現実問題
この度開催される舞踏会の内容は、王妃様主催の第2王子の婚約者探しである。
何でも第2王子はかなり気難しい性格の為なかなか決まらず、業を煮やした王妃様が舞踏会で婚約者を探すことを決めたらしい。
参加資格はこの王都・城下町に住んでいる、または屋敷を置いている(辺境に領地があり王都に屋敷を置くことができる財力がある)15から25才までの貴族。
男爵家は一応先代のおかげで財力は其れなりにあり、城下町の貴族の住む区画の端にある為に該当したようだ(母の散財のせいでそれも危ぶまれているが)
母の事だから私達のどちらかが王子に見初められるのを期待してアレほど騒いでいるのだろう。
どこからそんな自信がでるのやら、ため息しかでないわ。
私は顔にソバカスがあり、目もキツめだしお世辞にも可愛いや綺麗とは言い難い。
最近は姉のメイクのおかげで多少は見れる顔になったと思う。
姉アデルは顔は母に似ている為、美人ではあると思うが、母のせいでストレスが溜まり吹き出物が多い。
それを隠す為にメイクにのめり込み、今は肌にいい素材かを気にしながら化粧品を選んだりしている。
そんな姉が第2王子の配偶者などストレスが溜まりそうなことをする訳が無い。
シシリーであれば可愛いし愛想もいい、私達との勉強も頑張って覚えているし、母の虐めにも耐える根性や胆力もある…アレこれ最高なのでは?
いや、流石に爵位が足りないから無理でしょう、
第2王子は皇太子である兄王子が即位する時に爵位を戴く予定で、公爵または大公になるはず。
婚姻するのであれば最低でも伯爵位がいるから、養女として位の高い家に入るか、1人娘の場合入婿になって爵位を上げるかだ。
シシリーの場合、養女になるのであれば受け継ぐ予定の男爵位を親戚を探して譲るか、爵位を国に返還。
入婿の場合何かの功績を持って爵位を伯爵位に引き上げて、実際に入籍する際に王子への祝いとして公爵位または侯爵に上げるかな、というところかな。
と言った所で選ばれる確率は少ないだろう、招待された人はかなりの人数になりそうだからね。
此方としては家族同伴が許されている為、第2王子狙いの女達に付いてくるであろう男性が目当てだ。
同伴してくる男はきっと次男や三男で跡継ぎになれない人物で第2王子に選ばれなかった女性狙いできっとやってくる。
入婿になって爵位は妻があれど生活が保証されるのであれば、本来家を出て騎士や冒険者など危険と隣り合わせで食い扶持を稼がなければいけない身としては、ある程度安全に暮らせる方がいいだろう。
私としてはシシリーにはこれ以上苦しい思いをしてほしくはないので、いい感じの相性のいい男性を選び、選ばれてほしい。