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私の家族3


養父の葬儀が終わり数日後、母が次期男爵が成人を迎えるまでの男爵代理となった。


 代理になってから、母は今までいたメイドや執事を追い出し自分に都合のいい使用人を雇い始めた。


 次にシシリーを今いる部屋から屋根裏部屋へ追いやり、使用人の真似をさせるようになった。


 あくまで、男爵の血を受け継いでいるのはシシリーで次期男爵位はシシリーのもので私達ではない。


 あと2年経てばシシリーは成人になる、その時どうするつもりなのか、母にやめるように姉と共に説得しようとしたけれど



 母に初めて叩かれた



 すごくショックだった、いままで何かと気には掛けてくれていたから、其れなりに愛情があるのだと思っていた、でもそれは私の願望でしかなかったのね。


 私を叩いた後も何かと喚き散らす母を見て、私の中にあった糸がプツッと切れた音が聞こえた気がした。


 放心した私を心配した姉が自分の部屋まで連れて来てくれた。


 「姉様、もう駄目ね」

 「ええ、ワタシも覚悟を決めたわ」


 母を見捨て、シシリーを助ける事を


 それから私達は母の機嫌をとる為に、シシリーを虐げる振りをしつつ、シシリーと話し合い自分達が幸せになる為に準備を始めた。

 

 母は基本的に執務などは人に任せ、他家のお茶会や、城下町へ買い物はたまた劇場にと家にいる方が少ない。 


 使用人達は、シシリーが仕事をするからとサボりぎみ、監視するとしても私達には注意していない。

 

 これはチャンスだと3人で役割り分担をすることにした。


 シシリーは使用人達の仕事をしながら私達から領主・淑女教育。

 アデルは部屋の偽装や、母にバレないよう怪我や顔色の特殊メイク。

 私は服や、布製品の偽装。

 でもこれだと、資金は必要不可欠だろうということになり、何かできないかと模索した結果。

 

 私は刺繍が得意だった為刺繍をした品を城下町のお店に売り行き、品を見せると服飾関係の人に働きに来ないかと言われ、今は定期でドレスの刺繍なども手掛けるようになりなかなかの金額を稼ぐ事が出来るようになった。


 姉のアデルは元々絵を描く才能があったのだけれど、メイドの化粧の仕上がりが気に入らないからと自分でするようになってから腕を上げ、特殊メイクが出来る様になったり、

 母に付き合って劇場に行った時何故か団員の方にメイクを施し、それが気に入られて舞台がある時こっそり呼ばれる様になったとか。

 ちゃんとお金は貰えるようだけどなぜそうなったのか一番謎かもしれない、まぁ本人は楽しそうなので。


 シシリーはシシリーで家事や掃除や料理、私達による領主・淑女教育などもあり私達も一部は手伝ったとはいえ一番大変だったと思う。


 でもそれも、もう少しで終わる。




 

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