第35話 船旅
流石の俺もちょっとだけ申し訳なさを持ってしまった。
ライバル枠アムダは、何度でも挑めて、何度も叩きのめすことで経験値を獲得できる。経験値要員として物語を支えていたのだ。
そんなことはすっかり忘れていたし、そのせいで主人公モエが思っていたより伸びていない。単純なレベルが低いのだろう。エレメンタルコード7つ集めているが、ゲームならこの時期で37くらいは余裕でいくが、平均29くらいだと言っていた。
だいぶ低いな。
俺のせい、と言うわけではないかもしれないけど。これはなんとかしてあげたい。そこでレベリングの方法を彼女に教えてあげることにした。
ゲームと同じなのかどうか、調べる目的もあるしな。
ただ、レベル上げる方法かぁ……どれを教えてあげるべきか
レベル上げるのって道具を使う方法と戦って経験値を貯める方法、あとは折衷案みたなのが色々あるんだよねぇ。
『レベリングって言うけど。どうするのよ。ほら、【レベルアップする木の実】があったじゃない。でも、あれって……手に入れるの難しいじゃない』
「沢山手に入る代物じゃないしな。後は単純に戦う方法あるけど、それじゃ上がりずらいってことだよな」
『戦う相手もそんなに居ないんじゃない? 丁度レベルが上がりずらい敵とかも』
クイーンも俺が主人公のレベリングについての相談に乗ってくれる。毛並みを撫でながら相談すると機嫌が良くなるので、いつもしている。
ゲームならゴッドリーグに入り浸るのも効率よくレベルを上げる方法ではあった。この世界じゃ、行くまでに時間かかるしなぁ。
「【黄金の剣】って言う装備を持たせて戦わせるのが良いなぁ。ただこれ入手できるか?」
『全部、気を使ってたらキリないわよ』
「そうだなぁ。装備も作ったエレモンによって、質が変わるんだけど。取り敢えずそう言うのは抜きで考えるか」
【黄金の剣】と言う装備が存在する。
エレモンには【装備】を言って道具を一つ持たせることができて、それによってステータスを上昇、他にも副次効果を持たせることができる。
この【黄金の剣】は獲得する経験値を上げることができる。
【装備】を入手する方法は大体三つ。一つは店で買う、二つ目はエレモンを倒してドロップする、三つ目はエレモンに作ってもらう。
まぁ、一つ目に関しては売ってる店はゲームではなかった。かなりレアな装備と言う設定もあったしな。そして、三つ目エレモンに作って貰う方法も難しい。装備を作るには道具が必要だし。
その道具もまぁまぁ入手は難しい。装備作れるエレモンは限られてるしな。失敗したら道具も無駄になるし。
──二つ目のエレモンドロップが1番確率が高いと言うことができるだろう。そうだな、
ふむ、レベリングの流れは決まったかもしれない
【螺旋の地下洞窟】と言う場所がある。ここの【22階】の特定エリアに、稀だが【グレール】と言うエレモンが居てこれを倒すとドロップする
さらに、【21階】には【メタモルフォーゼ】が居る。これを倒すと大量経験値です。【黄金の剣】を手に入れたら、すぐさま倒しにいく。【メタモルフォーゼ】は出現低確率だけど【メタルあんこ餅】をばら撒くと出現確率アップするから
【メタルあんこ餅】はエレ市場で安く買える。
あんこ餅は俺の方で買っておこう。螺旋の地下洞窟には船で行かないといけない。ホーリーマジックモンでテレポートをするには一度、その場所に直接行かないといけないから、今回は船で行く。
螺旋の地下洞窟は地ノ国と言う舞台から離れた島国に存在している。一応は地ノ国判定らしいが、船でないと行けない場所である。
ラリラ博士も行くみたいで……
「アムダ様ー、四人分のチケット取っておきましたー」
「あ、ありがと」
「いいえー。ほれほれ一緒の部屋ですぞ!」
チケットをとってくれる。相変わらず仕事は早いんだよなぁ。
今回行く場所への移動は、大きな船であり客室付きだ。同じ部屋か。それは嫌だな。モエとチカは同じ部屋で過ごすらしい。
「ふふふ、アムダ様は可愛いですよね! 弟みたい! 僕弟は欲しかったんです!」
「お、俺、姉とか欲しくない、です」
「き、厳しい……」
前世だと、体が悪い俺よりも弟や妹の方が優秀だったから両親が愛していたから。苦手な感じする。
──目的地と航路が決まったので、船の場所に移動をする。すると、既にモエとチカはキャリーケースを持って待ち構えていた。
「アムダ君、こっちですわ。それと先生お久しぶりですわ」
「おはよー、それとラリラ先生」
「塾で教えてた以来ですね。お久しぶりですー」
ラリラ博士は俺たちの塾の時の先生だったからな。初対面じゃないのか。良かった変に気まずい感じにならなくて。船の中に入り、それぞれの部屋で荷物を置いた。
「おかしいよ、なぜぼくとアムダ君が同じ部屋じゃないの?」
「アムダ様は常に僕と一緒にいますからね。しょうがないですよ、チカさん」
「いや、同年代の方がいいよ!! そうだよね!? アムダ君」
チカとラリラ博士が楽しそうに話している。船が到着するまで、時間がかかるので武者マルと一緒に船を探検しよう。
それにしても、初めて移動するけど、船ってこんな感じなのか。よく揺れるな。しかも速度も大分遅い。
「むしゃ!」
連れてきた武者マルは結構気に入ったらしい。ガイア帝国の時に、極マルまで進化させたが、再び退化させて武者マルに戻した。やっぱりこっちの方が可愛さはあるので俺は好きだ。
うーむ、普通に空飛べるエレモンに頼んだ方が楽だったかもしれないな。帰りはテレポートでいいな。
船の外で風に吹かれている。ずっと、海が広がっていて、綺麗な青に溢れている。この船を乗った時に、パンフレットをもらったのでそれを眺めることにした。
螺旋の地下洞窟、と言うのは島にある施設の一種だ。島自体にもちゃんと名前がついている。
「【遊奥の島】と言う名前だったか。ふーん、やっぱり観光パンフレットもあるのか。ゲームではなかったな」
「むしゃ!」
「昔、ゲームの時なら一緒に行ったな。レベリングのために。ここで武者マルが一気に60くらいになったな」
「むっしゃ!」
ゲームの時の記憶も覚えているエレモン達。レベリングの記憶もあるのか。思い出を辿るにも悪くない船旅なのかもしれない。
それに、レベリングサポートだけじゃなく単純に興味もある。観光地ということで、どういう感じなのか。俺も島を持っていて発展させるために色々と試行錯誤している。
それぞれのエレモンの系統に合わせた島のエリアを構築したい。構築するにしてもデザインとか色々あるしな。
観光地っていうのは基本的に誰かを呼んで楽しませる場所だ。俺のエレモンも楽しめる場所の参考にできれば良いだろう。ゲームでは無い設定や場所とかもあるかもだしな。その辺も確認して
他にも島に敵が来た時の防衛策とか。まぁ、そんなのはあんまり無いと思うけども。
「う、うぅ」
あ、モエが青い顔して風に吹かれている。船が苦手なのか。
「大丈夫?」
「……わたくし、船苦手ですの」
「ホーリーマジックモン。回復かけてあげて」
エレフォンから、ホーリーマジックモンを解放する。そして、アクティブスキル全快を使う。エレモンの生命を回復するスキルだが、俺のは奥義化しているので、全回復できる。
「──ッ……」
ホーリーマジックモン、白いローブに全身が包まれ、目元と口だけLEDで発光したように形が出ている。彼の右手が光、モエに触れると彼女の顔色が戻る。
「あれ? 気分が」
「アクティブスキルは、人間にも効果あります」
「そうでしたのね……ありがとうございます。アムダ君、ホーリーマジックモン」
──船が【遊奥の島】に着くまでに時間が大体、1日かかる
「……うぅ、気分悪いですわ」
「また、頼むよ。ホーリーマジックモン」
仕方ないので看病してあげた。




