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34-4・仲間集め

 朝一から皆で町の北門まで行って、輪島さんが位置確認コンパスを使用する。


「若林さんは昨日と同じ北北西。

 北西村ウェスホク西宿場ミドオチスで間違いなさそうだね」

「平家さんは北北東。

 北東村ペイイス東宿場ミドオリエンになるのかな?」


 ペイイスは、転移して最初の数日間を過ごした村。久しぶりに行ってみたい。


「あっ!津田君をイメージしたら南南東を向いたよっ!」

「この町にいるってことだね」


 この町の南には、未開の外地が広がっている。ツカさん(津田くん)は積極的なタイプなので「外地探索をしている可能性」がゼロではないけど、さすがに無謀すぎる。よほど凄い特殊能力を持っていない限りは、外地になんて行ったら死んでしまうだろう。


「源君、今から町の南に行って、もう一回、津田くんの位置確認をしてもらえる?

 それで、矢印が北を向けば、津田くんは間違いなくこの町にいることに・・・」

「えっ!?」

「・・・ん?」


 吉見くんの提案はご尤もです。要望通りにして、津田くんの居場所が町中と判明すれば、今日一日は徒歩での津田くん捜索に使えます。・・・が時、既に遅し。


「あ・・・北を向いた」


 矢印は僕の目の前で真北を示している。僕は真田さんに煽られながら輪島さんのコンパスをレンタルして、上杉さんの位置確認をしていた。


「こ、これは大変だね」


 北にあるのは、近いところから順に、南宿場ミドメリデ帝都テーレベール北宿場ミドセプテ、そして北都市ノス。上杉さんの居場所は候補地が多すぎ。これでは「居場所の見当が付かない」のと大して変わらない。


「え~~~っとっ!コンパス発動!・・・ツカさん(津田くん)!」


 しかも、仕切り直したけど矢印が出現しない。僕が位置確認をできるのは、1日1回っぽい。つまり、僕は貴重な1回分を無駄遣いしてしまった。もう今日は、津田くんの居場所の絞り込みをできない。


「源君、真田さん・・・気持ちは解るけど、明日以降は僕の指示に従ってね」

「ごめんなさい」

「もう勝手なことはしません」


 いつも穏やかな吉見くんに怒られてしまった。僕しか上杉さんを探せないって状況で、真田さんに頼りにされるのが嬉しくて、調子に乗ってしまいました。津田くん、北条くん、後回しにしちゃってごめんね。



 翌日、町の南の端から位置確認をして、津田くんが町中にいることが確定した。・・・てか、僕がコンパスの無駄使いをしなければ、昨日のうちにここまでは限定できた。


「捜索はだいぶ楽になったね。だけどさ・・・」


 ルービイ騎士団のお膝元にいるのに秘境者狩りから逃れているのだから、息を潜めて住んでることになる。


「位置確認の残数は、輪島さんが2回で、源君が1回。

 1㎞くらい歩くごとに確認して、居場所を限定していくしかないかな?」


 町の南西ブロックに限定されているとは言え、広い南都市サウザンのどこかに隠れている人を探すのは大変だ。よほどの御都合主義発動か、引かれ合う運命でもなければ、数日かけなければ見付けられないだろう。


「間違いなく津田がいるのなら、私に任せろ」


 我田さんが頼もしい発言をしてくれる。


「私が特殊能力テレパスを発動して津田をイメージしながら呼び掛ければ、

 そのうち津田の脳に届くはずだ。

 津田がガン無視をせずに私の声に応じれば、津田の声を受信できる」


 我田さんは脳内でイメージした人と会話をできる。有効範囲は「意思の疎通ができる人」で半径1.5㎞、一方的に発信して声を届ける場合は半径1㎞。つまり僕達なら1.5㎞離れても会話できて、ツカさんは1㎞以内なら我田さんの声を受け取れる。


「ツカさん(津田くん)にガン無視されたらどうすんの?」

「そん時は血眼になって探し出して半殺しにする!」


 ツカさん(津田くん)が我田さんの声に素直に応じてくれることを願います。


「全員でバカ面下げて探し廻る必要は無い。

 私と輪島、あと1人くらいいれば余裕ってことだ。

 捜索の役に立たねー奴等は、さっさと帰って、鍛錬でもしてろ」


 我田さん、口は悪いけど、根は優しいみたい。


「オマエに任せて、勝手なことをされたら困る。私も捜索に残るぞ」


 我田さんへの対抗意識だろうか?武藤さんが捜索組に立候補をする。


「お屋敷に戻ってもヒマだからアタシも残るね!」


 由井さんも捜索を手伝うつもりだ。


「オマエは帰って良い!」×2


 あっ!武藤さんと我田さんがシンクロした。この2人、実は気が合う?


「オマエにマシンガントークをされると捜索に集中できない!」

「オマエにマシンガントークをされるとテレパスに集中できない!」

「でもでも、騎士さんに見付かった時、アタシがいると存在消して逃げられるよ。

 それなのに、アタシがいてあげないでいいの?」

「ぬぐぅぅぅ」×2


 この弁舌戦、バカっぽくて舌っ足らずな由井さんの勝利。


「喧嘩しないようにね」

「おしゃべりに夢中になりすぎて、捜索を忘れないでね」

「アタシに任せてぇ~」

「ゆいゆいが一番心配なの」


 捜索は武藤さん&由井さん&我田さん&輪島さんに任せて、僕等は上府屋敷に帰る。捜索組がちゃんと機能するかどうかは、輪島さんの頑張り次第だろうな。



 輪島のコンパスは、描いていて「便利すぎる」と感じた。吉見がいなければ、もっと要領の悪い使い方になるんだろうけど、吉見がいるせいで無駄を省いた使用ができて、このままではアッサリと残りの仲間が集まってしまう。急きょ、使用制限有り、上杉や北条とは面識が無いので探せないなどの枷を設けて、日数を必要として、且つ、尊人がレンタルしなければ皆を集められない展開に描き直した。

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