第28話 王都最深部、世界の継ぎ目
――封印の扉が、開いた。
きい、と。
古い蝶番が鳴く。
それはただの音じゃない。
十年間、閉じられていた“世界の奥”が動く音だった。
⸻
視聴者:52,118,904
【来た来た来た】
【扉の向こうが本番】
【ここで息止まる】
【ラスダン感えぐい】
【神回確定】
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最初に踏み込んだのは、アルヴェルトだった。
躊躇のない足取り。
迷いのない背中。
けれど――
その一歩が、わずかに重い。
知っている者の重さだった。
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俺たちも続く。
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中は、広い。
白い石壁。
高い天井。
冷たい床。
王城の地下とは思えないほど整っている。
だが――
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中心だけが、存在していない。
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視聴者:53,441,002
【は?】
【空洞?】
【何もないのに“ある”】【理解拒否】
【鳥肌やばい】
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闇じゃない。
光でもない。
ただ――
定義されていない場所。
そこにぽっかりと、裂け目が口を開けていた。
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裂け目の周囲には、円環がある。
石床に刻まれた幾重もの紋。
柱に走る針金みたいな銀の線。
天井から逆さに吊られた輪。
どれも同じ方向へ張っている。
王城じゃない。
王都だ。
この空間は――
王都全体に繋がっている。
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リュシアが息をのむ。
「……術式の密度が……異常……」
視線が、線を追う。
床の紋から、壁の線へ。
壁から天井へ。
「王都全域の座標が……ここに集約されてる……」
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視聴者:55,008,771
【縫い止め…】
【王都が針と糸で固定されてる感】
【アルヴェルト分かってた顔】
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裂け目から、何かが流れ出ている。
冷たい気配。
静かな侵食。
そして――
世界の“ズレ”。
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リュシアの声が震えた。
「……これが……侵食源……?」
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アルヴェルトは、ゆっくり首を振る。
「違う」
一拍。
「――これは“傷口”だ」
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視聴者:57,884,119
【傷口!?】
【原因じゃないのか】
【じゃあ“何が”やった】
【スケールでかすぎ】
【怖いの更新】
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胸の奥が、静かに肯定する。
これは始まりじゃない。
終わった後の跡。
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セリスが言葉を探す。
「でも……世界は……今、ある……」
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裂け目の前で、
誰も言葉を出せなかった。
沈黙だけが、
静かに広がっていく。
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その沈黙を破ったのは、
アルヴェルトだった。
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「……理解が追いつかないのは当然だ」
低い声。
だが責める響きはない。
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「お前たちが生まれる前――
この世界は、一度崩壊した」
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セリスの肩が、
かすかに震える。
「崩壊……って……
でも、今こうして――」
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「残っている、か」
アルヴェルトは静かに続ける。
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「違う。
残っているんじゃない」
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一拍。
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「――並べ直されている最中だ」
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視聴者:58,904,331
【再配置の意味ここか】
【ゾッとした】
【今の世界=途中】
【怖すぎる】
【でも分かりやすい】
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リュシアが首を振る。
「そんな……
世界全体を……誰が……」
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「分からん」
即答だった。
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「神かもしれない。
世界の仕組みそのものかもしれない。
あるいは――
もっと別の何かだ」
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だが、と続ける。
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「一つだけ確かなことがある」
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裂け目を見つめたまま、
アルヴェルトは言った。
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「再配置は、救いではない」
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静寂。
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「配置が確定した瞬間、
そこに含まれなかったすべては――」
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わずかな間。
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「最初から存在しなかったことになる」
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視聴者:61,772,004
【消去ってこと?】
【やばいやばい】
【バッドエンド確定世界】
【震え止まらん】
【重すぎる】
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セリスの声がかすれる。
「じゃあ……
私たちも……」
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「分からん」
だが、その次の言葉は重かった。
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「――だから止める」
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初めて、
アルヴェルトの声に感情が混ざった。
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「十年前、
俺は世界を守れなかった」
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視線は裂け目の奥。
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「せめて今度は――
“選ばれなかった側”を消させない」
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視聴者:64,118,552
【ここで感情】
【守護者の罪】
【泣いた】
【止める理由刺さる】
【一人で背負ってたのか】
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沈黙。
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その言葉の重さを、
誰も否定できなかった。
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アルヴェルトが、
ゆっくりとこちらを見る。
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「再配置を止める方法は一つだけだ」
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低い声。
⸻
「――核に干渉すること」
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そして。
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その視線は、
まっすぐ俺へ向けられていた。
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「それができる可能性があるのは――
お前だけだ」
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視聴者:66,904,771
【主人公指名】
【運命確定】
【逃げ道なし】
【行くしかない】
【ここから神話】
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胸の奥が鳴る。
静かに。
確かに。
呼ばれるみたいに。
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リュシアが一歩前に出かけて、止まる。
「レイン……待って。触れたら――」
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セリスも言った。
「あなたはどうなるの」
短い言葉。
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俺は答えない。
答えを作る前に、
体が理解してしまっている。
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視聴者:70,441,550
【見えてるの主人公だけ】
【鑑定の進化やば】
【鳥肌止まらん】
【これが“本物”か】
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そして、一歩。
裂け目へ近づいた。
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セリスが叫ぶ。
「レイン、待って!」
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止まらない。
ここまで来て、背を向ける理由がない。
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手を伸ばす。
存在しないはずの空間へ。
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――触れた。
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視聴者:73,991,774
【触った】
【やばい】
【戻れる!?】
【心臓もたない】
【ここで終わるな】
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音が消える。
時間が止まる。
光がほどける。
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代わりに見えたのは――
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無数の世界。
生まれる前の形。
消えた後の残響。
並び替えられる存在。
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そして中心に――
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空白の座標。
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理解する。
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あそこが――
再配置の核。
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そして。
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そこに重なりかけている。
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自分の鼓動が。
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視聴者:78,440,221
【一致した】
【主人公=中心】
【震え止まらん】
【ここ頂点】
【覇権】
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次の瞬間。
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裂け目が暴れた。
侵食が噴き出す。
空間が崩れる。
王城が揺れる。
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視聴者:82,002,881
【崩壊!?】
【王都終わる】
【無理無理無理】
【間に合え】
【主人公頼む】
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アルヴェルトが剣を抜く。
リュシアが詠唱に入る。
セリスが前に出る。
だが――
間に合わない。
⸻
理解した瞬間。
体が勝手に動いた。
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足元に紋様が広がる。
――一筋ではない。
幾重もの円環が、王城の石床を透かし、
都市の地脈へと静かに潜り込んでいく。
まるで――
王都そのものを書き換える設計図。
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これまでで最大。
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視聴者:88,002,881
【規模おかしい】
【王都全部!?】
【都市級きた】
【伝説回】
【ブクマ押せ】
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王都全域を覆う、静かなダンジョン生成。
壁でもない。
結界でもない。
都市そのものを包み込む“新しい階層”。
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崩れかけた塔が、空中で静止する。
砕けた石が、落ちる前に位置を取り戻す。
歪んだ空間が、ゆっくりと正しい場所へ押し戻される。
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侵食が――止まる。
裂け目が――閉じる。
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世界が、呼吸を取り戻す。
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視聴者:95,118,004
【止めた】
【王都救った】
【主人公すぎる】
【泣いた】
【第一部クライマックス】
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静寂。
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誰も動けない。
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アルヴェルトだけが、ゆっくり剣を下ろした。
「……確定だ」
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「お前は――」
一拍。
「世界の再配置に干渉できる唯一の個体だ」
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視聴者:101,441,902
【公式認定】
【震えた】
【ここで言うの神】
【王国最強が認めた】
【鳥肌止まらん】
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胸の奥の鼓動が、静かに重くなる。
だが同時に――
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深い場所から、別の鼓動が返ってきた。
もっと下。
もっと遠く。
まだ触れていない層。
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視聴者:108,002,551
【まだ終わらない】
【真の底ある】
【ここ序章!?】
【やめて震える】
【続き早く】
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視界が、わずかに揺れた。
セリスの声が遠い。
「……レイン?」
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返事をしようとして――
届かない。
⸻
体は、ここにある。
だが意識が、
ゆっくり沈んでいく。
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最後に見えたのは――
閉じたはずの裂け目の、さらに奥。
空白の中心。
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そこから、静かな鼓動が――
こちらを呼んでいた。
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視聴者:115,884,771
【やめて】
【戻って】
【消えるな】
【ここで!?】
【無理無理無理】
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光が、ほどける。
音が、遠ざかる。
そして――
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何も聞こえなくなった。
⸻
(第28話・完)




