灰かぶりの様な少女
「シシリーっさっさと用意しな!このグズ!」
「はっ、はいただいまっ」
友人のお茶会に出席する為に義娘に自分の支度をさせる継母、何かにつけて粗相をしようものなら馬を叩く鞭で、腕や足など見えない所を叩かれる。
そのためシシリーの体にはあちらコチラにその跡がある。
今も左腕を叩かれ、その瞬間を部屋の開いている扉からクスクス笑いながら見ている義姉達
「早くしなさいよ、私達と一緒に遊んであげるんだから」
「そうよそうよ」
彼女達の言う遊びとは、シシリーに宛てがわれている屋根裏部屋にて折檻することである。
その事を知っている継母は、
「そうね、アデル、マリンこの後のことは任せるわ」
支度が終わり2人の義姉に言い残すと颯爽と出掛けていった。
「ほら、さっさと行きなさいな」
長女のアデルに促され、屋根裏に戻る途中
「あらいけない、マリン忘れ物をしたから先に行っておいて」
そう次女マリンに言うと自分の部屋へ向い、
「早く来なさいよ」
マリンはシシリーの右手を掴み引っ張って屋根裏部屋の近くに連れてきた。
「本当にめんどくさいわー、アンタたち見世物じゃないから別の場所で仕事なさいな」
屋根裏部屋へ登る階段の付近にいたメイド達を見ながらマリンが言うと、焦った顔をしながら慌て去って行くのを眺め部屋に入る。
2人が部屋に入ると遅れて
「待ったかしら?」
アデルが手に鞄を片手に部屋に入ってきた。
「いいえ」
マリンが何処から取り出したのか鋏を持ちながら答える。
これからここで起こる出来事は、虐げられる様になってからの義姉達による 遊び である。