表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
商業主義者の会計簿  作者: 瑞鱗
プロローグ
1/6

筆者によるモノローグ的序文

 時代考証がめちゃくちゃな世界へようこそ

 筆者は年代を決めて、その年代に合わせて経済人である主人公を動かすことが現実世界の時代を決める前からめんどくさいと思ったので、異世界という世界であることにして、非常に都合の良い世界で物語を作ることにしました。

 多分この話を読んで最初に思うことは、魔術が使えるなら、なぜ彼らは伝書鳩を使っているの?という疑問や、なんで魔術が使える異世界なのに貨幣に価値を保存できるの?という疑問でしょう。

 前者の理由は、彼ら自身は魔力がゼロであったからです。つまり、魔力がゼロで転生してしまいましたとか、〇ッシュルの主人公のマッシ○みたいな属性で生まれたわけですね。(主人公らは別に転生とか転移したわけではなく、普通に異世界で生を授かった人たちです。。)ですから、連絡のために魔術を使わ(え)ずに伝書鳩を使っているわけです。

 後者は、錬金術が大成してなくても物質生成魔法があったら、モノに価値なんてつけられないですが、貨幣の中に魔法では生成できない特別な物体かなにかが含まれているということにしましょう。私が前提としているのは不換紙幣や兌換紙幣以前の世界ですので、前近代最終盤から、近代初期の世界観をイメージしています。

 私の前作?というか未だに書き途中の魔王の物語は、通貨がない世界としてある意味経済的側面では原始的な社会という設定で書いていたのですが、それは上記のような、ものに価値を保存することができないという理由からですね。特に「魔族」の物語なので、ギャグマンガみたいに魔法の可能性に上限などなくして書いていましたから、そうなってしまいました。

 この物語では、舞台は異世界なのに、魔術というものはほとんど前面に押し出すことはたぶんないだろうと思います。ですから、魔術の弾き合いを期待していた人には申し訳ないですが、そういうものは一切出ないと思います。異世界要素としての魔術は、多分生まれるであろうフィクションの齟齬(天空都市の原動力など)を魔術のせいにすることだけのために使用されると思います。


 さて、異世界転生本では、商人は悪役のモブキャラ顔で出てくることがほとんどですが、果たしてどうなのかと私は疑問に思うことが多々あります。商人とはそのように悪者で終わっていいものなのか。見方を変えると、勇者一向に立ちふさがる商人たちは自分の既得権益を守るために当然のことをしているだけで、それを品行方正や正義、大義を掲げて、崩して社会を正そうとする勇者一行こそ悪だととらえることもできないでしょうか。(こう考えてみると、商人側を敵に回す革命派は自ら資金源を敵に回している阿呆であり、そんな人は歴史上にはそうそういない。。)

 また、商人側は経済的自由を獲得し、自由に生活できるのに対して、勇者側は王国の命令に対して従ってただ冒険しているだけです。一見活発で聡明、容姿端麗な青年は実は運命に踊らされているだけで、商人は自分で運命をその経済的自由から作れるわけで、行動の制限がない商人側のほうが自由であるととらえることができます。その分、物語は大変書きにくくなると思いますが。。

 もちろん、私は普通の異世界物を批判しているわけではありませんし、そういう作品が大好きですし、私だって、勇者たちのように頑張っていける気概があって生きていければどれだけ良いかと思います。


 ここで、なぜ、これまでの小説に富豪の物語が少なかったのかという疑問が浮き出てきます。異世界物で商売ものを書いてはいけないというルールはありません。私はこう考えています。現代日本、一億総中流の考えが浸透した社会において富を持っている人は、出る杭は打たれる精神で嫌悪されますし、社会のために使っていないのなら、なおさら忌み嫌われます。ですから、小説でも、王国などもとから受け継がれた支配者層ではなく、特に成り上がって自分で作り上げた支配者層は特に嫌われるのではないかと思っています。王国の統治物、貴族物は誰も何も嫌悪感がなく読んでいますから。

 特に、日本の経営者は平社員から上がって社長に就く人が多く、一般社員と給料が変わっても数倍で、超富裕層という人々が一代実業家や投資家などしかいません。そのような理由が、日本で成熟したファンタジーものに大富豪が主人公側として出ない理由となっている一因なのではないかと思います。

 私がこれから描く主人公たちは、魔力はないのに富で異世界を征服しようとする、魔術師たちから見ると反逆者であり、読者から見ると、巨大な富をどうにか独占しようとする、卑しい人々に見えるかもしれません。そんなにうまくいくはずがないと思える話も多いと思います。

 ですが、これもそれもすべて筆者が読者の嫌悪感を承知で書きたいと思って書いたものだと思って、生暖かい目で読んでください。

基本的に喜劇で行くので、口角は上げてお読みください。

また、この物語の固有名詞は実際に存在するものではなく、特定の対象を指すものではありません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ