2人の義姉
「ほーほっほ、これで完成よ」
「ふふふっ、私のこれは最高の仕上がりっ」
アデルとマリンは満足気に笑いながらソレをみていた。
そこには顔色の悪い痩せ細ったボロボロの服を着た、傷だらけの汚れまみれのシシリー…
なのだが何やら様子がおかしい
「この色の配分がなかなかいい感じにでたわ、次はアレを使ってみようかしら」
鞄の中に色々な化粧道具と化粧品を片付けながら思案するアデル。
「うーん、やっぱりもう少しここは切れ込みを入れてソレっぽく、ここは刺繍で穴みたいに…」
シシリーの周りを見回しソーイングセット片手に手直しをしていくマリン。
そんな2人を困惑した顔で見ているシシリー。
そう彼女達の言う遊びとは、いかにしてシシリーをみずぼらしく見せるかというもの。
ちなみにシシリーの腕の怪我は義姉達が隠し持っていた傷薬で治療済みでもある。(今見えている傷はアデルによる特殊メイク)
この屋根裏部屋は、もともと使わない家具などが置かれていて、シシリーが宛てがわれた頃から義姉達による改造が行われほこりまみれのボロボロの物しかない様に見える部屋になった。
なぜ義姉達はこんなことをしているのか?
ここに押し込められた日、初めて義姉達が部屋にやって来た時にソノ話しを聞いたシシリーは2人の協力を得ながら暮らす事を決意した。
自分達の幸せを掴む為に