表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/50

第28話 王都最深部、世界の継ぎ目

 ――封印の扉が、開いた。


 きい、と。

 古い蝶番が鳴く。


 それはただの音じゃない。


 十年間、閉じられていた“世界の奥”が動く音だった。



視聴者:52,118,904


【来た来た来た】

【扉の向こうが本番】

【ここで息止まる】

【ラスダン感えぐい】

【神回確定】



 最初に踏み込んだのは、アルヴェルトだった。


 躊躇のない足取り。

 迷いのない背中。


 けれど――

 その一歩が、わずかに重い。


 知っている者の重さだった。



 俺たちも続く。



 中は、広い。


 白い石壁。

 高い天井。

 冷たい床。


 王城の地下とは思えないほど整っている。


 だが――



 中心だけが、存在していない。



視聴者:53,441,002


【は?】

【空洞?】

【何もないのに“ある”】【理解拒否】

【鳥肌やばい】



 闇じゃない。

 光でもない。


 ただ――

 定義されていない場所。


 そこにぽっかりと、裂け目が口を開けていた。



 裂け目の周囲には、円環がある。


 石床に刻まれた幾重もの紋。

 柱に走る針金みたいな銀の線。

 天井から逆さに吊られた輪。


 どれも同じ方向へ張っている。


 王城じゃない。


 王都だ。


 この空間は――

 王都全体に繋がっている。



 リュシアが息をのむ。


「……術式の密度が……異常……」


 視線が、線を追う。

 床の紋から、壁の線へ。

 壁から天井へ。


「王都全域の座標が……ここに集約されてる……」



視聴者:55,008,771


【縫い止め…】

【王都が針と糸で固定されてる感】

【アルヴェルト分かってた顔】



 裂け目から、何かが流れ出ている。


 冷たい気配。

 静かな侵食。

 そして――


 世界の“ズレ”。



 リュシアの声が震えた。


「……これが……侵食源……?」



 アルヴェルトは、ゆっくり首を振る。


「違う」


 一拍。


「――これは“傷口”だ」



視聴者:57,884,119


【傷口!?】

【原因じゃないのか】

【じゃあ“何が”やった】

【スケールでかすぎ】

【怖いの更新】



 胸の奥が、静かに肯定する。


 これは始まりじゃない。


 終わった後の跡。



 セリスが言葉を探す。


「でも……世界は……今、ある……」



 裂け目の前で、

 誰も言葉を出せなかった。


 沈黙だけが、

 静かに広がっていく。



 その沈黙を破ったのは、

 アルヴェルトだった。



「……理解が追いつかないのは当然だ」


 低い声。

 だが責める響きはない。



「お前たちが生まれる前――

 この世界は、一度崩壊した」



 セリスの肩が、

 かすかに震える。


「崩壊……って……

 でも、今こうして――」



「残っている、か」


 アルヴェルトは静かに続ける。



「違う。

 残っているんじゃない」



 一拍。



「――並べ直されている最中だ」



視聴者:58,904,331


【再配置の意味ここか】

【ゾッとした】

【今の世界=途中】

【怖すぎる】

【でも分かりやすい】



 リュシアが首を振る。


「そんな……

 世界全体を……誰が……」



「分からん」


 即答だった。



「神かもしれない。

 世界の仕組みそのものかもしれない。

 あるいは――

 もっと別の何かだ」



 だが、と続ける。



「一つだけ確かなことがある」



 裂け目を見つめたまま、

 アルヴェルトは言った。



「再配置は、救いではない」



 静寂。



「配置が確定した瞬間、

 そこに含まれなかったすべては――」



 わずかな間。



「最初から存在しなかったことになる」



視聴者:61,772,004


【消去ってこと?】

【やばいやばい】

【バッドエンド確定世界】

【震え止まらん】

【重すぎる】



 セリスの声がかすれる。


「じゃあ……

 私たちも……」



「分からん」


 だが、その次の言葉は重かった。



「――だから止める」



 初めて、

 アルヴェルトの声に感情が混ざった。



「十年前、

 俺は世界を守れなかった」



 視線は裂け目の奥。



「せめて今度は――

 “選ばれなかった側”を消させない」



視聴者:64,118,552


【ここで感情】

【守護者の罪】

【泣いた】

【止める理由刺さる】

【一人で背負ってたのか】



 沈黙。



 その言葉の重さを、

 誰も否定できなかった。



 アルヴェルトが、

 ゆっくりとこちらを見る。



「再配置を止める方法は一つだけだ」



 低い声。



「――核に干渉すること」



 そして。



 その視線は、

 まっすぐ俺へ向けられていた。



「それができる可能性があるのは――

 お前だけだ」



視聴者:66,904,771


【主人公指名】

【運命確定】

【逃げ道なし】

【行くしかない】

【ここから神話】



 胸の奥が鳴る。


 静かに。

 確かに。

 呼ばれるみたいに。



 リュシアが一歩前に出かけて、止まる。


「レイン……待って。触れたら――」



 セリスも言った。


「あなたはどうなるの」


 短い言葉。



 俺は答えない。


 答えを作る前に、

 体が理解してしまっている。



視聴者:70,441,550


【見えてるの主人公だけ】

【鑑定の進化やば】

【鳥肌止まらん】

【これが“本物”か】



 そして、一歩。


 裂け目へ近づいた。



 セリスが叫ぶ。


「レイン、待って!」



 止まらない。


 ここまで来て、背を向ける理由がない。



 手を伸ばす。


 存在しないはずの空間へ。



 ――触れた。



視聴者:73,991,774


【触った】

【やばい】

【戻れる!?】

【心臓もたない】

【ここで終わるな】



 音が消える。

 時間が止まる。

 光がほどける。



 代わりに見えたのは――



 無数の世界。


 生まれる前の形。

 消えた後の残響。

 並び替えられる存在。



 そして中心に――



 空白の座標。



 理解する。



 あそこが――

 再配置の核。



 そして。



 そこに重なりかけている。



 自分の鼓動が。



視聴者:78,440,221


【一致した】

【主人公=中心】

【震え止まらん】

【ここ頂点】

【覇権】



 次の瞬間。



 裂け目が暴れた。


 侵食が噴き出す。

 空間が崩れる。

 王城が揺れる。



視聴者:82,002,881


【崩壊!?】

【王都終わる】

【無理無理無理】

【間に合え】

【主人公頼む】



 アルヴェルトが剣を抜く。

 リュシアが詠唱に入る。

 セリスが前に出る。


 だが――


 間に合わない。



 理解した瞬間。


 体が勝手に動いた。



 足元に紋様が広がる。


 ――一筋ではない。


 幾重もの円環が、王城の石床を透かし、

 都市の地脈へと静かに潜り込んでいく。


 まるで――

 王都そのものを書き換える設計図。



 これまでで最大。



視聴者:88,002,881


【規模おかしい】

【王都全部!?】

【都市級きた】

【伝説回】

【ブクマ押せ】



 王都全域を覆う、静かなダンジョン生成。


 壁でもない。

 結界でもない。


 都市そのものを包み込む“新しい階層”。



 崩れかけた塔が、空中で静止する。

 砕けた石が、落ちる前に位置を取り戻す。

 歪んだ空間が、ゆっくりと正しい場所へ押し戻される。



 侵食が――止まる。

 裂け目が――閉じる。



 世界が、呼吸を取り戻す。



視聴者:95,118,004


【止めた】

【王都救った】

【主人公すぎる】

【泣いた】

【第一部クライマックス】



 静寂。



 誰も動けない。



 アルヴェルトだけが、ゆっくり剣を下ろした。


「……確定だ」



「お前は――」


 一拍。


「世界の再配置に干渉できる唯一の個体だ」



視聴者:101,441,902


【公式認定】

【震えた】

【ここで言うの神】

【王国最強が認めた】

【鳥肌止まらん】



 胸の奥の鼓動が、静かに重くなる。


 だが同時に――



 深い場所から、別の鼓動が返ってきた。


 もっと下。

 もっと遠く。

 まだ触れていない層。



視聴者:108,002,551


【まだ終わらない】

【真の底ある】

【ここ序章!?】

【やめて震える】

【続き早く】



 視界が、わずかに揺れた。


 セリスの声が遠い。


「……レイン?」



 返事をしようとして――

 届かない。



 体は、ここにある。


 だが意識が、

 ゆっくり沈んでいく。



 最後に見えたのは――


 閉じたはずの裂け目の、さらに奥。

 空白の中心。



 そこから、静かな鼓動が――

 こちらを呼んでいた。



視聴者:115,884,771


【やめて】

【戻って】

【消えるな】

【ここで!?】

【無理無理無理】



 光が、ほどける。


 音が、遠ざかる。


 そして――



 何も聞こえなくなった。



(第28話・完)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ