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36-5・正念場

「ホーマン姉妹のフォローは、彼女達と仲の良い源君と真田さんが適任だよね?」

「別行動たって、吉見くんは何をするつもり?」

「僕はね・・・」


 西都市セイパルー騎士団や一般兵は、チートに不満を持つ者が多く、ホーマン家が一定数を掌握している。北都市ノスは、元々チートと敵対しているので、同盟が成立すれば、オブシディア騎士団と兵は反チートで足並みを揃えてくれる。


「ノスの黒騎士団には、ブラークさんがいる。

 ノス軍の懐に入り込むなら、源君以上の適任者はいないよね?」


 ブラークさんとの繋がりが、こんな形で意味を為すとは思っていなかった。


「誰かに、この状況を南都市サウザンの武藤さんに伝えてほしい」


 サウザンも、同盟軍のセイにいきなり攻撃をされて、チートに恨みを持っている。武藤さんに動いてもらって、ルービイ騎士を味方に付けたい。武藤さんには覇気と統率力があるし、サウザンの領主と同等の権力を持つ紙商人・上府さんの後ろ盾があれば、蔑ろにはされないだろう。


「そうなると、残るのは東都市アーズマだよね。

 アーズマなら青騎士団に所属していた輪島さんが適任・・・と言いたいけど、

 輪島さんは仲間集めの中核だから外すわけにはいかない。

 だから、僕がアーズマに行って、協力を要請しようと思う」


 放っておいても、北と東と南は「西憎し」で固まってしまう。そうなる前に西が動いて、全ての矛先をチートに向ける。


「僕等が軍事クーデターの着火をするんだ」


 難易度は高そうだけど、吉見くんの理路整然とした説明を聞いていると、頑張れば何とかなりそうな気がする。しかも、説得に苦労しそうなアーズマは吉見くんが担当する。これが吉見くんの勇気と覚悟。僕には想像できない発想だ。


「すごいよ。吉見くんが敵じゃなくて助かったよ」

「奇遇だね。僕は君が敵じゃなくて良かったと思ってる。

 君がいなかったら、作戦の起点になるホーマン姉妹の説得なんて不可能だった。

 彼女達だけじゃなく、ブラークさんや上府さんも、君が藻掻いて繋げたんだ。

 僕は、その繋がりに便乗しているだけ」


 吉見くんが穏やかで良い人なのは、この世界に来る前から知っていた。だけど、こんなふうに、お互いをたたえ合う日が来るなんて思ってなかった。


「由井さん、長野さん、吉見くんに付いていってもらえるかな?」


 仲間集めの班は僕が任された。だから、僕の権限で、チームから2人を吉見くんに付ける。


「モンスターと遭遇した時は長野さんが守ってくれるし、

 チートの軍勢に遭遇した時は由井さんが守ってくれるよね」

「2人も僕に付けちゃったら、源君の方が手薄に・・・」

「こっちは仲間を現地調達できるんだから、何とかするよ」

「吉見に死亡フラグが立ってるから、

 凪ちゃんとゆいゆいにへし折ってもらわなきゃね!」


 真田さんが僕の人員配置を後押ししてくれる。なるほど、吉見くんの台詞がやたらに多いし、良い感じに認め合っちゃったし、確かにこのまま分かれたらヤバそうだ。


「それから、楠木くんはサウザンに戻って、

 武藤さんと一緒に、サウザン軍の決起を説得してもらっても良いかな?

 楠木くんなら単身でもサウザンまで行けるよね?」


 楠木くんの特殊能力アースクエイクは、周りに仲間がいない方が発揮しやすい。


「尊人くん、楠木くんと武藤むとちゃんをくっつけようとしてる?」

「ん?『くっつける』ってなに?」

「ん?ただの偶然?」


 真田さんが何を言ってるのか、ちょっと解らない。


「陸姫(武藤)・・・じゃなかった!サウザン軍は俺に任せろ!」

 

 楠木くんは、「サウザン行き」をお願いした途端に、「居ても立ってもいられない」って感じにソワソワして、早急に馬を駆ってセイを発つ。何をそんなに急いでいるのか解らないけど、中継点の南西村ミナーシャには泊まらず、今日中に約90キロを走破してサウザンに辿り着きそうな勢いだった(そんな無謀な強行をしたら馬がダウンするけど)。 


「この一連で中核になる西と北の同盟、それから仲間集め、源君に任せるよ!」

「早璃っ!北都市ノスにいる詩(上杉)を、ちゃんと連れてきてね!」

「わかぽん(若林)によろしく言っといてねぇ~!」


 東都市に行く吉見くん&長野さん&由井さんのうち、馬を操れるのは長野さんだけなので、ホーマン家に馬3頭立て馬車を貸してもらった。


「さぁ・・・僕等も行こう」

「先ずは、北西村ウェスホク、若林との合流だな」

「それから、詩ちゃんのいる北都市ノス

「ノスとの同盟」

「そのあとは、北東村ペイイスにいる北条と平家に合流。

 やること、多いなぁ」


 仲間集め&同盟締結班は、僕と真田さんとツカさんと我田さんと輪島さんの5人。同盟の使者を引き受けてくれたシリーガルさん&バクニーさんを乗せた馬車を輪島さんが操り、津田くん、我田さん、真田さん+僕、それぞれの馬で馬車を囲んで護衛をして、西都市セイを発つ。

 吉見は尊人を食う存在感を発揮する。由井は早璃のペースを乱す。長野は沼田とは違って早璃に容赦無く意見を言う。尊人と早璃の共存をシッカリと描きたいので、吉見&由井&長野は別行動をしてもらう。

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