第13話 勝者だけが、静かに進む
――王都の喧騒は、
背後に遠ざかっていた。
歓声も。
ざわめきも。
すべてが、もう届かない。
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【余韻えぐい】
【神回後の静けさ】
【ここから新章】
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石畳の道を、
ただ一人で歩く。
追ってくる者はいない。
止める者も、いない。
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それが――
答えだった。
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三年前。
この街を出たとき。
俺は何も持っていなかった。
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けれど今は違う。
力があるからじゃない。
称号でもない。
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もう、誰にも奪われない場所が、
胸の奥にある。
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「……静かだな」
小さく呟く。
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【勝者の風格】
【余裕が違う】
【かっこよすぎて無理】
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そのとき。
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空気が、
わずかに震えた。
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戦闘の気配じゃない。
敵意でもない。
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もっと上から、
触れられている感覚。
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足を止める。
視線を上げる。
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青空は、
変わらず穏やかだった。
だが――
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見えない“何か”だけが違う。
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【来たか…】
【上位存在ログイン】
【ゾワる】
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胸の奥の鼓動が、
静かに応える。
恐怖はない。
むしろ――
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少しだけ、
懐かしい感覚だった。
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「……そこにいるんだろ」
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声に出した瞬間。
世界の奥で、
小さな揺らぎが生まれた。
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返事はない。
だが。
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否定もない。
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【会話成立してるの草】
【格上すぎる】
【震え止まらん】
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ゆっくり息を吐く。
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「今は、いい」
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戦う理由はない。
守るべきものも、
この瞬間には存在しない。
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だから。
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「……その時が来たら、
相手になる」
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静かな宣言。
誰に向けたものでもない。
ただ――
世界そのものへ。
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次の瞬間。
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空気の震えが、
すっと消えた。
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【引いた!?】
【圧で退かせた】
【主人公つよ】
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胸の奥の鼓動も、
ゆっくり静まっていく。
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勝ったからじゃない。
終わったからでもない。
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始まっただけだ。
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そのとき。
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「……レイン」
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背後から、
かすかな声。
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振り向く。
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そこに立っていたのは――
セリスだった。
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【起きたあああ】
【ヒロイン復活演出】
【待ってました】
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まだ顔色は悪い。
だが。
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まっすぐ立っている。
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「無茶、しすぎ」
小さく笑う。
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「……そっちこそ」
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短い会話。
それだけで分かる。
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もう、
前と同じ関係じゃない。
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【尊すぎ注意】
【距離感完璧】
【ここ永遠に見てたい】
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セリスが、
少しだけ真剣な目になる。
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「ねえ、レイン」
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「なんだ」
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「これから、どうするの?」
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当然の問いだった。
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王国に戻る道もある。
力を差し出す選択もある。
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でも。
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答えは、
もう決まっている。
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「……行くよ」
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「どこへ?」
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少しだけ空を見上げる。
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見えないはずの、
その向こう側へ。
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「――世界の外側まで」
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風が吹いた。
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【タイトル回収きた】
【ここから神章開幕】
【一生ついていく】
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セリスは、
一瞬だけ驚いたあと。
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静かに笑った。
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「……いいね」
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「危ないぞ」
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「知ってる」
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迷いはない。
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【共闘確定演出】
【最強コンビ爆誕】
【ワクワク止まらん】
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二人で、歩き出す。
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王都の外へ。
世界の境界へ。
そのさらに先へ。
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誰も知らない場所へ。
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だが。
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見えない空の奥で――
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“何か”が、確かに目を細めた。
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(第13話・完)




