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42-2・4軍の戦術会議

 藤原組の15人と上府さん、サウザン軍の中隊長以上が、西都市セイ軍の陣地に入る。

 地形的な違いがあるので仕方が無いのかもしれないけど、セイの師団は、帝都から丸見えになる平原で野営をしていた。


「待っていたぞ!フジワラ組の諸君!」


 白騎士のホワイさんが出迎えてくれる。


「なんで、今から攻め込むわけでもないのに、こんな平原の真ん中に?」

「バウラー様の御命令だ」

「森で休まないんですか?日影がありますし、兵数を隠せますよ」

「なるほど、その発想は無かったな」

「兵の数、スッゲー多いですね。赤組の倍くらいいるかも」

「バウラー様の御命令だ。命運をかけた戦だからな。全軍を連れてきた」

「えっ?セイに残ってる兵はいないんですか?」

「無論だ!全軍とはそういうことだろう!」

「セイは攻められ放題になっちゃってますよ」

「まずい、その発想は無かったな」


 とりあえず、バウラ-さんって人とホワイさんの頭があんまり良くないってことが解った。


「ところで、バウラ-さんって誰?新キャラ?」

「尊人くんっ!

 シリーガルさんのお婿さんになって

 ホーマンさんの後継ぎになった人だってば!」


 すかさず、真田さんからのツッコミが入る。

 ああ、そっか。北都市の双子の御子息の片割れね。思い出した。

 ・・・てか、僕もあんまり頭が良くなかったみたい。


「バウラ-さんって金髪?銀髪?どっちだっけ?」

「解んない。興味無いから覚えてない」


 ホワイさんに案内されてセイ軍の本陣へ。銀髪とシリーガルさん、金髪とバクニーさん、ブラークさん、その他の白騎士と黒騎士の中隊長以上が先に来て待っていた。


「ありゃ?シリーガルさんとバクニーちゃんも一緒?」

「はっはっは!片時も離れたくないのだ」

「ラブラブなのは解りましたけど、戦場に連れてきちゃマズいんじゃ・・・」

「あら?ミコト様だって、サリ様を戦場に連れ出しているではありませんか」

「それとこれとは別の・・・」

「同じですわ」

「・・・ぐぬぬっ」


 まさか、あんまり頭が良くないバクニーさんから論破をされるとは思わなかった。


「天英蒼雷のブルウ将軍到着!」

「・・・てんえーそうらい?」

西都市セイ軍の布陣、見事だな!闘志が一丸となって伝わってくるようだ!

 だが、数こそ少ないが、我が東都市アーズマ軍も負けておらぬぞ!

 帝都の連中、我らの勇姿を見て恐れおののいておるであろう!」


 なんか「天英蒼雷」という意味不明な自称をする青い鎧を着た変な奴が来た。攻撃は明日以降なのに、もう平原に布陣して、軍の規模が丸バレになってるっぽい。

 兵を森に隠して休ませている僕等が間違っているのだろうか?不安になったのでブラークさんに聞いたら、北都市ノス軍は1000人を平原に布陣させて奇襲に備えさせ、残りは森で休ませているとのこと。「ちゃんとした人」がいてくれて良かった。


「ブルウさん、よろしくお願いします」

「俺のことは、ジェネラル天英蒼雷と呼んでくれ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」


 なんか面倒臭そうなので、ブルウさんとは絡まないことにしよう。

 これで各軍の代表者が集まった。「コイツで大丈夫か?」って人が何人かいるけど、総合の作戦会議が始まる。

 やや余談になるけど、集合場所がアーズマ軍から遠い&青騎士の代表者が少ない理由は、あんまり期待をしていないから。チートに敗北をした北都市ノス、同盟の起点となった西都市セイ、反チートの急先鋒とも言うべき藤原組を受け入れた南都市サウザンに比べれば、東都市アーズマへの期待値がワンランク低くなってしまうのは仕方が無いだろう。ぶっちゃけ、赤組&白組&黒組的には「青組は裏切らなきゃいいや」くらいに考えている。



 総司令に就任したブラークさんのイニシアチブで会議が進む。


 北都市ノスからの派兵は、オブシディア騎士1000騎を含めて総勢10000。

 南都市サウザンからの派兵は、ルービイ騎士1000騎を含めて総勢10000+紅武者隊100。

 東都市アーズマからの派兵はサファイ騎士500騎を含めて総勢5000。

 西都市セイからの派兵はパルー騎士1500騎を含めて総勢15000。


 帝都テーレベールの守備兵は、トーバス親衛隊を含めて70000。そして、 帝都テーレベールの東西南北の門の外側には、チートに与した元セイ兵5000、元アーズマ兵4000、元サウザン兵4000、元ノス兵2500が布陣している。

 全ての戦場が、同じ色の鎧を着た過去の仲間の軍を破らなければ帝都には突入できない。


「同郷同士の潰し合い。戦う前からこちらの士気を削ぐ布陣。

 割り切らねば攻めきれず、戦局は膠着するだろうな」

「チートは戦いを長引かせたい?」 


 戦いが長引けば、補給を続けなければならない攻め手は疲弊する。だけどそれは数ヶ月単位の話。兵の総数は帝軍が倍もいるのに、チートは何ヶ月も籠城をするつもりなんだろうか?チートらしくない。


「いや・・・違う」


 チートからすれば、戦局の膠着は数日で良い。前線を停滞させればチートが勝ってしまう。


「見当違いだったら、『ごめんなさい』なんだけどさ・・・」 


 僕は、脳内に描いたチートの勝ち筋を説明する。膠着状態にして、チート自身が前線に出て、敵味方お構い無しに大技で倒す。剣の雨、全方向を焼き尽くす光、火柱や雷、地震、どの攻撃でも密集状態になった大量の友軍を失う。前線は混乱して、士気の維持が難しくなってしまう。

 直属を温存して同郷同士をぶつけるのは、「戦いにくい」だけではなく、「外様は都合の良い使い捨て」だから。

 たった1人の介入で、戦況は「武皇軍有利に」大きく傾く。常識的には有り得ない“それ”をやってのけるのが英雄だ。


「躊躇わずに“かつての仲間”を倒せなければ、僕等は負ける!

 ・・・ような気がするんですけど、皆さんはどう思います?」


 皆は僕の顔を見たあと、ブラークさんは悔しそうな表情で頷き、誰1人反論をせずに口を噤んだ。多分、僕の想定が「見当違いではない」と判断して、打開策を思案しているのだろう。

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