幕間 ある協会の一員の終わり
『先日、管理協会ラリック選手が違法薬物をエレモンに使っていると言う事実が判明しました。この件について、管理協会会長【グルバル・フェルリン】は深く謝罪をすると共に、協会サポートメンバーラリック選手を強制退会としました』
アムダが優勝をした、数日後、ラリックの違法薬物所持、使用のニュースがとびこできた。
『この度の不手際について会長グルバル・フェルリンは謝罪。しかし、同時に管理協会は違法薬物との関係は一切ないことを宣言しました。違法薬物は──』
【管理協会、サポートメンバー逮捕される】
1名無しテイマー
マジで? 違法薬物?
2名無しテイマー
よくわからないけど、エレモンに作用して一時的にステータスを上げてくれるらしい。ただ、障害とか残る可能性あるらしい。
3名無しテイマー
こんなのを使ってたってこと? なんでバレたの?
4名無しテイマー
試合終了後、異変を察したアムダが大会運営に報告、一応抜き打ちチェック入る。激しく拒否、怪しまれて、尋問、そのまま、謎の薬発見!!
5名無しテイマー
アムダ戦ってて気づいたのかよ
6名無しテイマー
これ、タブレット? 知らんけども
7名無しテイマー
うーん、一応は違法な成分が入ってるんだろ? でも、あんまり分かっていないらしい。
8名無しテイマー
博士学会は違法成分が入ってるタブレットと説明したね。それにしてもこんなのをラリックはどっから持ってきたん?
9名無しテイマー
買ったんじゃない? そもそもラリックは今どうしてるの?
10名無しテイマー
刑務所入ってるよ。違法薬物はやばいし、それをエレモンに使っているのもなんだかやばい。ガチでやばい
11名無しテイマー
博士学会は昔、乱用されていた時期があったと説明。しかし、今回のは以前よりも、遥かに効果が強いらしい。
12名無しテイマー
ガチで? こんなの使ってまで勝とうととしてるのかよ……。でもステータスを一時的に上げる道具とか割とあるよね? これだけダメなのはなぜ?
13名無しテイマー
違法なのは後遺症とかを残すのだからね。
14名無しテイマー
紅不可思議錠。これだな
15名無しテイマー
こんなのをなぜ、ラリックは持ってるの? 管理協会も無関係か?
16名無しテイマー
あるかもな。でも、証拠ないし
17名無しテイマー
憶測だけじゃね
18名無しテイマー
本人はどう言ってるの?
19名無しテイマー
会長は完全否定。ただ、ラリックは退会させた。ラリックは、途中で支離滅裂になったらしい。気絶もしてしまっていて、昏睡状態
20名無しテイマー
色々と良くわからん部分あるね
21名無しテイマー
このタブレットはどこから入手なのかもイマイチ分かってないのか
22名無しテイマー
以前も使用された過去があるなら、まだどこかが研究してたのかな?
23名無しテイマー
それはあり得るね
24名無しテイマー
ガイア帝国とかシア帝国とかも、活動してるし、そういう団体とかあるのかも
25名無しテイマー
管理協会って、改造とか色々してる団体あってそういうのから守るための作られたんでしょ
26名無しテイマー
管理協会からそれが出てくるかね
27名無しテイマー
本末転倒な気がするわ
28名無しテイマー
単独なら仕方なくね? 数が多くなれば変なのも出てくる。ラリックは同情の余地はないけど
29名無しテイマー
妙に喧嘩腰のやつだったね
30名無しテイマー
会長が知らないってあり得るのかな?
31名無しテイマー
沢山メンバーいるんだから有り得るだろ
32名無しテイマー
アムダ君は戦っている最中によく違和感に気づいたね
33名無しテイマー
全然わからん。動画見たけども
34名無しテイマー
まぁ、一回戦とかより動きが速いとかあるかもだけど。エレモンの調子とかムラとかあるからな
35名無しテイマー
謎の嗅覚あるのか
◾️◾️
後悔。後悔が彼の心を、ラリックの心を支配していた。
決勝で負けた後、彼は会長へと電話をかけようとした。エレフォンにて会長に電話をかけると、すぐにその声は聞こえる。
「会長! も、申し訳ありません」
『見ていましたよ。準優勝おめでとうございます』
「……こ、今回はたまたま、相手の運がよく負けただけです! 次こそは私は勝てます!!」
準優勝をしたことに対して、讃える声を出す会長。しかし彼にはすぐに分かった、これは皮肉であると
アムダに負けたことに対しての皮肉であると
「今回はボーン剣士の調子も良くありませんでした! 相手は運だけで、私の運が最低値であっただけの結果です! 確率が下ぶれただけで!! 次やれば勝つことができます!!」
『──それは違うでしょう』
「……え?」
『確かに彼は豪運のテイマーでしょう。未知のエレモンを保有している、捕獲できていますからね。しかし、貴方はその程度の相手にも負けた。運だけの相手に、負けてしまった。えぇ、正直相手が悪かったかもしれませんね』
会長は淡々と語り続けた。声に抑揚はなくて、文章をそのまま読んでいる機械のような印象を受ける。
『彼はテイマーとしては優秀でしょう、まぁ、一対一の試合という状況での話でしょうがね。貴方はアムダというテイマーを見下せるほどの実力はないということです』
「ち、ちが」
『違わなくないでしょう。薬を使おうが使わないが結果は変わらない。結局結果では貴方は大敗していますから』
「だ、だって」
相手は運だけで……それに比べて自分は実力があるから。彼はそう言いかけた
『本当はわかっているでしょう。実力差があるとね。さて、そろそろ時間ですね。アムダの件はもう構いませんよ。タブレットがどの程度通じるか、彼がどの程度なのか知りたかっただけですから』
「……す、捨て駒、とでも? 私はこんだけしてきた私は!! 捨て駒なのですか!」
『勝ってくれれば英雄でしたよ、それは嘘ではありません。しかし、貴方は結果として負けたのだから捨て駒です』
そこから、プチット電話は切れた。そのまま、大会運営が現れ彼は逮捕された。独房のような場所で尋問を受けることになる。
「なぜ、こんな、こんなことに」
『この薬はどこで手に入れたんだ』
「こ、これは……」
会長が……そう言いかけたが彼は口を閉じた。しかし同時に、後悔や怨念が彼を支配した。
(なぜ、なぜこうなった……なぜ、戦うという選択肢を選んでしまった……、最初から、挑むことを勝とうとしなければ)
(ネットにアムダのテイマーとしての未熟さを書き込めば、本人が貸出エレモンの大会に出てくると予想し、私は行動していた)
(うまくいくと思っていた。相手はただエレモンが強いだけで……だが、見誤っていた)
後悔が湧いてくる。後悔が心を埋めていく。ラリックの頭の中に怒りや怨念も同時に育った。
「会長が止めてくれればよかった……私、では、彼に……最初から、最初から、戦わない、挑むことを頭に入れていなければ」
(挑発をすれば、コンディションが崩れて有利になると思っていたのに……全て、全て、自身の想定を超える結果を出されたッ)
その時、彼はあることを思った。もうどうでもいい、全て、自分のせいではないことにしようと。
「あの薬は、会長から頂いた」
『あーあ、それを言っちまったか』
「え?」
『いやいや、それが出なければこのままでも良かったけども。あーいや。なんでもないわ』
尋問員がため息を吐きながら、手を出した。そこにはエレフォンが握られている
『会長が言っていたぜ。お前みたいなのは排除しておくべきってさ』
「っ!! あぁ!! そうですか!! クソが!!!」
本当に、あの時……アムダの実力を見誤ることがなければ……彼は最後にそう思った。
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