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【元世界ランキング1位】がモンスター育成ゲーム、主人公の【歴代最弱ライバル枠】に転生する  作者: 流石ユユシタ
第1章 地ノ国編

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第19話 スイーツ投稿

「動画出しましょう」

「は、はい」

「ただ、出すのもあれだから、なにかネタを入れたいですよね!」



ラリラ博士がそう言うので、デカイチゴを動画に出すことにした。しかし、それだけだと面白くない、せっかくだからいちごでスイーツでも作ってみるか



 ゲームでもスイーツを作ると言う要素があった。エレモン専用に【エレスイーツ】を作りエレモンに渡す。


 これをすると特定のエレモンは進化したり、高ランクのエレモンが言うことを聞いてくれる場合があったり、色々とある。


 ただ、一番大事なのはエレモンが単純に喜んでくれると言うこと。


 ならば作ってみるか。デカイチゴを使って!!



「ゲームだったらコマンド操作で全部できたけど、そうもいかないからな」

『アンタの家から器具とか持ってこないと難しいんじゃない? 料理って簡単じゃないわよ』

「だよな。それで家から持ってきた器具がこちらです」

『用意がいいわね。流石は王よ』



 まぁ、作ると言ってもそんな凝ったのは無理だけどな。だが、頑張ってみるか。


 デカイチゴだと……デカイチゴのタルトかな?



『イチゴ以外の材料は家から持ってきたのね。火は武者マルの火を使うなんて……アウトドアね』



 頭の中で解説をしてくれるクイーン。彼女の予想通り、俺は淡々とタルトを作ってみた。


 イチゴの材料ではなく、家から持ってきた材料の事情で10個しか作ることができないのが残念な点だ。



『使い終わった食器は水系統のエレモンに洗ってもらいなさい』



 お、おう。本当に心強いなぁ。この島では水系統のエレモン、ウォーターエレモン系に特にお世話になっているとっても過言ではない。


 4000体の現在の食糧は海の魚なのだ。この島は海の上に【テラゴラム】が作ってくれている。周りは海なのでそこで魚などをとってもらってそれを分配している。



 これもこの世界で気づいたことなのだが、豚や鶏、牛、魚が存在している。日本で生息していた食用の動物はそれなりに居る。


 しかし、それらとエレモンの違いは【魔素】の有無らしい。アクティブスキルを使う際に消費する【魔素】。


 これが存在する動物をエレモンとしているとか。


 エレモンは知能がかなり高いらしい。人間よりも高い、または独自の言語に近い泣き声を持っていたりするらしい。


 まぁ、後は【魔素】を【炎】や【水】に変換する器官があったりする。


 謎が多いらしいけど、そう言うのを研究するのを博士って言うらしい。ゲームとかだと主人公をサポートするのが博士だったなぁ。


「あ! 美味しそうなタルトですね!!」



 こんな明るくて、ロリみたいな人が博士だとは思えないけども……




「さて、お皿に盛り付けて実食だな。先ずは武者マル!」

「むしゃ!」

「どうだ! 食べてみよ!」

「むしゃむしゃ! むしゃー! む、むしゃ!!」




 おお、喜んでくれている気がする!! 次はクイーンに食べてもらおうかな



『いらない』

「え? なんで? ま、まずそう?」

『……クイーンであるアタシが最初に食べるべきなのに! なんで武者マルなの!』

「む、むしゃ?」

『それに! そこにはラリラが居るから! そいつがどっかに居なくなったら食べるわ!!』



 お、おう俺も対応が困るけど……武者マルもなんか困ってしまってる。



「そ、そう言うなよ」

『今はいらない!』



 そう言うけど……あとで持っていってあげよう。


 しかし、反応がか、かわいい。なら、もう一回武者マルにあげようかなと思うが、またムッとするだろうし。



「アムダ様のスイーツ美味しいですね!! 因みにですが、一連の流れは動画撮っているので、編集して出しておきますねー」




 博士は満足そうな顔をしてニコニコしている。イチゴタルトはファームモンやガーディモンからも大盛況だったらしい。


 人間もエレモンも美味しいと言われたのでよかった。




『アンタには料理の才能があるんじゃない! 流石は王ね』




 脳内でクイーンが褒めてくれる。うーむ、料理はコマンド操作だけだけどゲームでも沢山作ったからな。


 その経験値が俺に残っていた!?



 ……そんな訳ないな。単純に俺にはエレスイーツを作る才能があっただけか。



 スイーツ作るには果物以外にも材料費がかかるかぁ。今後もエレモンに振る舞うならお金は必須。


 やばい、何かをすればするほど課題が出てくる気がするんだけど



 だが、俺がやるしかない!! やっぱりお金がまずは必要だな。


 

 

 動画で紹介して売る流れにする、それがラリラ博士の話だったけど。通販とかじゃ、無理だな。


 色々と面倒だし。


 これなら直接売った方がいい。



 ゲームであった【エレ市場】って場所で売ることにするか






◾️◾️





「あら、チカ。ここの喫茶店入りましょう」

「うーん、おっけー」




 モエとチカ、2人は喫茶店に訪れていた。エレ塾に入る前から幼馴染である2人はよく食事をしている。




「ボクはケーキにするねぇ」

「それだけでいいんですの? ワタクシが奢りますからお好きに頼んでいいですわよ」

「いいよ。遠慮しておく。あんまり奢ってもらうのもね」

「それではワタクシはパフェですわ」




 注文を終えて、暫く待っている時間になった。



「アムダ君すごいですわね。動画一本しかげていないのに、10万人登録なってますわよ」

「すごいねぇ……アムダ君って普段どこいるの?」

「さぁ、ワタクシは連絡先はありますが、居場所は知りませんわね」

「ふーん」




 チカは興味なさげな返事をするが、いつもと違うとモエは気づいた。



「何かありましたの?」

「別に?」

「そうですのね」




 特に追求することもなく、彼女は淡々としていた。その時、ちょうどエレフォンに通知が入ってきた。



「あ、新しい動画来てますわよ。アムリラちゃんねる、ワタクシ登録してますの」

「ええ? ボクもしてるけどね」

「今度は……エレスイーツの動画みたいですわね」




 動画にはアムダが淡々とスイーツを作り、武者マルに振る舞っている。どうやら、デカイチゴスイーツであるようだ。




「美味しそうですわね……しかも、このデカイチゴかなり良く出来てますわね。ワタクシ、毎年お取り寄せとかしますの。だから、より良いのがすぐわかりますわ」

「……そうーなんだー。アムダ君って料理上手なんだ」

「そのようですわね」





 じっとチカは動画を見ている。



「チカ、何かありましたの?」

「いや。なにも?」

「そんな食い入るように見てますのね。あ、アムダ君とラリラ先生は仲がいいんですわね」

「ちょっと、距離近くない?」

「さぁ?」



(なんですの? チカ? いつもと様子が……ん? 動画にコメントしている?)




『チャンネル登録しました! 動画すごく面白いです!! それはそれとして、アムダ君と博士の距離が近いような気がします。冷静に考えて、色々と問題があるような気がするので、適切な距離感で動画を見たいです。アムダ君にも好きな人とか居たら勘違いとかされて、可哀想ですし。今エレチューブで人気になっているのでこれから影響力とか高くなりますし、彼が困ることに──』




(……なんでそんなにがちでコメントしてますの?)





 後に、アムダガチ恋勢と言われる……







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