここは、我らの遺構だ」



「勝手な干渉は――」



 その言葉は、

 最後まで続かなかった。



 なぜなら。



 音が変わったからだ。



 石の軋み。

 砂の落ちる音。

 遠くの滴り。



 そのすべてが――



 別の規則で鳴り始める。



視聴者:1,201

【BGM変わった感】

【フィールド書き換え】

【支配きた】



 壁が、動く。



 いや。


 崩れたのではない。



 組み替わった。



 採掘坑道だった通路が、

 滑らかな黒石の回廊へ変わる。



 檻を固定していた鎖は、

 静かにほどけ、

 床へ沈む。



 天井の高さすら、

 ゆっくりと持ち上がっていく。



視聴者:1,388

【ダンジョン改築中】

【リアルタイム生成】

【意味わからん強さ】



 男が、初めて一歩下がった。



「……貴様」



「何をした」



 レインは、

 ただ一言だけ告げる。



「作り替えただけだ」



 静かに。


 当たり前みたいに。



「――ここを、

 俺のダンジョンに」



視聴者:1,602

【宣言きた】

【支配者すぎる】

【鳥肌】



 男の殺気が跳ね上がる。



 槍が、消えた。



 次の瞬間――

 背後から突き出される必殺の一撃。



視聴者:1,744

【瞬間移動!?】

【今度こそ当たる】



 だが。



 突き出された先に、

 レインはいない。



 代わりに。



 黒い柱が立っていた。



 槍は、

 その柱に深く突き刺さる。



 抜けない。



 いや――



 柱が槍を呑み込んでいる。



視聴者:1,903

【武器ロスト!?】

【ダンジョンに食われた】

【エグい】



 床が、開く。



 そこから現れるのは――



 白銀の獣。



 静かに、低く唸る。



 さらに。



 黒衣の魔術師。


 回廊の奥に、

 音もなく立つ。



 そして。



 無数の光の紋様。



 この地下全域が、

 完全に戦闘用階層へ変わっていた。



視聴者:2,211

【軍勢じゃん】

【ボス部屋完成】

【逃げ場ゼロ】



 男の呼吸が、乱れる。



 初めての感覚。


 支配される側の空気。



「……ふざけるなァ!!」



 魔力が爆発する。


 失った槍の代わりに、

 砂の刃が無数に生まれる。



 だが。



 黒衣の魔術師が、

 杖をわずかに傾けた。



 ――静止。



 砂の刃すべてが、

 空中で止まる。



視聴者:2,488

【時間止まった?】

【無理ゲー】

【格が違う】



 レインが、歩く。



 一歩。



 それだけで、

 男の背後の床が沈む。



 逃げ場が消える。



 二歩。



 天井が、静かに降りる。



 圧迫。


 絶望。



 三歩。



 白銀の獣が、

 目の前に立つ。



視聴者:2,901

【処刑ルート】

【もう無理】

【勝てる未来ゼロ】



 男の膝が、震えた。



「……な、ぜだ」



「なぜ……

 ここまでの力を……」



 レインは、

 静かに見下ろす。



「簡単だ」



「お前は――」



 一瞬の沈黙。



「奪っただけだ」



「俺は――」



 紋様が、脈動する。



「作る側だからだ」



視聴者:3,442

【名言出た】

【主人公すぎる】

【脳汁】



 次の瞬間。



 白銀の獣が踏み込み――



 戦いは終わった。



 音は、ほとんどしなかった。



 ただ。



 そこにあった敵意だけが、

 静かに消えていた。



視聴者:4,118

【瞬殺】

【格付け完了】

【神回】



 静寂。



 そして。



 檻の中の少女が、

 震える声で呟く。



「……助かった……の……?」



 レインは、

 ゆっくり頷いた。



「もう大丈夫だ」



視聴者:4,902

【うわあああ】

【救われた】

【涙止まらん】



 だが――



 レインの視線は、

 さらに奥を見ていた。



 この地下の、

 もっと深い層。



 そこにある気配。



 まだ終わっていない証。



 静かに呟く。



「……本命は、下か」



視聴者:5,211

【ボスまだいる】

【震える】

【次回やばい】



 光のない深層へ。



 物語は、

 さらに潜っていく。



(第46話・完)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ