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37-1・若林さん

 仲間集め&同盟締結班(僕&真田さん&津田くん&我田さん&輪島さん+シリーガルさん&バクニーさん)は、適度にモンスターを倒しつつ北西村ウェスホクに到着。

 輪島さんの特殊能力コンパスと我田さんの特殊能力テレパスのおかげで、村の北の端でひっそりと暮らしていた若林さんとアッサリ合流する。


「ず~っと独りぼっちで寂しかった~。

 私以外、誰も転移していないのかと思っちゃったよ」


 若林若葉わかばやし わかば。隣のクラス。ショートヘア。同学年で一番背が低い。全く話したことが無いのでどんな性格か解らない。勉強の成績は優秀らしい。


「たった1人で、良く今まで生き残れたね」

「へっへっへ!それは、富醒のおかげで大丈夫だったよ!」

「戦闘系の特殊能力?それとも、職業スキルで生活費を稼いでいた?」

「見せてあげるよ!」


 若林さんが視線を北に向けたので同じ方向を見たら、遠く(500mくらい向こう)に、カミフ屋敷で剥製になっていたのと同じ形のモンスターの群れがいた。


「キマイラだっけ?」


 村の北側は外地になる為、僕等の知らないモンスターが生息しているのだ。


「今からやっつけるね!」

「えっ?あんな強そうなヤツを1人で?」

「うん、もちろん!」


 若林さんが、目を閉じて掌をモンスターの群れに向ける!飛び道具の類いの特殊能力?

 真田さんの魔法、長野さんのトルネードや土方さんのファイヤーは、射程圏が数十m程度。智人チートでも、射程圏は100m以内くらい。若林さんは、こんなに離れたところから攻撃できるの?


「富醒発動!ギアンティゼーシャン!!」


 村の外に身長15mくらいの若林さんが出現!


「え~~~~~~~~~~~~っっっ!!!」×たくさん


 巨大若林さんがキマイラの群れに向かって突っ走っていく!モンスター達は慌てて逃げ散らかすが、巨大若林さんに捕まって地面に叩き付けられ、踏み潰され・・・、勇気あるモンスターは火を吐いて迎撃をするが巨大若林さんには効かず・・・。


「な、なんか、キマイラ達が可哀想になってきた」


 メッチャ強い。外地に「ジャイアントやギガンテスという巨大生物がいる」という噂を聞いたことはあったけど、まさか、仲間が巨大生物になるとは思っていなかった。キマイラ達(全長3mくらい)が小動物に見える。学年で一番チビッコの若林さんが、巨大化をして外地で勇ましく戦っている姿はギャップありすぎ。 


「巨大化はズルくね?」


 真田さんは、露骨に不満な表情をしている。僕と真田さんは、50日くらい前に北西村ウェスホクには来ている。その時に、若林さんと合流できていたら、そのあとの旅はもの凄く楽になってただろうな。


「まぁ・・・ズルいね」

「なんで、このタイミングで、あんなパワーバランス崩壊な特殊能力?

 作者的に特殊能力を考えるのが面倒臭くなったのかな?」

「そうかもしれないけど、メタ発言はやめようよ」


 僕がレンタルした場合、身長が5mくらいの僕が出現するか、巨大若林さんと同じくらいの大きさだけど行動範囲が狭いか、どっちになるんだろう?


「まぁ・・・決定的な弱点があるけどね」


 巨大若林さんの動きを見る感じだと、多分、僕等の隣で目を瞑って立っている若林さんが遠隔操作をしているのではなく、若林さんの意識は巨大若林さんに乗り移っている。つまり、僕等の目の前にいるリアル若林さんは完全無防備。触っても気付かないか、触った途端に集中力が切れて巨大若林さんが消滅するか、どっちかだろうな。


「確認しておくべきかな?」


 特性を把握するためにリアル若林さんに向けて手を伸ばしたら、横から別の手が伸びてきてムンズと掴まれた。


「尊人くんにヘンタイっ!」

「・・・へ?」

「もしかして、若林さんが好きなの?」

「好きじゃないけど、急に何の話?」

「だって、若林さんに触ろうとしたじゃん!

 好きじゃないなら、女の子なら誰でも良いの?」


 真田さんに怒られて気付いた。いきなり無防備な女子に触るなんて、ダメに決まってるよね。理由を説明して、「リアル若林さんに刺激を与える」係は、我田さんに任せる。キマイラの群れが全滅した頃合いを見計らって、我田さんに「若林さんの集中力を乱して」とお願いする。


「源ってさ、基本的には周りの空気読むし、知恵が廻るのに、

 時々、視野が狭いバカになるよな」


 我田さんは、目を閉じているリアル若林さんの前に立って、触れるわけではなく、顔を近付けた。


「わっ!!」

「ひゃぁっっ!!」


 我田さんが大声を出して、若林さんが驚いて目を開いた途端に、500mくらい離れて暴れていた巨大若林さんが消滅する。ああ、なるほど、触れずに集中力を乱す方法なんて、幾らでもあるんだね。


「もうっ!驚かさないでよっ!キマイラ退治、まだ途中なんだよっ!」

「もう全部倒したでしょ?」

「倒すだけじゃ意味無いじゃん!」

「・・・ん?」


 若林さんは、もう一回、巨大若林さんを出現させて現地まで行き、倒したキマイラ数匹を抱えて戻ってきた。


「どうすんの?」

「お肉やさんに売るの」

「えっ?食用??」

「もちろん!結構、良いお金になるし、ちょっと臭いけど美味しいんだよ」

「キマイラ・・・食べちゃうんだ?」

「山羊の部分が一番美味しくて人気あるんだよ」


 この世界に来たばかりの頃、ブラークさんに保護してもらって、食堂でご馳走をしてもらった。その時に食べた肉を「なんの肉か?」とブラークさんに尋ねたら、「知らない方が良い」と言われた。もしかして、モンスターの肉をご馳走してもらった?


「食べたいなら1匹要る?」

「・・・い、いらない」


 ちょっと食べてみたいんだけど、ちゃんと解体して調理をする自信が無い。



ギアンティゼーシャン

使用者:若林若葉

 術者の10倍サイズの巨人を出現させる。活動範囲は、術者の目が届く範囲内。術者の意識は巨人に乗り移るので、術者本体は完全無防備になる。術者本体に刺激を与えて集中力を乱すと巨人は消える。

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