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眠ったら全て君のものだ

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

恋愛です。R15です。

苦手な方はご注意下さい。


生涯、ずっとそうだと思います。

誰よりも触られる事を嫌がる癖に、誰よりも人との繋がりを求めている。だから何時も誰かに触れられ、全てを壊されるのを祈りながら、いざ触れられると肌を裂いて拒絶する。彼女はそんな複雑で面倒臭い体質の子だった。


二人しか居ない部屋の中で、視線一つも合わせずに、無造作に置かれた手の甲に重ねた。僅かに震えながらも、(あからさま)に拒絶する事はせず、ただその行為を受け入れてくれた。

「……触られるのは、まだ嫌だろうか」

「嫌じゃないよ。今だって……自分から」

恐る恐る此方を向き直り、強く目を閉ざした。其れからそっと私の頬に触れて、顔を近付ける。薄目を開けて、彼女の動向を見守ると、恐れや不安、焦燥、そんな芳しくない表情のまま、一生懸命此方に近付いてくる。

彼女の通り、嫌では無いだろう。それでもこの様なのは未知から来る恐怖心なのかも知れない。

結果、彼女の唇が私のものと重なる事は無かった。代わりに押し当てられたのは、僅かに汗ばんだ指先三つ。羽のようにそっと当たると、彼女の目が鷹揚に開く。安堵が浮かんでいた。

「毎晩、毎晩、毎晩毎晩毎晩毎晩、ずっと……ずっとだよ……これ以上の想像をした。

『この人、本当にキス好きだなぁ。女の子みたい』そんな事を夜毎に思った。

貴方が辛くなる程唇を合わせ、浮腫んだ素肌に触れたから、 『そこじゃないよ。そこはもう、死んでしまったから、核心に触れないと何も無いよ』って笑った。

私がそう言うと、掻き毟りたくなるほど痒い部分を指先で引っ掻いてくれた。張り詰めた後に宙を返って、弛緩した。熱を沈めてくれた。一人遊びの果てに、幾度となく眠りについた。

でも……どうしてこんなにも、怖いんだろう。あんなに夢で目合ったのに。怖くない筈なのに」

長い言葉の後を続ける途中、彼女の目に涙が浮かんだ。糸が切れた様にぐったりと首を折ると、静かに絶望した。

誰よりも愛欲に溺れ、悦に飢えている癖に、実際に与えると怖がって逃げてしまう。難儀な子だった。

「だから……だからね。今から眠るよ。眠ったら、もう全て君のものだよ」

そう言って、ただ凭れる様に体を預けた。しっとりとした素肌が体の溝を埋めると、力を抜いたのだと知る。

「有難う。では遠慮なく、君の覚悟を貰おう」

「起きたら……全てが始まって、終わってると良いな……」

何故、恋愛が多くなるか。と聞かれれば、辻斬りになりたいだけだと思います。


このネタ、分かる方はお友達になれます。

語り手が女性だからこそぶっ刺さり、男性だときっとここまで沼らなかったと思います。


眠る前に彼の事ばかり考えている癖に、いざ触れられると怖くて萎縮してしまう子の話。

だから強行突破として、『眠ったら好きにしろ』と言ってるんです。


相当に覚悟持ってると思います。

だから笑う事も、引くこともしません。


心を変えるのは難しいですね。

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